MacBookのバッテリーを診断・テストする方法:交換が必要かどうかの見分け方と交換手順
MacBook Airのバッテリー減りが異常に速い、MacBook Proのバッテリー持ちが以前より悪くなった、あるいはノート型Macのバッテリーが満充電されない——そんな悩みを抱えていませんか?
本記事では、MacBookのバッテリーに問題がないかを確認する方法と、バッテリー交換が必要な場合の対処法を詳しく解説します。まずMacでバッテリーテストを実行する手順から始め、Appleがバッテリー不具合でMacBookをリコールした経緯にも触れながら、実際にバッテリーを交換する方法までご紹介します。
MacBookのバッテリーをテストする方法
ほとんどのMacBookモデルは、新品であれば終日使えるバッテリー駆動時間を謳っています。具体的には、2018年・2019年モデルのMacBook Airが約12〜13時間、13インチMacBook Pro(2018/2019)と15インチMacBook Pro(2018/2019)が約10時間、16インチMacBook Pro(2019)が約11時間という数字です。
もちろん、Macは使用とともに自然に劣化するため、購入当初ほどのバッテリー持続時間は期待できません。ただし、劣化を最小限に抑えるための工夫はいくつもあります(「MacBookのバッテリーを長持ちさせる方法」の記事も参考にしてください)。3年ほど使ったMacBook Airなら、Appleが公表していた12時間には届かなくても、十分実用的な駆動時間は保てるはずです。
もし明らかにバッテリー持ちが悪い場合は、故障の可能性や、バッテリーの交換・修理が必要なサインかもしれません。幸い、バッテリーに問題があるかどうかは簡単に確認できます。
MacBookは常時バッテリーの状態を監視しています。現在の状態を確認するには、以下の手順を実行してください。
- Alt/Optionキーを押し続けます。
- デスクトップ右上の時刻付近にあるバッテリー残量アイコンをクリックします。
- メニュー上部の「状態(コンディション)」の項目に、「正常」「まもなく交換」「今すぐ交換」「バッテリーの修理」の4種類のいずれかが表示されます。
「正常」であればバッテリーは健康だと言えます。意外に思われるかもしれませんが、「まもなく交換」はあくまで警告であり、即座に交換を求めるものではありません。この状態でもMacBookはバッテリー駆動で正常に動作します。ただし、新品当時に比べると駆動時間は目に見えて短くなっているでしょう。
一方、残りの2つのステータスである「今すぐ交換」と「バッテリーの修理」は、バッテリー寿命が近づいていることを示すサインです。
さらに詳しい情報を知りたい場合は、Coconut-Flavour社の「CoconutBattery」やFlipLab社の「Battery Health」など、サードパーティ製のバッテリー監視アプリをダウンロードするのもおすすめです。これらのアプリは、バックグラウンドで動作する電力消費の激しいアプリを監視し、自動的に制御することもできます。特にCoconutBatteryは、バッテリーの現在の最大充電量を新品時の設計容量と比較でき、同型機との性能比較まで可能です。
無料アプリのCoconutBatteryを使えば、技術的な詳細情報まで掘り下げて確認できます。Appleはバッテリー状態の判定基準を公表していませんが、おそらく現在の最大充電量を新品時の元容量と照らし合わせて算出していると考えられます。
CoconutBatteryでは、両方の数値がミリアンペア時(mAh)で表示されます。たとえば、設計容量5,400mAhのMacBook Proが現在3,700mAhしか蓄えられない場合、容量の30%以上が失われていることになります。それでもmacOS上では「100%充電」と表示されますが、以前ほど長くは持たず、「まもなく交換」の警告が表示される可能性が高いでしょう。
MacBookのバッテリー適正サイクル数とは?
