C++で電話帳を設計する:セットとキューによる効率的な番号管理の実装
本記事では、次の3つの操作をサポートする電話帳(Phone Directory)クラスをC++で設計する方法を解説します。
- get ― まだ誰にも割り当てられていない番号を1つ取得する
- check ― 指定した番号が利用可能かどうかを確認する
- release ― 使用済みの番号を解放し、再利用できる状態に戻す
コンストラクタでは、あらかじめ最大 n 個の番号を初期化しておきます。
解法のアプローチ
この問題は、「使用中の番号を記録するセット」と「利用可能な番号を保持するキュー」という2つのデータ構造を組み合わせることで、効率的に解くことができます。キューによって番号を取得する順序が保証され、セットによって高速な存在チェックが可能になります。
具体的には、以下の手順に従います。
- 使用中の番号を管理するセット s を定義する
- 利用可能な番号を保持するキュー available を定義する
- コンストラクタは maxNumbers を受け取る
- N := maxNumbers とする
- i := 0 から i < N まで、i を1ずつ増やしながら繰り返す
- i を available に挿入する
get() 関数
- available のサイズが 0 の場合は -1 を返す
- x := available の先頭要素とする
- x を s に挿入する
- available から先頭要素を取り出す
- x を返す
check(number) 関数
- number >= N または number < 0 の場合は false を返す
- number が s に存在しなければ true を返す
release(number) 関数
- check(number) が true の場合(=すでに利用可能な番号の場合)は何もせず終了する
- x := number とする
- x を s から削除する
- x を available に挿入する
実装例
理解を深めるために、実際のC++コードを見てみましょう。
#include <bits/stdc++.h>
using namespace std;
class PhoneDirectory {
public:
set<int> s;
queue<int> available;
int N;
PhoneDirectory(int maxNumbers){
N = maxNumbers;
for (int i = 0; i < N; i++) {
available.push(i);
}
}
int get(){
if (available.size() == 0)
return -1;
int x = available.front();
s.insert(x);
available.pop();
return x;
}
bool check(int number){
if (number >= N || number < 0)
return false;
return s.find(number) == s.end();
}
void release(int number){
if (check(number))
return;
int x = number;
s.erase(x);
available.push(x);
}
};
main(){
PhoneDirectory ob(3);
cout << (ob.get()) << endl;
cout << (ob.get()) << endl;
cout << (ob.check(2)) << endl;
cout << (ob.get()) << endl;
cout << (ob.check(2)) << endl;
ob.release(2);
cout << (ob.check(2)) << endl;
}
入力
ob.get(); ob.get(); ob.check(2); ob.get(); ob.check(2); ob.release(2); ob.check(2);
出力
0 1 1 2 0 1
出力の解説
このプログラムの動作を順に追ってみましょう。
- 1回目の
get()で番号 0 が割り当てられます。 - 2回目の
get()で番号 1 が割り当てられます。 check(2)は、番号 2 がまだ未使用のため true(1)を返します。- 3回目の
get()で番号 2 が割り当てられます。 check(2)は、番号 2 が使用中になったため false(0)を返します。release(2)によって番号 2 が解放されます。check(2)は、再び true(1)を返します。
計算量
- get():セットへの挿入がボトルネックとなり、O(log n)
- check():セットの検索により、O(log n)
- release():セットからの削除により、O(log n)
- 空間計算量:O(n)(n は最大番号数)
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