グラフィックカードが動作しない?考えられる原因と対処法を徹底解説
ゲームからプロフェッショナルな3D制作まで、グラフィックカードはPCの描画性能を一段引き上げるために欠かせないパーツです。しかし、PCに追加ハードウェアを組み込む場合によくあることですが、グラフィックカードにも特有のトラブルがつきものです。動作しなくなったときの原因特定は、経験の浅い方にとっては特にストレスを感じる作業でしょう。
この記事では、故障したグラフィックカードに現れる主な症状と、動作しない場合の具体的な対処法を詳しく解説します。
グラフィックカード不調の主な症状
ゲームのパフォーマンスが期待より大幅に低い
「新しいゲーミングノートPCやGPUを買ったのに、実際にゲームを動かしてみると想定より30%以上もフレームレートが出ない」——これは昔からよくある話です。フレームレートにはさまざまな要因が絡むため、多少の上下は珍しくありません。しかし、明らかに期待値を大きく下回っている場合は、何らかの対策を検討すべきサインです。
PCが頻繁にクラッシュする
不調を起こしたグラフィックカードは、PC全体のクラッシュを引き起こすことがあります。症状は多岐にわたり、単純なブルースクリーンから、画面が固まる「フリーズ(ロックアップ)」、突然の再起動や電源断まで様々です。すべてのクラッシュがGPU起因とは限りませんが、メモリダンプが有効になっていて、その解析結果でグラフィックカードのドライバーが原因と指摘されていれば、ほぼ間違いなく犯人だと断定できます。
アーティファクト(画面の乱れ)が発生する
グラフィックカードに異常が起きると、画面上の奇妙な映像として現れることがあります。PCがモニターに「描画」を行うのはグラフィックカードだからです。色がおかしくなる、3Dモデルが理由なく伸びる、「デジタルノイズ(雪のような砂嵐)」が表示される、画面全体が視覚的なゴミで覆われる——こうした症状は要注意です。
ファンが非常にうるさい
3Dグラフィックを使用するソフトを起動した瞬間(場合によってはPCの起動時!)に、小型ジェット機が離陸するような轟音がPC内部から聞こえることがあります。これはシステムファンの一つが過剰稼働している典型的な音です。それがグラフィックカードのファンであれば、カードに何らかの問題を抱えているサインかもしれません。
ドライバーがクラッシュする
PCを普通に使っている最中に、数秒間画面が真っ黒になり、復帰後に「ビデオドライバーがクラッシュし、再起動されました」という通知が表示されることがあります。PC全体が落ちるわけではありませんが、頻発するとかなりストレスになります。
画面が真っ暗になる(ブラックスクリーン)
場合によっては、視覚的な手がかりが一切現れないこともあります。故障したグラフィックカードは、何も表示しないまま動作を停止することがあります。内蔵グラフィックか安価な「使い捨て」用のグラフィックカードに差し替えて、カードとモニターのどちらが原因かを切り分けましょう。どちらかで正常に表示されれば、原因は元のグラフィックカードである可能性が高いです。
グラフィックカードの対処・修理方法
上記の症状の多くは寿命が近いグラフィックカードの兆候ですが、必ずしも買い替え直前というわけではありません。新しいカードを購入して最終判断を下す前に、試せる対処法がいくつかあります。
GPUが有効になっているか確認する
これは特にノートPCに関係しますが、CPUに内蔵GPUを搭載しているデスクトップでも当てはまります。
多くのノートPCには、電源ケーブルを抜くとバッテリー節約のため自動的に専用GPUを無効化する機能が搭載されています。この設定が電源接続中も有効のままになっていたり、以前に「常にオフ」に設定したまま忘れていたりすることもあります。
GPUが有効になっているか確認する方法はいくつかあります。
NVIDIA製GPUをお使いの場合は、NVIDIAコントロールパネルを開き、「3D設定の管理」から「プログラム設定」タブを選択します。問題が発生しているゲームを指定し、「優先するグラフィックスプロセッサ」のドロップダウンメニューで「高パフォーマンスのNVIDIAプロセッサ」を選択してください。
一部のノートPCには、ワンクリックでGPUを切り替えられる専用ソフトが用意されています。筆者のASUSノートPCであれば、Armoury Crateがその役割を担っており、「システム設定」内で「iGPUモード」をオフにすればNVIDIA GPUが有効になり、「常時オフ」に設定すればNVIDIA GPUが恒久的に稼働します。
いずれの方法でも解決しない場合は、PC起動時に指定のキー(通常はF2またはF8)を押してBIOSに入り、専用グラフィックを有効化できるか確認しましょう。逆に内蔵GPU(iGPU)を無効化すると、専用GPUが動き出すケースもあります。
ゲーム内設定を変更する
問題が特定のゲームでのみ発生するのであれば、それは実質的に「問題」ではない可能性があります。
最新のGPUは、DirectX、OpenGL、Vulkanという3つのAPIを通じて3Dグラフィックを描画します。多くのゲームでは、詳細なグラフィック設定からレンダリングAPIを選択できます。さらに複雑なことに、これらのAPIには複数のバージョンがあり、ドライバー・GPU・OSの組み合わせによってサポート状況が異なります。
