SQL Server 2017のインストール手順を徹底解説!初心者向けステップバイステップガイド
SQL Server 2017は、インストールプロセスにおいて多くの新機能が追加されたバージョンです。RやPythonに対応した「Machine Learning Service(機械学習サービス)」のサポート、SSIS Scale Out Master/Scale Out Workerの搭載、そしてPolyBaseの拡張オプションなどが含まれています。
本記事では、SQL Server 2017を段階的にインストールする具体的な手順を詳しく解説していきます。
はじめに:SQL Server 2017のダウンロード
まず、SQL Server 2017のインストーラーは以下のMicrosoft公式サイトからダウンロードできます。
https://www.microsoft.com/en-us/sql-server/sql-server-downloads-free-trial
ダウンロードページでは、主に以下の3つのエディションから選択することになります。
- Evaluation(評価版)
- Developer(開発者向けエディション)
- Express(無償版)

どのエディションを選ぶべきか?
- 評価版(Evaluation):すべての機能を含む無料版です。全機能を試したい場合に最適で、試用期間は180日間。その後、EnterpriseライセンスまたはStandardライセンスを購入できます。将来的にいずれかのライセンス購入を予定しているなら、このバージョンを選びましょう。
- Developer(開発者向け):無料で利用できますが、本番環境では使用できません。開発や学習目的であれば、このエディションがおすすめです。必要な機能がすべて含まれています。本チュートリアルでもこのエディションを使用します。
- Express(無償版):無料かつ本番環境でも使用可能ですが、データベース容量に10GBの制限があり、SQL Server AgentやDTAなどの一部機能が含まれていません。ディスク容量やリソースをあまり必要としない小規模な用途に向いています。
このほかにStandardやWebといったエディションも存在し、これらはEnterpriseより低価格です。Web版はWebホスティング環境での運用に必要な機能を備えています。Standard版はEnterprise版とほぼ同等ですが、Transparent Data Encryption(透過的データ暗号化)、パーティション並列処理、ミラーリングバックアップ、オンラインインデックス操作などに一部制限があります。採用前に、除外されている機能の一覧を必ず確認してください。
各エディションの機能差の詳細については、以下のMicrosoft公式ドキュメントを参照してください。
https://docs.microsoft.com/en-us/sql/sql-server/editions-and-components-of-sql-server-2016?view=sql-server-2017
SQL Server 2017のインストール手順
ダウンロードが完了したら、セットアップファイルを実行します。インストール画面には主に3つの選択肢があります。
- Basic(基本):Database Engineと基本コンポーネントのみをインストールするシンプルな方法です。
- Custom(カスタム):SQL Serverが持つさまざまな機能を選択しながらインストールできます。本記事ではこのカスタムオプションを使用して解説します。
- Download Media(メディアのダウンロード):後でインストールしたり、他のマシンにインストールしたりするためのインストールメディアを取得します。

次にインストール先の場所を選択します。約9,000MBの空き容量が必要です。場所を指定したらInstallをクリックしましょう。

インストール中に役立つリソース
インストール中には便利なURLが表示されます。たとえば、有益なアドバイスが得られるSQL Serverフォーラムなどです。

また、サンプルデータベースやサンプルコードなどが多数掲載されたGitHubへのリンクも表示されます。

Planning(計画)セクションの活用
インストーラーのPlanningセクションには、多くの有用なリソースが揃っています。HardwareおよびSoftwareの要件を確認して、お使いのマシンが要件を満たしているかチェックできるほか、セキュリティ関連ドキュメント、System Configuration Checker(システム構成チェッカー)、Data Migration Assistant(DMA)などのデータ移行ツール、オンラインインストールドキュメント、フェイルオーバー関連ドキュメント、アップグレードガイドなどが参照できます。

新しいスタンドアロンインストールの実行
Installationセクションに移動し、「New SQL Server stand-alone installation(新しいSQL Serverスタンドアロン インストール)」を選択します。なお、SQL Server Reporting Servicesは別途インストールが必要なので注意してください。

