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英国の天気でMacBookはソーラー充電できる?Voltaicキットを徹底実測

夏が近づき、日が長く、気温も上がってくる季節になりました。しかし、英国の日差しにはノートパソコンを動かせるほどの力があるのでしょうか?そこで今回は実際にソーラー充電キットを手に取り、「MacBookを太陽光だけでどこまで使えるのか」を検証しました。
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ソーラー充電に必要なキット

ガジェットやノートPCをソーラー充電する際に、最初につまずくのがこの現実です。ソーラーパネルに機器を直接つないではいけません。雲の通過などによって電圧が大きく変動し、充電回路やバッテリーを傷めてしまう恐れがあります。一般的には、まずソーラーパネルでバッテリーパックを充電し、そのバッテリーからパソコンやスマホへ給電するという二段構えが基本となります。

ノートPC・ガジェット向けの専用ソーラー充電製品として、ほぼ唯一の本命と言えるのが「Voltaic(ヴォルタイック)」です。同社は多彩な製品ラインナップを展開していますが、今回は出力最大級の「Voltaic Arc 20Wソーラーチャージャーキット」を選びました。

英国の天気でMacBookはソーラー充電できる?Voltaicキットを徹底実測

英国での価格は約295ポンド(執筆時点でFunkyLeisureなら289.99ポンド、CyberEnergyなら295ポンド)。同社が販売する最高出力のソーラーパネルに加え、「V72」バッテリーが付属します。72ワット時(Wh)という容量は、Voltaicの製品としても最大クラスです。

ソーラーパネルは単結晶(モノクリスタル)タイプの20Wモデルで、連結した4枚のシートで構成されています。使用しないときは折りたたむことができ、収納時のサイズと重量は旧型iPadやA4判の書籍程度です。キットにはV72バッテリー用のACアダプターも含まれており、これを使えばバッテリーは通常のモバイルバッテリーとしても機能します。さらに移動中に車のシガーソケットから充電するためのケーブルや、シガープラグ式の機器をつなげるシガーサイズのソケットも付属します。

箱の中にはさまざまな端子プラグも同梱されており、多くのノートPCやスマホに対応できます。ただし、旧型のMacBook ProやMacBook Air向けのMagSafeアダプターは含まれていません。これは別売りの14.99ポンドです。また、MagSafe 2搭載の現行MacBook Pro/Airの場合は、Apple純正の「MagSafe-MagSafe 2変換アダプター」(10ポンド)がさらに必要になります(Voltaic自身もMagSafe 2専用アダプターを販売していますが、英国では入手できないようです)。

一方、2016年以降のMacBook ProやMacBookをお使いの方は、手持ちのUSB-CケーブルをV72バッテリーの標準(Type-A)USBポートにつなぐだけで充電できます。ただしUSBポートの出力は10Wに制限されているため、充電速度はやや遅めです。参考までに、当時の13インチMacBook Proの純正充電器は61Wでした。

とはいえ、iPhoneやiPadであればUSBポートから普段どおり(あるいはそれ以上)の速度で充電できます。お手持ちのLightningケーブルをつなぐだけです。
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英国の天気でMacBookはソーラー充電できる?Voltaicキットを徹底実測

ソーラーパネルの設置場所

あえて厳しい条件で試すため、テストは5月から6月にかけてマンチェスターで行いました。テスト機は15インチMacBook Pro(2015年モデル)で、99.5ワット時という最大級のバッテリーを搭載しています。これはVoltaicバッテリーの72ワット時を大きく上回る容量で、多くのノートPCのバッテリーはこの半分から3分の2程度です。

パネルとバッテリーを置いておく適切な場所探しは、想像以上に骨の折れる作業でした。満充電には丸一日近くかかるのです。Voltaicの公表値では、ノートPC1台分の充電に最低6.5時間の日照が必要とされています(スマホ1台ならわずか1時間程度で十分な場合もあります)。

つまり、太陽が空を移動しても影に覆われない場所を確保しなければなりません。結局、私は車のボンネットの上にパネルを置くことにしました。

英国の天気でMacBookはソーラー充電できる?Voltaicキットを徹底実測

雨への対策について

このキットを使用している間、常に片目は天気予報を見ていなければなりません。というのも、どの部品も防水仕様ではないからです。外に洗濯物を干しているときと同じ感覚で、窓に雨音が聞こえた瞬間に飛び出していくことになります。

