ExcelでMISレポートを作成する方法|ピボットテーブルとグラフを使った2つの実践例
MIS(Management Information System:経営情報システム)は、世界中の組織にとって欠かせない仕組みです。MISとは、経営層や各部門の管理者が日々の業務データや生産データを収集・分析し、意思決定に役立てるための手法を指します。重要なのは、情報を簡潔かつ分かりやすく提示することです。本記事では、MISレポートの基本概要から、Excelを使って自分でMISレポートを作成する方法まで、2つの具体例をもとにわかりやすく解説します。
MISレポートとは?基本概要と種類
MISレポートは、各部門の幹部やトップマネジメントが活用する報告書であり、システム内のあらゆる情報を一覧できる「要約ビュー」を提供するものです。日々の業務やビジネスプロセスに関するデータを収集・比較・分析して作成され、組織の重要な要素を評価・管理・追跡することを可能にします。また、問題点、ボトルネック、圧迫要因などを迅速に特定するのにも役立ちます。
MISレポートの主なカテゴリ
MISには多数のカテゴリがありますが、世界的に認知され実際に使われているものは限られています。代表的なものは以下の4つです。
- サマリーレポート(Summary Report)
- 例外レポート(Exception Report)
- トレンドレポート(Trend Report)
- オンデマンドレポート(On-demand Report)
Excelで作成されるMISレポートの種類
上記のカテゴリの下に、MISレポートはさらに複数のタイプに分類されます。主なものは以下の通りです。
- 売上レポート
- 会計MISレポート
- 生産MISレポート
- 損益計算書レポート
- 異常損失レポート
- 原価計算レポート
- 在庫レポート
- キャッシュフロー計算書レポート
- 機械稼働率レポート
- 遊休時間レポート
- 受注残レポート
MISシステムを構成する5つの要素
実用的な経営情報システム(MIS)は、次の5つの重要なコンポーネントで構成されています。
- 人(People):システム上の情報を日常的に利用し、必要な情報を記録する担当者です。人事担当者、経理担当者などが該当します。
- データ(Data):日常のビジネス取引に関するデータです。銀行の場合であれば、入金・出金などの取引データがこれにあたります。
- プロセス(Process):業務手順のことです。全員が合意したベストプラクティスにより、業務を円滑に進められます。
- ソフトウェア(Software):人とハードウェア・データをつなぐ役割を担います。優れたソフトウェアはコミュニケーションをシームレスにし、生産性を高めます。
- ハードウェア(Hardware):プリンター、PC、ネットワーク機器などで構成されます。データ処理に必要な計算能力を提供し、印刷やネットワーク接続を可能にします。データを情報へ変換する速度と効率を大きく左右します。
ExcelでMISレポートを作成する2つの実践例
MISレポートの作成に厳密なルールはありませんが、世界的に共通する一般的な作業の流れがあります。
- マーケティング、財務、物流など、各部門からデータを収集する
- Excel、SPSS、Rなどのデータ管理ツールでデータを統合・クレンジングする
- 目的に応じて分析ツールや数式を適用する(元データのバックアップも忘れずに)
- 結果が正しく機能しているか検証する
このワークフローに従えば、MISレポートを効率的に作成できます。以下では、サンプルデータセットを使って具体的な手順を見ていきましょう。
例1:グラフを使ったシンプルなMISレポート
まずは、棒グラフと円グラフを組み合わせた基本的なMISレポートの作り方を紹介します。
手順:
- まずデータ表を選択し、「挿入」タブから「おすすめのグラフ」をクリックします。
- 新しいウィンドウが表示されたら、横軸にメーカー名、縦軸に単価が配置されたグラフを選択して「OK」をクリックします。
- 同様に、横軸にメーカー名、縦軸に合計金額が配置されたグラフも選択して「OK」をクリックします。
- 2つのグラフがワークシートに挿入されていることを確認します。
- 次に、「製造国」と「数量」の列を選択します。
- 「挿入」タブの円グラフの挿入コマンドをクリックし、「2-D円」セクションから「補助円グラフ付き円グラフ」を選択します。
- すると、メーカーの製造国ごとの市場占有率(割合)を示す円グラフが表示されます。
- 最後に、同じ手順で製造国別の合計金額のグラフも追加しましょう。
すべて組み合わせると、以下のようなMISレポートが完成します。このように、シンプルな円グラフと棒グラフだけでも、ExcelでMISレポートを作成できます。
注意点:
