Excelで生データを分析する9つの実践的な方法
Excelで生データ(ローデータ)を効率的に分析したいと思っていませんか?この記事では、初心者から上級者まですぐに使える9つの分析方法を、具体的な手順付きでわかりやすく解説します。
記事内の手順は、実際にダウンロードできるワークブックを使って練習することも可能です。
Excelで生データを分析する9つの方法
ここでは、ある企業の製品名、月、売上の値を含むデータセットを例に使用します。この生データセットを、以下の9つの方法で分析していきましょう。
1. 並べ替えとフィルター機能でデータを分析する
まず最初の方法は、並べ替えとフィルター機能を使った基本的なデータ分析です。以下の手順に従って操作してみましょう。
手順:
- まず、フィルターをかけたい列を選択します。ここではセルC4を選択します。
- 次に、「データ」タブ → 「並べ替えとフィルター」 → 「フィルター」の順にクリックします。
- 表示されたフィルターボタン(▼)をクリックします。
- 「(すべて選択)」のチェックを外し、「1月」のみにチェックを入れて「OK」をクリックします。
- これで、1月の売上データだけが抽出されます。
- さらに売上値を並べ替えしたい場合は、売上列のフィルターボタンから「昇順」を選択します。
このように、並べ替えとフィルターを組み合わせることで、必要なデータだけを素早く取り出して分析できます。
2. 条件付き書式を使ってデータを分析する
次に、条件付き書式を活用した分析方法をご紹介します。視覚的にデータの傾向をつかむのに非常に便利な機能です。
手順:
- まず、セル範囲B5:D13を選択します。
- 次に、「ホーム」タブ → 「条件付き書式」をクリックします。
- 続いて、「上位/下位入力ルール」 → 「下位10項目」を選択します。
- ダイアログボックスが開いたら、数値に「2」を入力し、書式として「濃い赤のテキスト、淡い赤の背景」を選択して「OK」をクリックします。
これにより、データセットの中で最も売上が低い2件が自動的に強調表示され、一目で把握できるようになります。同様の手法で、上位の値や平均との比較など、さまざまな分析にも応用できます。
3. What-If分析(ゴールシーク)でデータを検証する
たとえば、3か月分の売上データがあり、4か月での目標売上が決まっている場合、残り1か月でどれだけの売上が必要かを計算できます。これを実現するのがゴールシーク機能です。
手順:
- まず現在の合計売上を求めるため、セルC9に以下の数式を入力します。
=SUM(C5:C8)
- Enterキーを押すと、4か月分の合計売上(SUM関数でセル範囲C5:C8の合計)が計算されます。
- 次に、「データ」タブ → 「予測」グループ → 「What-If分析」 → 「ゴールシーク」を選択します。
- ゴールシークのダイアログボックスで、「設定するセル」にC9、「目標値」に60000、「変化させるセル」にC8を指定し、「OK」をクリックします。
すると、目標売上を達成するために残りの月で必要な売上額が自動的に算出されます。目標達成までの逆算シミュレーションにとても役立つ機能です。
4. 「データの分析」機能で生データをスキャンする
Excelには、AIによるインサイト提案を行う「データの分析(Analyze Data)」機能も搭載されています。手順は以下の通りです。
手順:
- まず、セル範囲B4:D13を選択します。
- 次に、「ホーム」タブ → 「データの分析」をクリックします。
- 右側に「データの分析」ペインが開きます。ここには、データセットから自動生成されたさまざまなピボットテーブルやピボットグラフの候補が表示されるので、必要なものを挿入できます。
- また、「データについて質問する」ボックスをクリックすると、提案オプションが表示されます。ここでは例として「合計'売上'による上位3個の'製品'」を選択してみましょう。
- プレビューとしてサンプルのピボットテーブルが表示されるので、「ピボットテーブルの挿入」をクリックします。
挿入したピボットテーブルは、新しいワークシートに追加されます。質問形式でデータを探索できるので、分析のアイデア出しにも最適です。
5. テーブルを作成して生データを調査する
5つ目の方法は、データをテーブル化して管理・分析する手法です。テーブルにすることで、フィルターや集計が格段に扱いやすくなります。
手順:
- まず、セル範囲B4:D13を選択し、キーボードショートカットCtrl + Tを押します。
- 「テーブル作成」ダイアログが開くので、範囲が正しく選択されていることを確認し、「先頭行をテーブルの見出しとして使用する」にチェックを入れて「OK」をクリックします。
これで生データセットがテーブルに変換され、さまざまな分析に活用できます。
たとえば、売上が$3800より大きいデータを抽出して昇順に並べ替えたい場合は、以下のように操作します。
- 売上列のフィルターボタンをクリックし、「数値フィルター」 → 「指定の値より大きい」を選択します。
- 「オートフィルターのカスタマイズ」ダイアログで「より大きい」を選択し、値に「3800」を入力して「OK」をクリックします。