プロダクトキーの画面では、ライセンスキーを入力するか、無料版を選択します。ここでは開発者向けエディションをインストールする例で進めます。

License Terms(ライセンス条項)が表示されるので、内容を確認して同意します。

Microsoft Updateの画面では、インストーラー経由で更新プログラムを適用するかどうかを設定できます。

Install Rules(インストール ルール)では、Active Template Libraryの存在、レジストリキー、コンピュータがドメインコントローラーでないことなどが検証されます。

機能の選択(Feature Selection)
続いて重要なのが機能選択の画面です。Database Engine Servicesがコアとなるデータベース本体です。それ以外にも多くの機能がありますので、それぞれの概要を見ていきましょう。
- Replication(レプリケーション):データを別サーバーや別のSQL Serverインスタンスへ複製したい場合に役立ちます。
- Machine Learning Services(In-Database):RまたはPythonをインストールできます。SQL Server 2016ではRサービスのみでしたが、2017ではRとPythonの両方が選択可能になりました。
- Full-Text and Semantic Extractions for Search:全文検索クエリに使用されます。
- Data Quality Services:データの品質向上、標準化、重複排除に活用できます。
- PolyBase:NoSQLデータをクエリできる興味深い機能です。
- Analysis Services:BI(ビジネスインテリジェンス)用途で、多次元テクノロジによるエンタープライズレポート作成に使用されます。

Machine Learning Servicesには「In-Database」と「Standalone」の2種類があります。前者はSQL Server Database Engineと共にインストールされ、後者はデータベースエンジンなしで動作します。
Data Quality Clientは、独立したツールを使ってデータ品質の操作を行うためのものです。Integration Servicesでは、Scale Out MasterとScale Out Workerをインストールできます。この機能により、パッケージを複数サーバーに分散させてパフォーマンスを向上させられます。Masterが全体の活動を管理し、Workerがタスクを受け取る仕組みです。
下位互換クライアントツールには、旧バージョンのSQL Serverと連携するためのツール群が含まれています。
Client Tools SDKには、開発者向けのリソースが含まれています。
Distributed Replay Controllerは、Distributed Replayクライアントを管理する機能です。Distributed Replayは、パフォーマンスやセキュリティの監視・検証、アップグレードや新環境のテストに使われます。SQL Profilerと似ていますが、複数サーバーを同時にトレースできる点が特徴です。負荷をシミュレートするには、Distributed Replay Clientをインストールします。
SQL Client Connectivity SDKをインストールすると、SQL Server Native Client(OLE DB)やODBCコネクタが導入され、.NET、Java、PHPなどの各種言語からSQL Serverへ接続できるようになります。
最後にMaster Data Servicesは、データをモデルとして整理し、データアクセスのルールを作成したり、誰がデータを利用できるかを制御したりするための機能です。

PolyBaseインストール時の注意点
PolyBaseを選択した場合、セットアップはOracle JRE(Java Runtime Environment)を要求します。JREインストーラーは以下のリンクから入手できます。
https://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/jre8-downloads-2133155.html

インスタンスの構成
同じサーバー上に複数のSQL Serverインスタンスを持つことも可能です。これは、レプリケーションやミラーリングのシミュレーション練習、あるいは用途ごとに個別のインスタンスを分けたい場合に便利です。デフォルトでは、通常サーバーのコンピューター名と同名になる「既定のインスタンス」をインストールできます。

PolyBaseについては、スタンドアロンインスタンスとしてインストールするか、PolyBaseスケールアウトグループとして構成するかを選択できます。スケールアウトグループは、大量のデータをクエリする際に複数のSQL Serverへ処理を分散させたい場合に使用します。このオプションではポートの有効化とMSDTCの有効化が必要です。

サーバーの構成と認証モード
各サービスに対しては自動的にアカウント名が作成されます。これらの名前は控えておきましょう。やむを得ない場合を除き、これらのアカウントに管理者権限を付与しないことが推奨されます。