先回りして答えておくと、パネルをガラスやアクリル板の下に置くのはNGです。発電のもととなる重要な紫外線の大部分が遮られてしまうためです。ただし、これについては後ほどテスト結果の項で触れるように、話はそれほど単純ではありません。
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セットアップ

付属の取扱説明書は簡素なリーフレット1枚と、パネル本体に印刷された小さな図解のみで、ここは減点対象です。初めて配線をつなぐときはかなり戸惑いました。

バッテリーの入力ポートと出力ポートが同一の形状・サイズであるため紛らわしく、大量のノートPC用アダプターが同梱されていることも混乱に拍車をかけます。しかし実際の接続は非常にシンプルでした。ソーラーパネルのリード線をバッテリーの「INPUT」ポートに差し込み、給電側は「OUTPUT」と刻印されたポートにMagSafeアダプターをつなぐだけ。それ以外のケーブルやアダプターはすべて無視して構いません。

テスト結果

科学的な手法ではありませんが、基準値を得るために、まずVoltaicバッテリーを家庭用コンセントで満充電にし、ほぼゼロになったMacBook Pro(起動しようとしてもバッテリーマークしか表示されずシャットダウンした状態)に給電しました。

ここで2つ目の驚きが待っていました。コンセントで満充電した状態のVoltaicバッテリーでも、このMacBook Proを50%前後までしか充電できなかったのです。しかも充電中にMacBook Proを使用すると、到達できる充電量は35%程度まで低下しました。また、放電中のVoltaicバッテリー本体は触れないほど熱くなりましたが、Voltaicのテクニカルサポートによれば「安全で正常な動作」とのことです。

つまり、Voltaicバッテリーの72ワット時がそのままノートPCに伝わるわけではないのです。放電過程では効率100%とはいかず、Voltaicのサポートによると25〜30%程度のロスが発生します。

現実的に考えると、このMacBook Proをソーラー発電だけで100%充電するには、6.5時間の日照による充電を2回分行う必要があります。夏の長い昼間であれば、早起きすればギリギリ可能かもしれません。

参考までに、2016年半ば時点の現行MacBookシリーズのバッテリー容量(ワット時)を並べてみましょう。

  • MacBook 12インチ(2015): 41.4ワット時
  • MacBook Pro 15インチ(2016): 76ワット時
  • MacBook Pro 13インチ Touch Bar搭載モデル(2016): 49.2ワット時
  • MacBook Pro 13インチ(2016): 54.5ワット時
  • MacBook Air(2015): 54ワット時

各モデルがVoltaicバッテリーでどの程度充電できるかは、全機種を検証できていないため断言できません。しかし15インチモデルを除けば、Voltaicバッテリー1回の給電で既存のMacBook(Por/Air)シリーズの大半をほぼ満充電に近づけられるのではないかと推察します。

なお、ノートPCにつなぐ前に、出力電圧を機器側に合わせて設定する必要があります。本体の物理スイッチで12V/16V/19Vを切り替える方式です。

自分のMacBookに必要な電圧は純正ACアダプター(パワーブリック)の表記で確認できます。私のMacBook Proは19Vが必要でした。ここは今回の検証全体で最も緊張する場面で、パソコンを壊してしまうのではないかとヒヤヒヤしました。何かをOUTPUTポートに差し込むとLEDインジケーターに現在の電圧設定が表示されるものの、たとえばVoltaicバッテリーをリュックに放り込む際などにスイッチが誤って動いてしまう可能性もあります。使用のたびに必ず確認すべきポイントでしょう。

それでは、テスト結果をご覧ください。繰り返しますが、まったく科学的な測定ではないことはご了承ください。

晴天時の結果

5月中旬のある日、午前9時にパネルを屋外に出し、午後3時30分に回収しました。推奨どおり6.5時間の充電時間を確保でき、空には雲ひとつありません。結果、Voltaicバッテリーの充電インジケーターは満充電を示し、MacBook Proもゼロから約50%まで回復しました。このモデルに対してVoltaicバッテリーが供給できる上限の充電量です。

曇天時の結果

iPhoneアプリ「Dark Sky」が「Partly Cloudy(ところにより晴れ)」と報告した、時々日差しのある曇天の日。6.5時間屋外に出していたところ、Voltaicの充電インジケーターでは約75%までしか充電できませんでした。そしてMacBook Proへの給電結果は、ゼロからわずか13%でした。

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Voltaicによれば、雲はソーラー充電にとって深刻な障害となり、充電能力を50〜100%(つまりまったく充電できないケースも)低下させることがあるそうです。ただし、似たような天候の日に行った再テストでは、午前8時から午後8時までパネルを出しっぱなしにした結果、Voltaicバッテリーは満充電に到達し、MacBook Proもゼロから約50%まで回復しました。

