Excelで動的ツールチップを作成する方法|数式とVBAを使ったステップバイステップ解説
Excelで動的ツールチップを作成する方法
Excelでは、セルにマウスを合わせたり選択したりすると情報がポップアップ表示される「ツールチップ」を作成できます。数式とVBAを組み合わせれば、別シートのデータを自動的に参照し、選択したセルに応じて内容が変わる動的なツールチップを実現できます。この記事では、その具体的な手順をステップごとに詳しく解説します。さらに、初心者でも簡単にできる静的ツールチップの作成方法を3つあわせて紹介します。
ステップ1:数式を使って別シートからデータを取得する
- 新しいワークシートに、「連番」と「名前」の2列からなるデータテーブルを作成します。1列目には1、2、3…といった連番を入力し、2列目にはDatasetシート内の名前をランダムな順序で入力しましょう。
- D列に「Tooltip」という見出しの列を作成します。次に、セルD5に以下の数式を入力してください。
=IFERROR(VLOOKUP(C5,Dataset!$B$4:$D$10,{2,3},FALSE),"")
VLOOKUP関数は、指定した範囲の最左列の値が検索値(lookup_value)と一致する行を探し、その行の指定した列の値を返す関数です。ここではIFERROR関数で囲むことで、該当データがない場合にエラーではなく空白を表示するようにしています。
- フィルハンドルを使って、残りのセルにも数式をオートフィルでコピーします。

- D列とE列を選択して右クリックし、コンテキストメニューから非表示を選択して、この2列を隠しておきます。

ステップ2:VBAコードを設定する
- ワークシートのシート名タブを右クリックし、コンテキストメニューからコードの表示(View Code)をクリックします。

- 開いたコードウィンドウに、以下のVBAコードを入力します。
Private Sub Worksheet_SelectionChange(ByVal Target As Range)
Dim rng As Range
Dim cell As Range
' 既存のコメントを削除
For Each rng In Me.UsedRange
If Not rng.Comment Is Nothing Then
rng.Comment.Delete
End If
Next rng
If Target.Count > 1 Then Exit Sub
If Target.Column <> 3 Then Exit Sub
If Target.Row < 5 Then Exit Sub
Dim tooltipText As String
tooltipText = "Birth Date: " & Target.Offset(0, 1).Value & _
vbCrLf & "Age: " & Target.Offset(0, 2).Value
Target.AddComment tooltipText ' ツールチップ用のコメントを追加
Target.Comment.Shape.TextFrame.AutoSize = True ' コメントサイズを自動調整
End Sub

- ワークシートに戻り、「Name(名前)」列の任意のセルをクリックしてみてください。その人の生年月日(Birth Date)と年齢(Age)を表示するツールチップが現れます。選択したセルに応じて表示内容が変わるため、まさに動的なツールチップです。


Excelで静的ツールチップを作成する3つの方法
方法1:「データの入力規則」機能を使って静的ツールチップを作成する
手順:
- データタブに移動します。
- データツールグループにあるデータの入力規則アイコンをクリックします。

- データの入力規則ダイアログボックスが開きます。
- 入力メッセージタブを選択します。
- タイトル欄にツールチップのタイトルを入力します。
- 入力メッセージ欄に表示したいメッセージを入力します。
- OKをクリックします。

- セルD4を選択すると、設定したツールチップが表示されます。

方法2:Excel VBAを使ってツールチップを作成する
手順:
- 対象となるワークシートをアクティブにします。
- 開発タブを開きます。
- コードグループからVisual Basicを選択します。

- メニューの挿入→標準モジュールの順にクリックして、モジュールウィンドウを開きます。

- 以下のコードを入力します。
Sub AddToolTip()
Dim target As Range
Set target = Range("D4")
With target.Validation
.Delete
.Add Type:=xlValidateInputOnly, AlertStyle:=xlValidAlertStop, _
Operator:=xlBetween
.IgnoreBlank = True
.InCellDropdown = True
.InputTitle = "Formula Column"
.InputMessage = "Please, do not modify the Age column. All of the following cells in this field contain a formula."
.ShowError = True
End With
End Sub
- F5キーを押すか、実行ボタンをクリックしてマクロを実行します。

- セルD4を選択すると、下図のようなツールチップが表示されます。

関連記事:Excel VBAでマウスオーバー時にツールチップを表示する方法
方法3:リンク(ハイパーリンク)機能を使って静的ツールチップを作成する
手順:
- セルD4を選択し、右クリックします。
- コンテキストメニューが表示されるので、リンクを選択します。

- ハイパーリンクの挿入ダイアログボックスが開きます。
- リンク先セクションから「このドキュメント内」をクリックします。
- セル参照ボックスにD4と入力します。
- スクリーンチップボタンをクリックします。

- ハイパーリンクのスクリーンチップの設定画面が開きます。
- スクリーンチップテキストボックスに表示したいメッセージを入力します。
- OKをクリックします。

- ハイパーリンクの挿入ダイアログに戻り、OKをクリックします。

- マウスカーソルをセルD4に合わせると、設定したツールチップが表示されます。

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執筆者:Lutfor Rahman Shimanto
Lutfor Rahman Shimanto氏は、バングラデシュのジャハンギルナガル大学で情報技術学(BSc)を専攻し、ExcelDemyプロジェクトに1年以上にわたって携わっています。これまでに50本以上の記事を執筆し、100件以上の読者からの質問に対して解決策を提供してきました。現在はExcel・VBA開発者として、ExcelDemyフォーラムでのサポートやトラブルシューティング(解決実績100件以上)に従事しています。専門分野はExcel、VBAおよび各種デスクトップアプリケーションの開発です。業務以外ではチェスを楽しんでいます。
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