Excelは計算だけじゃない!数式と条件付き書式で作るミニゲーム&パズルの作り方

Excelといえば、計算やデータ分析のためのビジネスツールというイメージが強いですが、実は遊び心を発揮する場としても活用できることをご存じでしょうか?少しの創意工夫を加えるだけで、ワークシートを小さなゲームやパズルが詰まった遊び場に変身させることができます。数式と条件付き書式を組み合わせれば、スプレッドシートがエンターテインメント性あふれる体験へと生まれ変わるのです。
このチュートリアルでは、Excelを使ってミニゲームやパズルを作るテクニックをご紹介します。普段とはまったく違うExcelの楽しみ方を、ぜひ体験してみてください。
ゲーム1:色ヒント付き数当てゲーム
まずご紹介するのは、数当てゲームです。Excelがランダムな数字を選び、プレイヤーがそれを予測します。Excelはこっそり数字を決めておき、プレイヤーが入力した答えに対して「大きすぎる」「小さすぎる」とヒントを出します。さらに条件付き書式を使えば、色による視覚的な手がかりも加えられます。
ゲーム画面のレイアウトを作成
まず、以下の要素を配置するためのシンプルなレイアウトを作りましょう。
- 正解の数字(後で非表示にします)
- 予想を入力するセル
- フィードバックメッセージを表示するセル
正解の数字を生成する
- セルC2を選択し、次の数式を入力します。
これがExcelが選ぶ「正解の数字」です。後ほど、このセルは非表示にしておきましょう。

入力欄とフィードバックシステムを作る
- セルC4に予想した数字を入力します。
- セルC6に以下の数式を入力します。
=IF(C4="", "数字を入力してください", IF(C4=C2, "正解!", IF(C4<C2, "もっと大きい", "もっと小さい")))
これで、プレイヤーがC4に数字を入力すると、ヒント用セルが状況を教えてくれるようになります。

データの入力規則で有効な数字のみ許可
- セルC4を選択します。
- 「データ」タブ →「データの入力規則」を選択します。
- 「整数」を許可し、範囲を1〜100に設定します。
- 入力メッセージとして「1から100までの数字を当ててください」と追加しましょう。

条件付き書式で視覚的なヒントを追加
正解との近さに応じて、入力セルに色をつけることもできます。セルC4に対して、以下のルールを順番に作成してください(優先度の高いルールが上に来るように設定します)。
- セルC4を選択します。
- 「ホーム」タブ →「条件付き書式」→「新しいルール」を選択します。
- 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択します。
正解時(緑):
=AND(C4<>"",C4=$C$2)
「おしい!」(黄色)——例:±3以内の場合:
=AND(C4<>"",ABS(C4-$C$2)<=3,C4<>$C$2)
「まだ遠い」(赤):
=AND(C4<>"",ABS(C4-$C$2)>3)
これで、何度でも遊べるシンプルな数当てゲームの完成です。F9キーで再計算すると、新しい正解の数字が生成されます。

ゲーム2:Excelとじゃんけん対決
Excel上でじゃんけんゲームを作ることもできます。ドロップダウンリストから「グー・チョキ・パー」を選ぶと、Excelがランダムに自分の手を選択し、勝敗を判定してくれる、ちょっと面白いミニゲームです。
選択肢を準備する
- 選択肢のリストを作成します。
- グー(Rock)
- パー(Paper)
- チョキ(Scissors)
- 自分の出す手
- Excelの出す手
ドロップダウンリストを追加
- セルD2を選択します。
- 「データ」タブ →「データの入力規則」を選択します。
- 「リスト」を許可し、「元の値」に選択肢の範囲を指定します。
Excelの手をランダムに決める
- セルD4に以下の数式を入力します。
=INDEX($A$2:$A$4,RANDBETWEEN(1,3))
シートが再計算されるたびに、Excelは3つの選択肢からランダムに1つを選びます。

勝敗を判定する
- セルC6に「結果」と入力します。
- セルD6に以下の数式を入力します。
=IF(D2="","グー・チョキ・パーを選んでください",IF(LOWER(D2)=LOWER(D4),"あいこ!",IF(OR(AND(LOWER(D2)="rock",LOWER(D4)="scissors"),AND(LOWER(D2)="paper",LOWER(D4)="rock"),AND(LOWER(D2)="scissors",LOWER(D4)="paper")),"あなたの勝ち!","Excelの勝ち!")))
セルD2のドロップダウンから手を選び、Shift+F9キーを押せば、Excelが新しい手を選んで勝敗が表示されます。

おまけ:スコアボードを付ける
スコアを記録したい場合は、手動カウンターを2つ追加しましょう。
- G2:「あなたのスコア」、H2:初期値として0を入力。
- G3:「Excelのスコア」、H3:初期値として0を入力。
誰かが勝つたびに、これらの数値を手動で増やしていきます。より高度なバージョンを作りたい場合はマクロで自動化することも可能ですが、純粋な数式だけで作るなら、手動採点の方がシンプルでおすすめです。

ゲーム3:条件付き書式で作る三目並べ(○×ゲーム)
3×3のグリッドを使えば、小さな三目並べの盤面も作れます。2人でXとOを交互に入力して遊び、Excelが自動的に勝者を判定します。
盤面を作る
- セルB2:D4に3×3のグリッドを作成します。
- 罫線を引いて、盤面らしく見えるようにしましょう。
- セルを大きくします。
- 行の高さと列の幅を変更して、正方形に近づけます。
- 目安として、次の比率が使えます。
行の高さ ≈ 列の幅 × 5
- この比率なら、多くのディスプレイで見た目がほぼ正方形になります。