また、特定のGPUは特定の設定と相性が悪いことがあります。AMDとNVIDIAのGPUには、それぞれのブランド向けに設計されたグラフィック機能が存在します(NVIDIAならDLSSやレイトレーシング、AMDならFidelityFXなど)。

自分のGPUブランド向けに作られていない機能を有効化すると、問題が発生することがあります。悪名高い例が『ウィッチャー3』のNVIDIA HairWorksで、NVIDIAカードでは快適に動作した一方、AMDカードではフレームレートを壊滅的に低下させました。
ドライバーを更新する
グラフィックカードのドライバーは気まぐれです。古いドライバーのままでは、新しいゲームで問題が起こることがあります。一方で、古いグラフィックカードに最新ドライバーを入れると、かえってシステム安定性を損なうこともあります。ごく新しいカードに最新ドライバーを入れていても、クラッシュが続くケースもあります。
長期間ドライバーを更新していない場合は、NVIDIA、AMD、Intelの各公式サイトから、搭載メーカーに応じた最新ドライバーを入手しましょう。逆に最近ドライバーを更新したばかりなら、以前のバージョンへロールバックするか、ベンダーのドライバーアーカイブから旧版をインストールしてみてください。
ドライバーを完全に削除する
GPUをアップグレードする際に、AMDからNVIDIAへとブランドを乗り換えたことはありませんか? その場合は、旧GPUのドライバーを完全にアンインストールするのがベストです。残念ながら公式のアンインストーラーは痕跡を残しがちですが、幸い第三者製の解決策があります。それが「Display Driver Uninstaller」です。
Guru 3Dの公式ページからDisplay Driver Uninstaller(略称DDU)をダウンロードし、GPUの交換やドライバーのインストール前に実行します。既存のディスプレイドライバーの痕跡を完全に除去した後、PCをシャットダウンして新しいGPUに交換するか、再起動して別のディスプレイドライバーをインストールしてください。表示トラブルの切り分けにも役立ち、問題の原因がドライバーの競合でないことを確認できます。
冷却する
グラフィックカードの不調が過熱によるものである可能性もあります。特に、3D描画をしばらく続けた後にだけエラーが発生する場合や、描画中にカードのファンが極端にうるさくなる場合は該当しやすいでしょう。まずはグラフィックカードの温度をチェックして、どれほど高温になっているか確認してください。
過熱対策としては、カードを取り外してエアダスターでホコリを清掃するのが効果的です。カード本体を開けてサーマルペースト(グリス)を塗り直す方法もありますが、初心者にはおすすめできません。また、MSI Afterburnerのようなツールを使えば、ファン速度やグラフィック出力を管理できます。
正しく装着されているか確認する
グラフィックカードはPCIスロットに確実に装着されてこそ、効率よく動作します。補助電源コネクタが必要なモデルでは、プラグがぐらつかないようしっかり差し込む必要があります。どちらか一方でも(あるいは両方とも)不十分だと、グラフィックカード関連のエラーが発生しかねません。カードがPCIスロットに奥までしっかり挿さり、ネジで固定されていること、そして必要な電源コネクタがカチッと留められていることを確認しましょう。
ビデオケーブルを点検する
PCとモニターをつなぐケーブルに不具合があると、奇妙な映像トラブルが起こることがあります。画面に異常が見えたら、まずビデオケーブルが両端できちんと接続されているか確認し、必要であればケーブルを交換してください。
モニターを確認する
映像の乱れは、グラフィックカードではなくモニターの寿命によるサインである可能性もあります。ここまでの対処で改善しない場合は、モニターかグラフィックカードのどちらかを交換してみてください。問題が消えれば、交換した側が犯人だったということです。
カードを交換する
しかし、症状が単にカードの寿命を示しているだけの場合もあります。どうしても現状から復活させられないと確信できるなら、まずは非常に安価なグラフィックカードを入手して、PCで正常に動作するか試してみましょう。問題が解消するようであれば、より良い新カードの購入を検討するタイミングです。
まとめ:グラフィックカードのトラブルを解決しよう
3D空間の描画において優れた性能を発揮するグラフィックカードですが、独自の悩みやトラブルを抱えることもあります。故障したカードの主な症状と、動作しないときの対処法を理解していれば、冷静に原因を切り分けられるはずです。さらに知識を深めたい方は、V-Syncの仕組みとオン/オフの判断基準や、AMD Radeon Settings、NVIDIAコントロールパネルの使い方ガイドもぜひ参考にしてください。
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