Excelで乱塊法(ランダム化ブロック設計)ANOVAを実行する簡単な手順
研究や調査の目的によっては、Excelで乱塊法(ランダム化ブロック設計)の分散分析(ANOVA)を実行する必要があることがあります。しかも、シンプルなひとつの方法だけで、合計・件数・平均・分散といった統計量やANOVAサマリーテーブルまで一度に確認できます。この記事では、Excelで乱塊法ANOVAを実行する方法を詳しく解説します。
練習用ワークブックはこちらからダウンロードできます。
ANOVA(分散分析)とは?
ANOVA(Analysis of Variance:分散分析)は統計的検定の一種です。ANOVAサマリーテーブルを読み解くことで、各グループの間に統計的に有意な差があるかどうかを判断できます。基本的に、ANOVAは処理(トリートメント)に対するさまざまな要因の影響を検証するために使われます。
Excelで乱塊法ANOVAを行う2つのステップ
ここからは、Excelで乱塊法ANOVAを実行する具体的な手順を説明します。理解しやすいように、4列のサンプルデータを使用します。このデータセットを使って、複数の洗剤の間に洗浄力の差があるかどうかを調べます。数値が大きいほど、汚れ落ちが良い(清潔度が高い)ことを意味します。データセットは以下の通りです。

乱塊法ANOVAの実行には「データ分析」ツール(Data Analysis ToolPak)を使用します。まず、Excelのリボンに「データ分析」が表示されているかどうかを確認してください。表示されていない場合はステップ1から、すでに表示されている場合はステップ2から始めてください。
なお、ここではMicrosoft 365を使用して手順を説明します。
ステップ1:「データ分析」ツール(Analysis ToolPak)を追加する
まず、Excelに「データ分析」ツールを追加する方法を紹介します。
- 最初に、「ファイル」タブを開きます。

すると、次のような画面が表示されます。
- 続いて、その画面から「オプション」を選択します。

すると、「Excelのオプション」というダイアログボックスが表示されます。
- まず、ダイアログボックス左側のメニューから「アドイン」をクリックします。
- 次に、下部の「管理:」ボックスで「Excelアドイン」を選択します。
- 最後に、「設定」ボタンをクリックします。

さらに、「アドイン」という別のダイアログボックスが表示されます。
- 「分析ツール(Analysis ToolPak)」にチェックを入れます。
- その後、「OK」をクリックして変更を確定します。

最後に、「データ」タブの中に「データ分析」という新しい項目が追加されたことを確認できます。

関連記事:ExcelでANOVA表を作成する方法(3つの方法)
ステップ2:乱塊法ANOVAを実行する
このセクションでは、「データ分析」ツールを使って乱塊法ANOVAを実行する方法を説明します。
- まず、「データ」タブから「データ分析」を選択します。

すると、「データ分析」というダイアログボックスが表示されます。
- 「分散分析:繰り返しなしの2因子(Anova: Two-Factor Without Replication)」を選択し、「OK」をクリックします。

続いて、「分散分析:繰り返しなしの2因子」という新しいダイアログボックスが表示されます。
- まず、「入力範囲」ボックスに、乱塊法ANOVAを実行したいデータ範囲を指定します。ここではB5:E10を選択しました。
- 次に、「ラベル」オプションにチェックを入れます。
※α(アルファ)は有意水準を表します。
- 次に、「出力範囲」ボックスに、結果を表示させたいセルを指定します。ここではG4セルを選択しました。
- 最後に、「OK」をクリックして結果を表示します。

すると、次のような出力結果が得られます。

「分散分析:繰り返しなしの2因子」では、件数(Count)、合計(Sum)、平均(Average)、分散(Variance)などの計算が自動的に行われます。出力には、すべての洗剤ブランドと各洗浄方法についての結果が含まれます。COUNT・SUM・AVERAGEの各集計は、横方向(ブランドごと)と縦方向(方法ごと)の両方で行われます。
また、平均値を見ることで、どのブランドの洗剤が優れているかを判断できます。数値が大きいほど清潔度が高いことを意味します。分散は、ブランドや方法によるばらつきの程度を表しています。

そして、以下がANOVAサマリーテーブルです。ここで、行(Rows)はブロックを、列(Columns)は処理(トリートメント)を表します。
まず、表の後半3つの項目について説明します。P値が有意水準より大きい場合は帰無仮説を採用し、そうでない場合は帰無仮説を採用しません。また、F値がF臨界値より小さい場合は、両者に差がないと判断されます。これは帰無仮説に相当します。つまり、この例では洗剤ブランド間や洗浄方法間に有意な差はないということになります。
次に、表の前半3つの項目を見てみましょう。SSは平方和、dfは自由度、MSは平均平方を表します。

ここで、行の平方和を総平方和で割ると0.29になります。これは、全体の分散の約29%が洗剤ブランド(ブロック)の影響で説明できることを意味します。同様に、列の平方和を総平方和で割ると0.022となり、約2.2%の分散が洗浄方法の影響で説明できることを示しています。

関連記事:Excelで繰り返しありの2因子分散分析を使う方法
練習セクション
ここで解説した方法を、ぜひご自身でも練習してみてください。

まとめ
この記事がお役に立てば幸いです。本記事では、Excelで乱塊法ANOVAを実行するための詳細な手順を解説しました。当サイトExceldemyでは、他にもExcelに関する役立つコンテンツを多数公開しています。ご質問・ご意見・ご提案などがあれば、下のコメント欄でお気軽にお知らせください。
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