ドロップダウンでXかOのみ入力可能にする
- 範囲B2:D4を選択します。
- 「データ」タブ →「データの入力規則」を選択します。
- 「入力値の種類」で「リスト」を選択します。
- 「元の値」に X,O を指定します。
これで、プレイヤーはXかO(または空欄)しか入力できなくなります。

勝者を判定する
各ラインをチェックするための作業セルを追加します。邪魔にならないよう、F列とG列など端に置いておきましょう。
- F2に「Xの勝ち?」と入力し、G2に以下の数式を入力します。
=OR(AND(B2="X",C2="X",D2="X"),AND(B3="X",C3="X",D3="X"),AND(B4="X",C4="X",D4="X"),AND(B2="X",B3="X",B4="X"),AND(C2="X",C3="X",C4="X"),AND(D2="X",D3="X",D4="X"),AND(B2="X",C3="X",D4="X"),AND(D2="X",C3="X",B4="X"))

- F3に「Oの勝ち?」と入力し、G3には同じ数式の「X」をすべて「O」に置き換えたものを入力します。
=OR(AND(B2="O",C2="O",D2="O"),AND(B3="O",C3="O",D3="O"),AND(B4="O",C4="O",D4="O"),AND(B2="O",B3="O",B4="O"),AND(C2="O",C3="O",C4="O"),AND(D2="O",D3="O",D4="O"),AND(B2="O",C3="O",D4="O"),AND(D2="O",C3="O",B4="O"))
次に、プレイヤーにわかりやすいメッセージで状況を表示しましょう。
- F4に「ゲーム状況」と入力します。
- G4に以下の数式を入力します。
=IF(G2,"Xの勝ち!",IF(G3,"Oの勝ち!",IF(COUNTBLANK(B2:D4)=0,"引き分け","ゲーム進行中...")))

勝敗がついたら盤面をハイライトする
条件付き書式を使えば、勝者が決まったときに盤面の色を変えることができます。
- B2:D4を選択します。
- 「ホーム」タブ →「条件付き書式」→「新しいルール」を選択します。
- 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択します。
- Xの勝ちの場合:薄い青色の塗りつぶしを設定します。
- Oの勝ちの場合:薄い緑色の塗りつぶしを別ルールとして設定します。

XまたはOが3つ並ぶと、盤面全体の色が変わり、ステータスセルが勝者を告げてくれます。

ゲームをリセットしたいときは、盤面のセルB2:D4をクリアするだけです。
ゲーム4:ランダム単語並べ替えパズル
最後に、シンプルな単語パズルを作りましょう。Excelがリストから単語を1つ選び、その文字をシャッフルします。プレイヤーは元の単語を当てるのが目的です。
レイアウト
- 単語リストを作成します。好きな単語を自由に登録できます。
- 秘密の単語
- シャッフルされた文字
- 回答入力欄
- フィードバック表示欄
秘密の単語をランダムに選ぶ
- セルD2に以下の数式を入力します。
=INDEX($A$2:$A$11,RANDBETWEEN(1,COUNTA($A$2:$A$11)))
このセルはリストから単語を1つ返します。この単語をシャッフルすることになります。必要であれば、後でこの列を非表示にしておきましょう。

単語を1文字ずつに分解する(動的配列を活用)
- セルC5に以下の数式を入力します。
=TRANSPOSE(MID(D2, SEQUENCE(LEN(D2)), 1))
これで、各文字が横方向のセルに1文字ずつ展開(スピル)されます。

SORTBY関数とRANDARRAY関数を使って、文字をランダムに並べ替えます。
- セルC7に以下の数式を入力します。
=SORTBY(C5#,RANDARRAY(,COLUMNS(C5#)))
7行目にシャッフルされた文字が出力され、これで秘密の単語のもつれたバージョンが完成しました。

プレイヤーに見せるために1つのセルにまとめたい場合は、次のようにします。
- B9に「パズル」とラベルを付け、C9にシャッフルされた単語を表示します。
- C9に以下の数式を入力します。
回答入力とフィードバック
- セルC13に以下の数式を入力します。
=IF(C11="","回答を入力してください",IF(LOWER(C11)=LOWER(D2),"正解!","もう一度挑戦!"))

セルC11にも条件付き書式を追加できます。
- 正解時に緑色の塗りつぶし:
=AND(C11<>"",LOWER(C11)=LOWER($D$2))
F9キーを押すたびに、Excelが新しい秘密の単語を選び、再度シャッフルしてくれます。

ゲームを本格的に見せるためのコツ
これらのミニゲームやパズルをより洗練されたものにしたいなら、次のポイントが役立ちます。
- 作業用セルは白文字にするか、画面の端に追いやって非表示にしましょう。
- シートを保護し、変更されたくない数式セルをロックして、入力セルだけロック解除しておきます。
- 「ここに入力してね」「F9キーで新ゲーム開始」などの案内文を添えた、シンプルな図形やテキストボックスをボタン代わりに挿入しましょう。
- 罫線、見出しセル、配色を活用して、各ゲームにシンプルながら清潔感のあるビジュアルスタイルを与えましょう。
まとめ
今回ご紹介したExcelのテクニックを使えば、誰でもミニゲームやパズルを作ることができます。Excelでのゲーム制作は、単なる娯楽にとどまりません。問題解決能力を鍛え、数式をマスターし、軽量なユーザーインターフェース設計を学ぶ絶好の機会でもあります。まずは数当てゲームのような簡単なプロジェクトから始めて、徐々により複雑な作品へとステップアップしていきましょう。Excelを開いて、実験を始めてみてください。唯一の制限は、あなたの創造力だけです。どのゲームも、ダッシュボードやレポート作成とは「まったく違う用途」で、Excelの中核スキルを活かしたものばかりです。
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