データを削除せずにExcelファイルのサイズを縮小する方法(実践的な9つのテクニック)
Excelを使っていると、動作が遅くてもっさりした操作感に悩まされることがよくあります。その主な原因のほとんどは、Excelファイルのサイズが大きすぎることです。本記事では、データを削除することなくExcelファイルのサイズを縮小するための、賢い9つのテクニックをご紹介します。
なぜファイルサイズの削減が重要なのか?
Excelでは、何千行・何千列にも及ぶ大規模なデータセットを扱うことが少なくありません。このような大きなデータセットを扱う場合、Excelの反応が非常に遅くなり、最悪の場合ウィンドウがフリーズしてしまうこともあります。これは間違いなくストレスのたまる問題です。
データを削除すればファイルサイズは減らせますが、それでは貴重なデータを失ってしまうため、現実的な解決策とは言えません。だからこそ、既存のデータを一切消さずにExcelファイルのサイズを縮小する方法を知っておくことが重要なのです。
データを削除せずにファイルサイズを縮小する9つのコツ
ここからは、データを削除せずにExcelファイルのサイズを縮小するための実用的なテクニックを順番に見ていきましょう。
なお、本記事ではMicrosoft Excel 365を使用していますが、お使いのバージョンに合わせて読み進めても問題ありません。
1. 不要な行と列を削除する
Excelファイルには、メインのデータセットとは関係のない不要な行や列が含まれていることが多く、これらがファイルサイズを押し上げる原因になります。
以下のデータセットは、ある家電量販店の年間売上データです。

下方向・右方向にスクロールしてみると、メインのデータセットには関係のないデータが大量に存在していることがわかります。

次の画像は、データセットの下側にある不要なデータを示したものです。

また、右方向にスクロールしても、余計なデータが見つかるはずです。

このような不要な行・列を取り除くには、以下の手順に従いましょう。
ステップ01:不要な行を削除する
- まず、データセットの下端から、不要なデータの最初のセルを選択します。この例ではセルB20です。

- 次に、キーボードショートカットCtrl + Shift + ↓(下矢印キー)を使って、ワークシートの最終行までのすべてのセルを選択します。

- 続けて、Ctrl + 「-」(Ctrl + マイナスキー)を押します。
すると、「削除」ダイアログボックスが表示されます。

- ダイアログボックスで「上方向にシフト」を選択します。
- その後、「OK」をクリックします。

これで、以下の画像のように、データセットより下の不要な行が削除されます。

ステップ02:不要な列を削除する
- 同様に、データセットの右側にある不要なデータの最初のセルを選択します。

- 次に、ショートカットCtrl + Shift + →(右矢印キー)を使って、最終列までの余分なデータをすべて選択します。

- さらにCtrl + Shift + ↓(下矢印キー)を押して、前のステップで選択した列より下のデータもすべて選択します。
- この状態でCtrl + 「-」を押します。
すると、「削除」ダイアログボックスがワークシート上に開きます。

- 「削除」ダイアログボックスから「左方向にシフト」を選択します。
- その後、「OK」をクリックします。

これで、ワークシートから不要な行と列が取り除かれたことが確認できます。

2. 条件付き書式などの書式を削除する
条件付き書式が設定されていると、ファイルサイズが増大します。データを消さずにファイルを軽量化するには、ワークブックから不要な条件付き書式を削除しましょう。
以下のデータセットは、条件付き書式が適用された家電量販店の年間売上データです。

以下の手順で、条件付き書式を削除できます。
手順:
- まず、リボンの「ホーム」タブを開きます。
- 次に「条件付き書式」をクリックします。
- ドロップダウンから「ルールのクリア」を選択します。
- さらに、以下の画像のように「シート全体からルールをクリア」を選びます。

これで、ワークシート全体から条件付き書式が解除されます。実際の画面は以下のスクリーンショットの通りです。

3. 画像を圧縮してファイルサイズを減らす
データを削除せずにExcelファイルのサイズを縮小するもうひとつの効果的な方法が、ワークシート上の画像(あれば)の圧縮です。
以下のデータセットには、3つのWebサイトのリンクと、それに対応するQRコード画像が含まれています。

以下の手順で画像を圧縮し、ファイルサイズを減らすことができます。
手順:
- まず、ワークシート上の任意の画像をクリックします。すると、リボンに「図形の書式」タブが表示されます。
- 次に「図形の書式」タブをクリックします。

- 「図形の書式」タブ内の「調整」グループから「図の圧縮」を選択します。

- ダイアログボックスで希望の解像度を選びます。
- その後、「OK」を押します。

同じ手順を他の画像にも繰り返し適用すれば、まとめて圧縮できます。
4. 複雑な数式を解消してファイルサイズを削減する
複雑な数式を見直すことで、データを削除せずにファイルサイズを減らすことができます。
以下のデータセットには、姓と名の間にスペースではなくカンマが入った氏名データが含まれています。

ここでは、一気に処理しようとしてネストされたIF関数などの複雑な関数を使っています。しかし、これを複数のシンプルで計算負荷の低いステップに分割することも可能です。

手順:
- まず、「スペースの位置」と「カンマへの置換」という2つの列を作成します。

「スペースの位置」列では、文字列の先頭から数えてスペースが何文字目にあるかを検索します。ここではFIND関数を使用します。
- 次に、セルC5に以下の数式を入力します。
=FIND(" ",B5,1)
ここでB5は、スペースを検索する対象のセルです。
- その後、Enterキーを押します。