教訓はこうです。英国特有の不安定な天候を考慮すれば、可能な限り一日中パネルを屋外に出しておくのが最良の結果をもたらします。

屋内での結果

パネルを日当たりの良い室内の窓辺に立てかけて充電したところ、午前9時から午後7時までの丸一日でMacBook Proを15%充電できました。これは予想よりも良い結果です。

ポイントは、Voltaicバッテリーが晴天時の高速充電だけでなく、トリクル充電(微弱電流でのゆっくりとした充電)にも対応した設計になっていることです。好天が続く期間、窓辺にパネルを1週間ほど置きっぱなしにすれば、Voltaicバッテリーを100%まで充電できる可能性は十分あります。

英国においてVoltaicを活用する方法としては、これが最も効果的と言えるかもしれません。使っていないときは、常にVoltaicバッテリーをソーラーパネルにつないでおき、ひたすらトリクル充電しておくのです。

ひとつ注意点があります。Voltaicのテクニカルサポートも認めているのですが、バッテリーの充電インジケーターランプはやや楽観的な表示をする傾向があります。信頼できるのは次の2つの状態だけだと学びました。「空」の状態では充電ランプが点灯しないか、1個だけ点滅します。そして「満充電」の状態では、ソーラーパネルを接続している間、5個の充電インジケーターLEDがすべて点灯し続け、点滅しません。

結論: MacBookのソーラー充電は実用的なのか?

MacBook(やiPhone/iPad)をソーラーで充電する動機は、おそらく純粋な環境保護への思いか、あるいは単なる趣味の楽しみでしょう。もし節約目的なら、残念ながら長い長い待ち時間が待っています。我々の計算では、キット代金が元を取れるまでに約60年かかります。しかもそれ、365日毎日使用した場合の計算です。英国ではそんなことは到底不可能です。

そしてここに、英国におけるソーラー充電の悲しい真実があります。それはVoltaicキット自体の問題ではありません。初期の接続トラブルさえ乗り越えれば、その効果は賞賛に値するほど高かったのです。問題は、端的に言って「英国」という国そのものにあります。

毎日が晴れた夏の日であるわけではありません。少なくともマンチェスターでは。しかも油断していると意外なタイミングで雨が降ります。

さらに、北半球の比較的高緯度の島国で暮らすという物理的な現実も重くのしかかります。およそ10月から3月までの半年間、英国では太陽が地平線近くの低い位置にあるため、紫外線をほとんど得られません。もちろん日没も早く、そもそもソーラー充電に使える時間そのものが短くなります。

この期間にソーラーパネルで満充電を得ようとすれば、丸一日の屋外設置を数週間続ける必要がありそうですが、当然ながらこの時期は降雨が続き、パネルを外に出しっぱなしにはできません。

英国の天気でMacBookはソーラー充電できる?Voltaicキットを徹底実測

しかし、春から夏にかけての時期であれば、パネルをガラス越しに置いて数日かけてバッテリーをトリクル充電する方法現実的な選択肢になります。変わりやすい天候の影響も受けにくくなります。サンルームや車のダッシュボード、温室などにパネルを置くのもよいでしょう。ただし周囲の気温が上がりすぎないよう注意が必要です(Voltaicバッテリーの動作温度範囲は公表されていませんでしたが、ネット上のガイドによればリチウムポリマーバッテリーは摂氏60度を超えてはいけないとされています)。

英国の憂鬱な天候や地理的条件だけが懸念材料ではありません。盗難のリスクもあります。最高の成果を得るには、パネルとバッテリーを一日中屋外の開けた場所に放置しなければならないからです。自宅の裏庭くらいは安全かもしれませんが、それ以外の場所で安心できるところを思いつきません。テスト中には、長時間屋外に置いたパネルが汚れることも判明したため、定期的な清掃も必要です。

では、Voltaicのようなソーラー充電キットはどんな場面で意味を持つのでしょうか。Voltaic公式サイトのカスタマーレビューを見ると、野外作業従事者や旅人がこのキットを有効活用している様子がうかがえます。

天候が仕様どおりで、日照時間が十分にあれば、ノートPCは事実上無期限にコンセント不要で動かせます。これは相当にクールなことであり、USBポートならスマホやiPadの充電にも使えることを忘れてはいけません。パネルは大きな書籍程度のコンパクトな形に折りたためるため、持ち運びの面でも心配はほとんどありません。

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