CoconutBatteryで注目すべきもう一つの数値が「サイクルカウント(充放電サイクル数)」です。これは、バッテリー容量の100%を使い切った回数を示します。1回の充電サイクルごとにバッテリーはわずかに充電保持能力を失い、これが経年による容量低下の原因となります。
注意したいのは、充電サイクルは必ずしも満充電から完全に使い切ることを意味しない点です。ある日に50%消費して充電し、翌日さらに50%消費すれば、それで1サイクルにカウントされます。つまり、MacBookをほぼ常時電源に接続していても、たまに1〜2時間バッテリー駆動するだけでサイクル数は消費されていくのです。
また、満充電のまま長期間保管すると総充電容量が永久に低下することがあります。逆に、完全放電の状態で保管すると、Appleがいう「ディープディスチャージ(過放電)状態」に陥り、以後充電できなくなる恐れもあります。どちらも避けるために、保管時は約50%充電した状態で、スリープではなくシャットダウンしてから保存しましょう。
同様に、MacBookを常に電源につないだままにするのも好ましくありません。ときどきはバッテリーを放電させてあげることが大切です。
Appleによれば、MacBookシリーズは1,000回の充電サイクル後も充電容量の80%を維持できるとしており、2009年以降の多くのモデルでこの仕様が採用されています。この回数を超えるとAppleはバッテリーを「消耗品」とみなし、警告表示が出ていなくてもここから問題が顕在化し始めることがあります。
もしMacBookが保証期間内(またはAppleCareの対象内)で、サイクル数が1,000回より大幅に少ないのに問題が起きているなら、バッテリーに製造上の欠陥がある可能性があるため、Apple Storeでのジーニアスバー予約をおすすめします。なお、充電表示が93〜99%の間で止まって見える現象は故障ではなく、MacBookバッテリーの正常な挙動なので心配いりません。
MacBookのバッテリーに何が起きているのか
前述の手順でバッテリー状態を確認した結果、「バッテリーの修理」や、旧モデルでは「バッテリーの保持能力が低下しています」「利用可能なバッテリーなし」といったメッセージが表示された場合、バッテリーに何らかの異常が起きていると考えられます。
逆に、警告メッセージが一切表示されないのに、充電がすぐ減ったり充電が遅かったりするケースもあるでしょう。その場合の対処法を見ていきましょう。
バッテリーが充電できない場合
実は、原因がバッテリー自体ではないこともあります。
筆者もかつて、充電できなくなったMacBook AirをApple Storeに持ち込んだところ、原因はMagSafe充電器の故障だったことがあります。Appleが充電器を交換しただけで問題は解決しました。
バッテリーが充電されない場合——充電インジケーターが点滅する、オレンジ色(充電中)や緑色(充電完了・AC電源駆動)に点灯しないなど——については、「充電できないMacBookを直す方法」の記事もあわせて参照してください。
潜在的な不具合とリコール
バッテリー自体の問題が原因で、リコール対象になっている可能性もあります。たとえばAppleは、2015年9月〜2017年2月に販売されたMacBook Pro(Retina、15インチ、Mid 2015)について、バッテリーが過熱する恐れがあるとしてリコールを実施しました。「MacBookのバッテリーが発火・膨張した」という報道を目にしたことがある方は、おそらくこの特定モデルに関連する話です。
2019年6月のプレスリリースでAppleは「お客様の安全を最優先とするため、該当する15インチMacBook Proの使用を中止していただくようお願いします」と述べています。自分のMacBookが該当するかどうかは、Appleの専用ページでシリアル番号を入力すれば確認できます。該当していれば、バッテリー交換は無料で受けられます。
不調なMacBookバッテリーへの対処法
リコール対象外で、充電器にも問題がない場合は、設定の見直しによってバッテリー駆動時間を改善できる可能性があります。
バッテリー持ちを改善する方法は「MacBookのバッテリーを長持ちさせる方法」の記事で多数紹介しています。バッテリーを消耗しているアプリの特定方法、省エネルギー設定の変更、ダークモードの活用など、さまざまな対策を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
バッテリーをキャリブレーション(較正)する
バッテリーを完全に使い切ってから再びフル充電すると、症状が改善することがあります。
ただし注意点として、Appleによれば新しいモデルは出荷時に較正済みのため、この方法では効果がない場合があります。
かつてAppleのウェブサイトには「画面上のバッテリー残量表示を正確に保ち、バッテリーを最高効率で動作させるために、定期的に再較正が必要です」と記載されていましたが、新型モデルではこれは当てはまりません。
とはいえ、他にも試せる手段があります。
SMC(システム管理コントローラ)をリセットする
SMC(システム管理コントローラ)をリセットすると、ハードウェア関連の設定がすべて初期状態に戻ります。これによりMacBookがバッテリーをゼロから再評価し、誤ったステータス表示の問題を解消できる可能性があります。
SMCのリセット手順は以下の通りです。
- まずMacBookをシャットダウンします。
- 電源が切れたら、MagSafe電源アダプタを接続します。
- Controlキー、Shiftキー、Option/Altキー、そして電源ボタンを同時に約4秒間押し続けます。
- すべてのキーを同時に離します。
- SMCのリセット後、電源ボタンを押してMacBookを起動し、問題が解決したか確認します。
MacBookのバッテリーを交換する方法
上記の対処を試しても改善せず、リコール対象でもない場合は、いよいよバッテリー交換を検討する段階です。
交換用バッテリーを購入する前に、必ず前述のSMCリセットを試してみてください。それでも改善しなければ、新しいバッテリー(または新しいMac本体)の購入を検討するのが妥当です。新規MacBook Proのお得な情報や格安MacBook Airのセール情報もチェックしておきましょう。
バッテリーだけを交換したい場合は、専門家に依頼するのが賢明です。MacBookのバッテリー交換は難易度が高いことで有名なので、プロに任せることをおすすめします。
Appleは最近のほとんどのMacBookモデル向けにバッテリー交換サービスを提供しており、価格も妥当です。また、iSmash、Stormfront、KRCSなどのサードパーティ業者からも交換サービスを受けられます。Appleは正規サービスプロバイダ(認可されたサービスセンター)の利用を推奨しています。そうすれば、純正認証パーツが使われていることが確実だからです。
MacBookのバッテリーは交換すべき?