- さらに並べ替えたい場合は、同じフィルターメニューから「昇順」を選択します。
6. Power Queryエディターでデータを分析する
大量データの加工や整形に強いのがPower Queryエディターです。以下の手順で活用できます。
手順:
- まず、セル範囲B4:D13を選択します。
- 次に、「データ」タブ → 「テーブルまたは範囲から」をクリックします。
- 「テーブル作成」ダイアログが表示されるので、「先頭行をテーブルの見出しとして使用する」にチェックを入れて「OK」をクリックします。
- すると、Power Queryエディターが起動し、テーブルが読み込まれます。
- 製品列のフィルターボタンをクリックし、「(すべて選択)」のチェックを外して「Printer」のみにチェックを入れ、「OK」をクリックします。
- その後、「閉じて読み込む」 → 「閉じて次に読み込む…」を選択します。
- 「データのインポート」ダイアログで「既存のワークシート」を選択し、配置先としてセルC15を指定して「OK」をクリックします。
これで、Power Queryエディターで加工した結果が既存のワークシートに出力されます。一度設定すれば、元データが更新されても再読み込みだけで反映されるのが大きなメリットです。
7. 関数とグラフを組み合わせてデータを調査する
SUMIF関数などの関数でデータを集計し、それをグラフ化するのも効果的な分析方法です。ここでは、製品ごとの合計売上を求めて棒グラフを作成します。
手順:
- まず、セルG5に以下の数式を入力します。
=SUMIF($C$5:$C$13,F5,$D$5:$D$13)
- Enterキーを押した後、フィルハンドルを下方向にドラッグして、残りのセルにも数式をコピーします。
SUMIF関数では、範囲にセル範囲C5:C13、検索条件にセルF5、合計範囲にセル範囲D5:D13を指定しています。これで各製品の3か月分の合計売上が算出されます。
- 次に、この値をもとにグラフを作成するため、セル範囲F4:G7を選択します。
- 「挿入」タブ → 「縦棒または横棒グラフの挿入」をクリックします。
- 「集合縦棒」グラフを選択します。
これで、数値の羅列だけでは見えなかった傾向が、グラフによって直感的に把握できるようになります。
8. 分析ツール(Data Analysis)でデータを分析する
Excelのアドインである「分析ツール」を使えば、統計的な分析も簡単に行えます。以下の手順で試してみましょう。
手順:
- まず、「データ」タブ → 「データ分析」を選択します(表示されない場合は、アドインの設定から「分析ツール」を有効にしてください)。
- 「データ分析」ダイアログが開くので、目的に合った分析ツールを選択します。ここでは「ヒストグラム」を選び、「OK」をクリックします。
- ヒストグラムのダイアログで、入力範囲にセル範囲D5:D13を指定します。
- 「出力先」を選択し、セル範囲F4:I13を入力します。
- 「グラフ作成」にチェックを入れ、「OK」をクリックします。
これで、データセットの度数分布を示すヒストグラムが自動的に作成されます。データのばらつきや分布形状を確認するのに便利です。
9. データの入力規則を使って生データを分析する
最後の方法は、データの入力規則を活用したインタラクティブな分析です。ドロップダウンリストから製品を選ぶだけで、該当する売上を瞬時に表示できます。
手順:
- まず、セル範囲H4:H7に製品名を入力します。
- このセル範囲を選択した状態で、左上の「名前ボックス」に「Product」と入力し、Enterキーを押して名前を定義します。
- 次に、セルF4を選択し、「データ」タブ → 「データツール」グループ → 「データの入力規則」 → 「データの入力規則」を選択します。
- ダイアログの「入力値の種類」で「リスト」を選択し、「元の値」に「=Product」と入力して「OK」をクリックします。
- セルF4のドロップダウンボタンから任意の製品を選択します。ここでは「Television」を選んでみましょう。
- 次に、セルF5に以下の数式を入力し、Enterキーを押します。
=SUMIF(B5:B13,F4,C5:C13)
SUMIF関数では、範囲にB5:B13、検索条件にセルF4、合計範囲にC5:C13を指定しています。ドロップダウンで製品を切り替えるだけで、その製品の売上合計が即座に表示される動的な分析環境が完成します。
練習用セクション
この記事で紹介した内容は、添付のExcelワークブックを使って、ご自身でも実際に練習することができます。
まとめ
今回は、Excelで生データを分析する9つの方法を詳しく解説しました。基本的なフィルター操作から、ピボットテーブル、Power Query、統計分析まで、目的に応じて使い分けることで、データ分析の幅が大きく広がります。わかりにくい点があればコメントでお知らせください。ほかにおすすめの分析方法があれば、ぜひ教えてください。今後もExcelに関する役立つ情報をお届けしていきます。ありがとうございました!
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