棒グラフを作成すると、新しいワークシートにグラフが出力される場合があります。その際は、グラフをメインのワークシート(元データのあるシート)に手動でコピーしてください。
例2:ピボットテーブルとスライサーを使ったMISレポート
次に、ピボットテーブルとスライサーを使ってデータセットを分析する方法を紹介します。ピボットテーブルを使うと、さまざまな列の条件でデータを柔軟に分析でき、スライサーを組み合わせればデータの絞り込みも直感的に行えます。
手順:
- まずデータセットを選択し、「挿入」タブのテーブルグループにある「ピボットテーブル」コマンドをクリックします。
- 新しいウィンドウが開いたら、データ表の範囲を選択します。
- 「新しいワークシート」オプションを選択して、新しいシートにピボットテーブルを作成し、「OK」をクリックします。
- 新しいワークシートが開き、右側にピボットテーブルのフィールドウィンドウが表示されます。
- このウィンドウで、「部品(Components)」を行フィールドへ、「数量(Quantity)」を値フィールドへ、「メーカー(Manufacturer)」を列フィールドへそれぞれドラッグします。
すると、行方向に部品名、列方向にメーカー名が配置され、それぞれの数量が集計された新しい表が作成されます。列見出しにはフィルターボタンがあり、表示したい部品を選択できます。
- 次に、ピボットテーブルにグラフを追加します。「ピボットテーブル分析」タブの「ツール」コマンドをクリックし、ドロップダウンメニューから「ピボットグラフ」を選択します。
- 新しいウィンドウが表示されたら「縦棒」を選択し、上段の2番目のグラフアイコンをクリックします。プレビューで見た目を確認して「OK」をクリックしましょう。
横軸に部品名(凡例で色分け)、縦軸に数量の合計が表示された新しい縦棒グラフが作成されます。
- さらに条件を追加してみましょう。「単価(Unit Price)」を値フィールドへドラッグすると、グラフに単価データが反映されます。
- 「挿入」タブから「おすすめのグラフ」をクリックし、新しいウィンドウで「集合縦棒」系の2番目のオプションを選択して「OK」をクリックします。
- 各部品の数量と、それに対する各メーカーの貢献度を積み上げた縦棒で示す新しいグラフが表示されます。
- 続けて、再度「おすすめのグラフ」をクリックし、「等高線」オプションから「3-D表面」を選択して「OK」をクリックします。
- 3つの異なる基準を持つ3Dサーフェス(表面)グラフが表示されます。
スライサーでデータを素早く絞り込む
次に、スライサーを活用しましょう。スライサーはフィルターボタンのように機能し、重要な情報を素早く抽出できます。
- 「挿入」タブの「フィルター」コマンドをクリックし、「スライサー」を選択します。
- スライサーのウィンドウが表示されたら、「部品(Components)」にチェックを入れて「OK」をクリックします。
- 部品のスライサーが作成され、任意の項目をクリックすると、表にはその項目の値のみが表示され、他は非表示になります。フィルターと同じような動作です。
- 同様の手順で、「メーカー」「原産国」など他の条件のスライサーも作成しましょう。
- これで、グラフ用に3つの独立したスライサーが揃います。
これらのスライサーを使えば、自由にデータを絞り込み、有益なインサイトをシームレスに導き出せます。スライサーとピボットテーブルを組み合わせたMISレポートの一例が完成しました。このように、Excelなら誰でも簡単にMISレポートを作成できます。ぜひご自身のデータセットでも試してみてください。
MISレポート作成時の注意点
- 特にグラフ機能について、Excelをしっかり使いこなせるようにしておきましょう。
- データベースやスプレッドシートなど、さまざまなデータソースからデータを抽出できる効率的なデータ収集ツールに依存します。
- MISレポート作成プロジェクトを始める前に、後でリンクできるようバックアップ用データベースを必ず用意しておきましょう。
- レポートは読み手(対象者)に合わせて作成することが大切です。
- データの出所となるデータベースの信頼性にも注目しましょう。
まとめ
本記事では、「ExcelでMISレポートを作成する方法」という疑問に対して、2つの具体例を挙げて詳しく解説しました。1つ目は円グラフと棒グラフを使ったシンプルな方法、2つ目はピボットテーブル、ピボットグラフ、3Dサーフェスグラフ、スライサーを組み合わせた高度な方法です。どちらも実務的なデータを使用しています。練習用のワークブックをダウンロードできるので、ぜひ実際に手を動かして試してみてください。ご質問やフィードバックがあれば、コメント欄でお気軽にお寄せください。
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