キャリブレーションや各種テストを試しても改善しない場合、選択肢は実質2〜3つあります。最も一般的なのは、Appleまたは正規サービスプロバイダに有料で交換を依頼する方法で、価格は110ポンド(日本円で約2万円)前後からです。もう一つは、自分でバッテリーを交換するという選択肢です。
ただし、Appleはユーザー自身によるMac(iPhoneやiPadも同様)のハードウェア交換に否定的です。Appleは「安全性や性能の問題を引き起こす可能性のある、破損・低品質・中古のバッテリーからユーザーを守りたい」と説明しています。
さらにAppleは「内蔵バッテリーを自分で交換しようとすると機器を破損する恐れがあり、その損傷は保証の対象外です」とも述べています。とはいえ、自分で交換を検討するのはおそらく保証期限を過ぎた古いMacでしょう。もしまだ保証期間内なら、Appleが無料で交換してくれないか、まず確認する価値があります。
それでもコストを節約したい、ドライバー扱いに自信がある、というのであれば自己交換に挑戦しても構いません。ただし失敗しても責任は取れませんし、必ず純正Appleパーツのみを購入してください。不良バッテリーは発火や爆発の危険があります。残念ながら品質を見分ける最も確実な指標は価格であり、純正品は通常最も高価です。
MacBookのバッテリーは自分で交換できる?
自分でバッテリー交換ができるかどうかを左右する最大の要素は、そもそも物理的に交換可能かどうかです。
バッテリーがユーザー交換可能かどうかは製造時期によって異なり、10年以上前のMacBookであれば可能性は高くなります。たとえば初期のIntel製MacBook(ホワイト/ブラックモデル)は、本体底面の目立つネジを回すだけで(通常は硬貨でも代用可能)、あるいは留め具を解除するだけでバッテリーを取り外せました。
しかし2008〜2009年にユニボディ設計のMacBook Proが登場して以降、Appleはユーザーによるバッテリー交換を次第に困難にしていきました。交換自体は依然可能でしたが、底面パネルを外し、バッテリーの固定ネジを緩め、マザーボードからケーブルを外すという手順が必要になりました。
PC内部をいじった経験がある人なら難しくはありませんが、初心者向けの作業ではありません。モデルによっては特殊なペンタローブドライバーやトライウィングドライバーが必要になることもあり、気軽に挑戦できる作業ではありません。
さらに2012年以降は状況が一変しました。AppleがMacBook Proのバッテリーを接着剤で固定するようになったため、取り外しは困難かつ危険になり、バッテリーを突き刺したり破損させたりすると、発火や有害ガスの放出につながる恐れがあります。
それ以降に購入したMacBookなら状況はさらに厳しくなります。MacBook Air、MacBook、および新型MacBook Proでは、バッテリーははんだ付けで固定されているのです。
MacBookのバッテリー交換の実際の手順
人気のiFixitサイトでは、ほとんどのMacBookモデル向けに無料のバッテリー交換ガイドを提供しているだけでなく、必要な工具やパーツも販売しています。詳細な手順は同サイトを参照するのが確実ですが、ここでも基本の流れをご紹介します。
繰り返しになりますが、DIY交換が本当に検討に値するのは、保証期限切れの旧モデルだけです。Appleの1年間保証には不良バッテリーの交換が含まれており、Apple自身もバッテリー交換サービスを提供しています。購入時にAppleCare Protection Planに加入すれば、不良バッテリーの補償期間を延長できます。
それでもDIYに挑戦する場合は、まずAmazonやeBayなどでバッテリーを入手する必要があります。その際、互換性のある製品を選ぶために、自分のMacBookの正確なモデル名を把握しておかなければなりません。
作業前に、まず自分のMacBookを特定しましょう。シリアル番号は「このMacについて」ウィンドウで確認できます。
工具面では、プラス(フィリップス)ドライバー、プラスチック製スパッジャー(Amazonで約500円)、Y1トライウィングドライバー(数百円程度)、そしてiFixitやEveryMacのチュートリアルを見るためのブラウザ環境が必要です。工具セットをまとめて購入するか、iFixitから直接購入するのも良いでしょう(購入前に必要な工具を必ず確認してください)。
ほとんどのユニボディMacBookは構造が似ており、最大19本のネジを外す必要があります(一部はY1トライウィングドライバーが必要)。MacBookの底面ケースを外し、スパッジャーの平らな先端でロジックボードからバッテリーのコネクタを外し、古いバッテリーを新しいものと交換します。作業前には必ず電源を切り、MagSafeアダプタを取り外してください。
もちろん新しいバッテリーも必要です。旧13インチMacBook Pro用の中古バッテリーはeBayで6,000円前後から入手できますが、偽物に注意しましょう。
バッテリーがユーザー交換可能なMacBookは?