SQL Serverの認証方式には2種類あります。Windows認証はWindowsアカウントを使用してSQL Serverに認証する方式です。混合モード(Mixed Mode)では、SQL Server内部でログインIDとパスワードを作成できます。管理者アカウントは「Add Current User(現在のユーザーの追加)」ボタンまたは「Add(追加)」ボタンで登録できます。

データディレクトリとTempDBの設定
Data Directories(データディレクトリ)タブでは、データファイルとログファイルの保存場所を指定します。パフォーマンス向上やトラブルシューティング時のセキュリティ確保のため、それぞれ別のドライブに配置するのがベストプラクティスです。

TempDBタブでは、一時データを格納するためのシステムデータベースであるTempDBの構成を行います。

FILESTREAMを有効にすると、ドキュメントや画像などの非構造化データをデータベース内に格納できます。

Analysis Servicesの構成
Analysis Services Configurationでは、多次元およびデータマイニングモード(Multidimensional and Data Mining Mode)を設定できます。このモードは、エンタープライズレポートでの高速なクエリ作成に適しています。もうひとつの選択肢は表形式(Tabular)モードです。表形式データベースはRAMに依存するため、データベースが数TB規模になる場合は多次元モードの方が有利です。また、データマイニングサービスが必要な場合も多次元モードが適しています。
PowerPivotはExcelやSharePointで利用できます。PowerPivot for Excelはレポート作成に便利で、多くの人と共有する必要がある場合はSharePointとの組み合わせが有効です。ここで管理者権限を持つユーザーを追加することもできます。

Integration Services Scale Outの構成
Integration Services Scale Out Configuration - Master Nodeでは、マスターノードとワーカーノード間の通信ポートを指定します。また、ここで証明書を新規作成するか、既存の証明書を使用するかも選択できます。

Integration Services Scale Out Configuration - Worker Nodeでは、マスターノードのエンドポイント(マスターノード名とポート番号)を指定する必要があります。SSL証明書もここで指定できます。

RとPythonのインストール同意
機械学習機能としてRをインストールするかどうか尋ねられるので、AcceptをクリックしてNextへ進みます。Rは機械学習をはじめ幅広い用途で人気の高い言語です。

同様にPythonのインストールも承諾できます。PythonはRと競合する位置づけでありながら、多彩で有用な可能性を提供してくれます。

インストールの完了と確認
すべての設定が済んだら、構成内容を確認します。問題がなければInstallをクリックしてインストールを開始しましょう。

所要時間は環境によりますが、およそ15〜45分程度でデータベースのインストールが完了します。

SSMS(SQL Server Management Studio)のインストール
データベースと各コンポーネントのインストール後、再びインストーラーを開きます。Installationセクションにある「Install SQL Server Management Tools」を選択してください。

クリックするとSSMSの公式サイトへ移動するので、そこから製品をダウンロードします。

ダウンロードが完了したら、SSMSをインストールします。

動作確認をしてみよう
Windowsのスタートメニューから「Microsoft SQL Server Management Studio」を起動します。

サーバー名を指定してConnectをクリックすると接続できます。

任意のデータベースを選択し、右クリックしてNew Query(新しいクエリ)を選択します。

動作確認として、システムストアドプロシージャsp_whoを実行してみましょう。現在のセッション、接続ユーザー、プロセスの一覧が表示されれば正常に動作しています。

SSDT(SQL Server Data Tools)について
もうひとつ別途インストールが必要なツールがSQL Server Data Tools(SSDT)です。SSAS、SSIS、SSRSといったBIツールを扱いたい場合に役立ちます。

リンク先のSSDT公式サイトから最新版をダウンロードできます。

まとめ
SQL Server 2017には、Pythonサポート、SSIS Scale Out Master、PolyBase拡張など、数多くの新機能が搭載されています。本記事では、SQL Server 2017のインストール手順を通じて、いくつかの新しいオプションや機能をご紹介しました。ぜひ本記事を参考に、SQL Server 2017の導入を進めてみてください。
それでは、良いSQL Serverライフを!
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