「グループポリシークライアントサービスがログオンに失敗しました」エラーの原因と7つの対処法
グループポリシーは、Windowsに搭載されているアカウント管理機能の一つです。特定のグループに属するユーザーアカウントの利用条件や操作方法を事前に定義することができます。グループには、標準(制限付き)ユーザー、管理者、ゲスト、あるいはユーザーが独自に作成したグループなどがあり、それぞれ作成されたポリシーに従って動作します。そのため、グループポリシーはログオン時に、ユーザーがどのグループに属しているかに応じて適用されます。
この機能に関連して、多くのユーザーからログインの問題が報告されています。一部のアプリケーションの動作が極端に遅くなったり、まったく起動しなくなったりし、PCを再起動するとシステムにログインできなくなるという症状です。パスワードを入力してもログインに異常に時間がかかり、しばらくすると「グループポリシークライアントサービスがログオンに失敗しました。アクセスが拒否されました(Group Policy Client service failed the logon: Access denied)」というエラーメッセージが表示されます。
管理者アカウントが別にある場合はそちらでログインできることもありますが、PCにアカウントが一つしかない場合、システムから完全に締め出されてしまうことになります。
本記事では、ログインの仕組みとエラーが発生する原因を解説した上で、具体的な解決策をご紹介します。
ログインの仕組みとエラーが発生する理由
Winlogonは、システム起動時にコンピューターポリシーを、ユーザーログオン時にユーザーポリシーを受信するために、グループポリシーサービス(GPSVC)と通信します。グループポリシーサービスは、本来他のサービスと共有プロセス内で動作していますが、通信が確立された後に独立したSVCHOSTプロセスとして分離されます。サービスの分離前にすでに通信が確立されているため、分離後はWinlogonがグループポリシーサービスにアクセスできなくなり、これが前述のエラーメッセージの原因となります。
つまり、このエラーはグループポリシーが応答しない、または停止してしまった場合に発生します。原因としては、レジストリへの不正なアクセスやレジストリの破ジストリの破損が挙げられます。多くの場合、Windows Updateなどのシステム更新によってレジストリに不具合が生じることがきっかけとなり、強制終了や異常な起動プロセスも同様の問題を引き起こすことがあります。
また、以前管理者権限でアプリケーションやドライバーをインストールしたPCに、非管理者アカウントでログオンしようとした場合にも発生することがあります。これらのアプリケーションは昇格されていない環境では正常に動作せず、その競合がエラーにつながります。特に多くのユーザーで問題を引き起こしているのは、Google Chromeのような管理者権限を必要としないサードパーティ製Webブラウザーです。
以下に、Windows 10でこの問題を解決する方法を紹介します(Windows 8.1でも同じ手順が使えます)。完全にロックアウトされてしまった場合(アカウントが一つしかない場合)は、方法3をお試しください。
方法1:管理者アカウントでレジストリを編集する
多くの場合、管理者アカウントであればログインできるため、以下の手順でレジストリの修復を試みてください。システムアップグレード(Windows 7からWindows 10への移行など)の際に、レジストリキーが欠落している可能性があります。
- Windowsキー + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開きます
- 「regedit」と入力してEnterキーを押し、レジストリエディターを開きます
- 左ペインで以下のレジストリキーに移動します
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\gpsvc - このキーが存在することを確認します(内容は変更しないでください)
- 次に、以下のキーへ移動します
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\SVCHOST - ここが最も重要な場所です。手順3のキーから参照される値がここに含まれています。以下に必要な項目を説明します
- GPSvcGroupという複数文字列値が必要です。存在しない場合は、右ペインで右クリックし、「新規」>「複数文字列値」を選択してGPSvcGroupという名前を作成し、値に「GPSvc」を設定してください
- 次に、GPSvcGroupという名前のキー(フォルダー)を作成します(通常は既に存在するはずです)。右ペインを右クリックして「新規」>「キー」を選択し、新しいキーに「GPSvcGroup」と名前を付けます
- 新しく作成したGPSvcGroupキーを開き、右ペインで右クリックしてDWORD値を2つ作成します
- 1つ目はAuthenticationCapabilitiesという名前で、値を0x00003020(10進数で12320)に設定します
- 2つ目はCoInitializeSecurityParamという名前で、値を1に設定します
- 変更後、PCを再起動します
方法2:gpsvcレジストリキーの所有権を取得し、GPSVCを最初から独立したプロセスとして起動させる
以下のコマンドを実行することで、GPSVCが共有プロセスではなく、最初から独立したプロセスとして起動するようになります。これにより、GPSVCはWinlogonと正しく通信できるようになり、サインイン時のエラーが解消されます。
- Windowsキー + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開きます
- 「regedit」と入力してEnterキーを押し、レジストリエディターを開きます
- 左ペインで以下のレジストリキーに移動します
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\gpsvc - このキーを編集できるように、所有権を取得します
- gpsvcキーを右クリックして「アクセス許可」を選択します
- 既定の所有者はTrustedInstallerになっているので、「変更」をクリックします
- 「ユーザーまたはグループの選択」ウィンドウで「詳細設定」をクリックします
- 「今すぐ検索」をクリックします
- 検索結果から自分のユーザー名を選択して「OK」をクリックします
- 「ユーザーまたはグループの選択」ウィンドウでも「OK」をクリックすれば、所有者の変更は完了です