以下の表は、MacBookのバッテリー交換の可否をまとめたものです。なお「ユニボディ」とは、プラスチック製や個別アルミ部品の組み合わせではなく、一枚のアルミニウム塊から削り出されたことで有名なモデルを指します。自分のMacBookのモデルを調べるには、Appleメニューから「このMacについて」を開き、表示されたウィンドウで「詳しい情報」ボタンをクリックしてください。
モデル | 詳細 |
MacBook(ホワイト/ブラック) | 本体底面のコインで回せるネジによりユーザー交換可能 |
MacBook ユニボディ(A1278) | 本体底面の留め具を押すことでユーザー交換可能 |
MacBook ユニボディ 後期モデル(A1342) | 底面パネルの取り外し、バッテリーコネクタの脱着、固定ネジの緩めが必要なためユーザー交換は不可 |
MacBook Pro ユニボディ 13インチ(全モデル) | 底面パネルの取り外し、バッテリーコネクタの脱着、固定ネジの緩めが必要なためユーザー交換は不可 |
MacBook Pro 15インチ 非ユニボディ Core Duo/Core 2 Duo | 本体底面の留め具を解除することでユーザー交換可能 |
MacBook Pro ユニボディ 15インチ(Late 2008/Early 2009) | 本体底面の留め具を押すことでユーザー交換可能 |
MacBook Pro ユニボディ 15インチ | 底面パネルの取り外し、バッテリーコネクタの脱着、固定ネジの緩めが必要なためユーザー交換は不可 |
MacBook Pro 非ユニボディ 17インチ | 本体底面の留め具を解除することでユーザー交換可能 |
MacBook Pro ユニボディ 17インチ | 底面パネルの取り外し、バッテリーコネクタの脱着、固定ネジの緩めが必要なためユーザー交換は不可 |
MacBook Pro Retina(13/15インチ) | ユーザー交換不可 |
MacBook Air(11/13インチ) | 底面パネルの取り外し、バッテリーコネクタの脱着、固定ネジの緩めが必要なためユーザー交換は不可。なおMacBook Airのバッテリーは保護がほとんどないセル構造のため、圧迫や折り曲げを避ける必要があり、取り扱いに危険が伴う |
MacBook Air 13インチ | ユーザー交換不可 |
MacBook(2017) | ユーザー交換不可 |
なお、AppleはiPhoneの修理も自社スタッフや認定修理業者以外には困難なように設計しています。iPhone 12のカメラ、バッテリー、画面はApple純正ツールなしでは修理不可能である点にも留意してください。
-
MacBookでよくある10のトラブルとその解決策を徹底解説
Windows PCでもMacBookでも、どんなマシンも時間が経つとともに本来のパフォーマンスを失っていくものです。最近MacBookの調子が悪くなって困っている方も、あなただけではありません。多くのユーザーが、よくあるMacBookの問題や、それが作業効率に与える影響、そしてその原因について声を上げています。 こうした問題は、簡単なトラブルシューティングとデバイス設定のちょっとした変更だけで解決できることがほとんどです。もし「MacBookを買い替えようか」と考えていたなら、その考えは少し保留にしてみてください。 画面の不具合から起動の遅さまで、この記事では最も一般的なMacBookの問題
-
MacBookのバッテリー状態を確認する方法|劣化チェックから交換手順まで徹底解説
MacBookは持ち運びやすさが最大の魅力で、デスクからソファ、カフェなど、場所を選ばず仕事を続けられます。そのポータビリティを支える重要な要素こそがバッテリー駆動時間です。バッテリーが長持ちすればするほど、外出先での作業時間も長くなります。 しかし、バッテリーは使用とともにカタログスペック通りの容量を維持できなくなります。MacBook AirやProを5年以上使用している方は、バッテリーの状態(バッテリーヘルス)を定期的にチェックすることをおすすめします。特に「充電の減りが異常に速い」「電源に接続しても正常に動作しない」といった症状には注意が必要です。これらは充放電サイクルの蓄積による劣化