Microsoft ExcelのWhat-If分析とは?基本の使い方をわかりやすく解説
What-If(もしも)シナリオとは、非常にシンプルな考え方です。つまり「もし〇〇が起きたら、数字や最終的な利益はどうなるのか?」という問いです。例えば、「今後数ヶ月で2万ドルの売上を達成した場合、利益はいくらになるのか?」といった具合です。こうした予測・シミュレーションを行うために設計されているのが、What-If分析機能です。
Excelの他の多くの機能と同様に、この機能は非常に強力です。比較的単純なWhat-If予測から、高度に複雑なシナリオ分析まで、幅広い用途に対応できます。ただし、Excelの機能全般に言えることですが、この短いチュートリアルですべての可能性を網羅することはできません。
そこで今回は基本を押さえながら、初心者でもすぐに取り組める比較的簡単なWhat-If分析の概念をいくつかご紹介します。
基本的な予測の作り方
ご存じのとおり、数字の組み合わせは使い方次第でほぼ何でも語らせることができます。Garbage in, garbage out(ゴミを入れればゴミしか出ない)や予測はその前提条件と同じ程度の精度しか持たないといった言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。
Excelには、What-If分析を設定・活用するための方法が数多く用意されています。ここでは、比較的シンプルで分かりやすい予測手法であるデータテーブルを見ていきましょう。この手法を使うと、納税額などの1つまたは2つの変数を変更したときに、企業の損益(ボトムライン)にどのような影響があるかを確認できます。
その他にも重要な概念として、ゴールシークとExcelのシナリオマネージャーがあります。ゴールシークでは、100万ドルの利益達成など、あらかじめ定めた目標を達成するには何が必要かを逆算して予測します。シナリオマネージャーでは、What-Ifシナリオなどを自分専用のコレクションとして作成・管理できます。
データテーブル方式 ― 変数が1つの場合
まずは新しい表を作成し、データセルに名前を付けるところから始めましょう。なぜなら、数式内でセル参照の代わりに名前を使用できるようになるからです。大きな表を扱う際に、より正確で精密な作業が可能になるだけでなく、人によっては(筆者自身もそうです)作業がしやすくなるというメリットもあります。
それでは、まず変数1つのケースから始めて、次に2つのケースへ進みましょう。
- Excelで空白のワークシートを開きます。
- 以下のようなシンプルな表を作成します。
なお、1行目に表のタイトルを作成する際は、セルA1とB1を結合しました。手順は、2つのセルを選択し、ホームリボンの結合して中央揃えの下矢印をクリックしてセルの結合を選択するだけです。
- 次に、セルB2とB3に名前を付けます。セルB2を右クリックし、名前の定義を選択すると、「新しい名前」ダイアログボックスが表示されます。
ご覧のとおり、「新しい名前」ダイアログは非常にシンプルです。スコープのドロップダウンでは、ブック全体に対してセルに名前を付けるか、アクティブなワークシートのみに付けるかを選択できます。今回はデフォルトのままで問題ありません。
- OKをクリックします。
- セルB3にはGrowth_2019という名前を付けます(この場合はデフォルトで表示されるので、そのままOKをクリックします)。
- セルC5の名前をSales_2019に変更します。
名前を付けたセルをクリックすると、ワークシート左上の名前ボックス(下図の赤枠部分)に、セル参照ではなく付けた名前が表示されることに注目してください。
What-Ifシナリオを作成するには、C5(現在はSales_2019)に数式を入力する必要があります。この小さな予測シートを使えば、成長率に応じてどれだけの売上が見込めるかを確認できます。
現時点での成長率は2%です。さまざまな成長率に基づく結果を得るには、スプレッドシート完成後にセルB3(現在はGrowth_2019)の値を変更するだけです。少し説明が先走りましたね。
- セルC5(下図の赤枠部分)に以下の数式を入力します。
=Sales_2018+(Sales_2018*Growth_2019)
数式の入力が完了すると、セルC5に予測値が表示されるはずです。これで、セルB3の値を変更するだけで、成長率に基づいた売上予測が可能になります。
実際に試してみましょう。セルB3の値を2.25%に変更してみてください。次に5%でも試してみましょう。イメージがつかめたでしょうか?仕組みはシンプルですが、応用の可能性は無限大です。
データテーブル方式 ― 変数が2つの場合
すべての収入がそのまま利益になり、経費が一切かからない世界なら素晴らしいのですが、残念ながら現実はそうではありません。そのため、What-Ifスプレッドシートが常に楽観的な結果を示すとは限りません。
予測には経費も考慮に入れる必要があります。つまり、予測には収入と経費という2つの変数が関わってくるのです。
そこで、先ほど作成したスプレッドシートに別の変数を追加していきましょう。
- セルA4をクリックし、Expenses 2019と入力します。
- セルB4に10.00%と入力します。
- セルC4を右クリックし、ポップアップメニューから名前の定義を選択します。
- 「新しい名前」ダイアログボックスの名前フィールドにExpenses_2019と入力します。
ここまでは簡単でしたよね?あとは、セルC4の値を含むように数式を修正するだけです。
- セルC5の数式を以下のように修正します(括弧内のデータの末尾に*Expenses_2019を追加します)。
=Sales_2018+(Sales_2018*Growth_2019*Expenses_2019)
お察しのとおり、What-If分析は、組み込むデータや数式作成のスキルなど、いくつかの要因によって、はるかに複雑なものにすることもできます。
いずれにせよ、これで収入(成長率)と経費の2つの視点から予測できるようになりました。セルB3とB4の値を自由に変更して、ご自身の数字を入力し、この小さなWhat-Ifワークシートを試してみてください。
さらに学ぶために
Excelでできるほぼすべてのことと同様に、What-If分析機能はかなり複雑なシナリオまで扱えます。実際、予測シナリオについて何本もの記事を書いても、トピックを詳細に網羅しきれないほど奥深いものです。
それまでの間、より高度なWhat-If分析のスクリプトやシナリオへのリンクをいくつかご紹介します。
- What-If分析:図解付きのハウツー記事で、Excelのシナリオマネージャーなどについて解説しています。シナリオマネージャーでは、What-Ifシナリオなどを自分専用のコレクションとして作成・管理できます。
- What-If分析の概要:Microsoft OfficeサポートサイトによるWhat-If分析の紹介ページです。豊富な情報と、役立つWhat-IF分析の手順へのリンクが多数掲載されています。
- Excelのゴールシークを使ったWhat-If分析の方法:Excelのゴールシーク(What-If分析)機能の入門ガイドです。
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