最初の文字列におけるスペースの位置が表示されます。

Excelのオートフィル機能を使えば、残りのデータも一括で取得できます。

次に「カンマへの置換」列では、REPLACE関数を使って、見つけたスペースをカンマに置き換えます。
- セルD5に以下の数式を入力します。
=REPLACE(B5,C5,1,",")
ここでC5は、置換を開始する文字位置です。
- その後、Enterキーを押します。

残りのデータも、オートフィル機能で簡単に入力できます。

このように複雑な数式を複数のシンプルな数式に分解することで、データを消さずにファイルサイズを削減できます。
注意:場合によっては、複雑な関数の使用がどうしても避けられないこともあります。
5. 使用している数式を最適化する
ワークシートで使っている数式を最適化することでも、ファイルサイズを削減できます。
以下のデータセットには、ある人たちのランダムなチケット番号が入力されています。

これらの数字はRANDBETWEEN関数で生成しています。この関数は揮発性関数(Volatile関数)の一種です。

揮発性関数とは、ワークブックのどのセルに何かを入力するたびに値が再計算されて変わってしまう関数のことです。これにより不要な計算負荷が発生し、ファイルが重くなる原因となります。ファイルサイズを削減するには、揮発性関数の使用を避けるべきです。
実際、「Rand Check」列に700を入力しただけで、C列のすべての数字が変化してしまいました。

揮発性関数の使用を回避するには、以下の手順を実行します。
手順:
- まず、RANDBETWEEN関数で生成されたデータ範囲を選択します。
- 次にCtrl + Cを押してデータをコピーします。

- リボンの「ホーム」タブを開きます。
- 「貼り付け」オプションを選択します。
- ドロップダウンから、以下の画像のように「値」を選びます。

これで、C列の数字が値として貼り付けられます。

- 次に「Rand Check」列に適当な数字を入力します。ここでは350を入力しました。
数字を入力しても、C列の値は変化しなくなりました。

6. ピボットテーブルの使用を避ける
Excelではピボットテーブルをよく使います。確かにピボットテーブルは強力な分析機能を提供してくれますが、その一方で大きな容量を占有し、ファイルサイズを増大させる原因にもなります。
以下のデータセットは、家電量販店の年間売上データです。売上金額の合計を求める必要があります。

ここではピボットテーブルを使って売上合計を算出しています。

しかし、単純なSUM関数を使えば、ピボットテーブルなしで同じ結果を得られます。以下の手順で試してみましょう。
手順:
- まず、以下の画像のように新しい行を作成します。

- 次に、セルC17に以下の数式を入力します。
=SUM(C5:C16)
ここでC5:C16は、スマートフォンの売上データの範囲です。
- その後、Enterキーを押します。

画面には以下のような結果が表示されます。

- あとはフィルハンドルをドラッグすれば、残りの合計も一括で求められます。

7. バイナリ形式ブック(XLSB)で保存する
ワークブックをバイナリ形式で保存することでも、データを消さずにファイルサイズを削減できます。以下の手順で実行しましょう。
手順:
- まず、リボンの「ファイル」タブを開きます。

- 次に「名前を付けて保存」を選択します。

- ファイルの保存先フォルダへ移動します。

- 以下の画像のマークされた箇所をクリックします。

- ドロップダウンから「Excel バイナリ ブック」を選択します。

- その後、「保存」をクリックします。

バイナリブック形式で保存すると、以下の画像のようにファイルサイズが小さくなっていることが確認できます。

8. CSV形式で保存する
データを削除せずにExcelファイルのサイズを縮小するもうひとつの優れた方法が、CSV形式での保存です。以下の手順で実行できます。
手順:
- まず、前述の手順と同じようにドロップダウンリストを表示します。
- 次に、以下の画像のようにドロップダウンから「CSV(コンマ区切り)」を選択します。

- その後、「保存」をクリックします。

CSV形式で保存すると、ファイルサイズがわずか1 KBまで削減されます。

ただし、CSV形式は書式や数式などが保持されないため、後で必要に応じてCSVファイルをExcelファイルに戻す作業が必要になる場合がある点には注意しましょう。
9. Excelファイル自体を圧縮する
データを削除しなくても、Excelファイルをzip圧縮することでサイズを削減できます。以下の手順に従いましょう。
手順:
- まず、圧縮したいExcelファイルを右クリックします。
- 次に、以下の画像のように「送る」オプションを選択します。

- 続いて「圧縮(zip形式)フォルダー」を選びます。

これでExcelファイルが圧縮されます。以下の例では、ファイルサイズが28 KBまで削減されました。

💡 押さえておきたいポイント
- ファイルサイズの削減率は、元のワークブックのサイズによって異なる点に注意してください。ワークブックが大きければ大きいほど、削減できる容量も大きくなります。
まとめ
以上、データを削除せずにExcelファイルのサイズを縮小するための9つのテクニックをご紹介しました。不要な行列の整理から、保存形式の変更、ファイルの圧縮まで、状況に応じて使い分けることで、Excelの快適さが大きく向上します。ご質問や改善のご提案があれば、ぜひコメントでお知らせください。Happy learning!
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