- レジストリキーの所有権を取得できたら、レジストリエディターを閉じます。続いて、管理者としてコマンドプロンプト/PowerShellを開き(スタートボタンを押し、「cmd」と入力、cmdを右クリックして「管理者として実行」)、以下のコマンドを入力してEnterキーを押します
reg add "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\gpsvc" /v Type /t REG_DWORD /d 0x10 /f - 「この操作を正しく終了しました」というメッセージが表示されるはずです。手順3のキーの所有権を取得していない場合、コマンドは実行されず「アクセスが拒否されました」というメッセージが表示されます
- PCを再起動します
方法3:正常に動作していた時点へシステムを復元する
エラーが発生する前に正常に動作していた復元ポイントへシステムを戻すことで、問題を解決できます。
オプション1:別のアカウントでシステムにログインできる場合
- スタートボタンを右クリックして「システム」を選択します
- 左側の列から「システムの保護」を選択します
- 「システムの復元」ボタンをクリックします
- 「次へ」ボタンをクリックします
- 画面下部の「より多くの復元ポイントを表示する」にチェックを入れる必要があるかもしれません
- 問題が発生する前の日付/時点を選択してシステムを復元します。PCはその日付の状態に戻り、再起動します(プログラムが失われる可能性がありますが、データは保持されます)
オプション2:システムにログインできない、またはアカウントが一つしかない場合
高度なスタートアップオプションから、PCを以前の状態に復元できます。
- Shiftキーを押しながらPCを再起動します(ログイン画面の右下にシャットダウンボタンがあるので、それを右クリックして再起動を選択できます)
- Windowsが再起動し、「オプションの選択」メニューが表示されます
- 「トラブルシューティング」>「詳細オプション」>「システムの復元」を選択します
- 問題が発生前の日付を選択してシステムを復元します。PCはその日付の状態に戻り、再起動します(プログラムが失われる可能性がありますが、データは保持されます)
エラーが解消しない場合や、復元ポイントがない場合は、システムをリセットする方法もあります。この場合アプリはすべて削除されますが、データは保持されます。高度なスタートアップオプションから「トラブルシューティング」>「このPCを初期状態に戻す」>「個人用ファイルを残す」を選択してください。
方法4:Google Chromeをリセットする
この問題は、Google Chromeのように管理者権限を必要とせずにインストールできるアプリケーションが原因で発生することがあります。該当するアプリをリセットまたは削除することで、エラーを解消できる場合があります。
- Windowsキー + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開きます
- 「appwiz.cpl」と入力してEnterキーを押し、「プログラムと機能」ウィンドウを開きます
- Google Chromeを見つけてアンインストールします
- 必要であれば、管理者権限を使わずに再インストールします
方法5:高速スタートアップを無効にする
Windows 10には「高速スタートアップ」という特殊な機能があります。これはシャットダウンに時間がかかる代わりに、起動を少し速くする仕組みですが、この長いシャットダウンや短縮された起動プロセスが、ログインの問題を引き起こし、このエラーにつながることがあります。
- 「スタート」をクリックします
- 「設定」を開きます
- 「システム」アイコンをクリックします
- 「電源とスリープ」セクションに移動し、「追加の電源設定」をクリックします
- 「電源ボタンの動作を選択する」をクリックします
- 「シャットダウン設定」までスクロールします
- 「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外します
- 「変更の保存」をクリックします
- PCを再起動します
方法6:グループポリシーサービスを再起動し、Winsockをリセットする
これらのサービスを再起動することで、問題が解決する場合があります。
- Windowsキー + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開きます
- 「services.msc」と入力してEnterキーを押します
- 「Group Policy Client」を探して右クリックし、「プロパティ」を開きます
- スタートアップの種類を「自動」に変更し、「開始」ボタンをクリックしてから「適用」>「OK」を押します
- スタートボタンを右クリックし、「コマンドプロンプト(管理者)」または「PowerShell(管理者)」を選択します
- 以下のコマンドを入力してEnterキーを押します
netsh winsock reset - 「exit」と入力してEnterキーを押し、コマンドプロンプトを終了します
- PCを再起動します
方法7:特定の順序で再ログインする
上記のすべての方法で解決しない場合は、特定の順序でアカウントに再ログインしてみてください。確実な方法ではありませんが、実際に成功したユーザーもいます。作業を始める前に、必ずデータを保存しておいてください。
例として、3つのアカウント(または2つ)を持っていると仮定します。そのうち1つがエラーを表示して動作していません。ここでは、問題のあるアカウントをAccount_Problem、正常なアカウントをWorking_1とWorking_2と呼びます。
注意: アカウントが3つなくても、同じ考え方で実行できます。
- まず、ユーザーの切り替えを行い、3つのアカウントすべてをログイン状態にします
- 次に、各アカウントを順番にログオフ(サインアウト)します(例:Working_1 → Account_Problem → Working_2 の順)
- まず1つ目の正常なアカウント、つまりWorking_1にログインし、何らかの作業をするかゲームなどをプレイしてみます
- 次に2つ目の正常なアカウント、つまりWorking_2にもログインし、そこでも何らかの操作を行います
- すべての正常なアカウントにログインできたら、最後に問題のあるアカウント、つまりAccount_Problemにログインします。その後、問題が解決したかどうか確認してください
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