Excelで大量データを効率よく分析する6つの実践テクニック
本記事では、Excelを使って大量のデータセットを効率的に分析する方法を詳しく解説します。ビジネス活動の強みや課題を把握することは非常に重要です。組織の売上や販売記録を管理するのは動的なプロセスであり、一定期間内に販売・購入・取引が頻繁に行われるため、過去3〜4か月分の売上や利益を確認しようとすると、膨大な量のデータに直面することになります。
幸いなことに、Excelにはこうした課題を解決できる便利な機能が数多く備わっています。大量データを部分的に分割して分析すれば、計算作業もぐっと楽になります。
Excelで大量データを分析する6つの方法
ここからは、以下のサンプルデータセットを使って解説を進めます。このデータセット自体は小規模ですが、大量データの分析方法を実例とともに確認できます。
このデータセットには、電子機器の売上情報が含まれています。

分析を行う際は、データセットをテーブルとして扱うと便利です。データをテーブルに変換する手順は以下の通りです。
- まずデータセットを選択し、「挿入」→「テーブル」の順にクリックします。
- ダイアログボックスが表示されたら、「先頭行をテーブルの見出しとして使用する」にチェックが入っていることを確認します。
- 最後に「OK」をクリックします。

この操作により、データセットがExcelのテーブルに変換されます。

1. ピボットテーブルを使った大量データの分析
Excelで大量データを分析する方法のひとつが、「挿入」タブにあるピボットテーブルの活用です。ピボットテーブルを使えば、必要な行や列ごとに商品の売上情報を確認でき、月別・年別の集計表示にも対応しています。具体的な手順を見ていきましょう。
手順:
- まずデータテーブルを選択し、「挿入」→「ピボットテーブル」をクリックします。
- ダイアログボックスが表示されたら、「新しいワークシート」または「既存のワークシート」を選択します。用途に合わせて選んでください。

- 「新しいワークシート」を選択した場合、新しいワークシート上にピボットテーブルの機能が表示されます。必要な範囲(日付、価格、担当者名など)を「ピボットテーブルのフィールド」へドラッグすると、売上情報の集計結果が表示されます。
- ここでは「日付」範囲を「行」フィールドにドラッグしました。「月」範囲が自動的に生成され、月単位で売上情報を確認できるようになります。
- 続いて「担当者名」を「列」フィールドに追加します。どの社員が最も多く販売したのかを把握してインセンティブを支給したい場合などに役立ちます。
- さらに「値」フィールドに「価格」をドラッグすると、その期間の売上金額を確認できます。

ピボットテーブルを確認すると、選択したフィールドに基づいて、月別の売上合計、各担当者ごとの売上、期間末の総合計が表示されているはずです。

- 日付単位で情報を確認したい場合は、「月名」の横にあるプラスアイコン(+)をクリックしてください。

このように、ピボットテーブルを使えば大量データを効率よく分析できます。日々の売上データを扱う業務では特に有用な機能です。
関連記事: ピボットテーブルを使ってExcelでデータを分析する方法(9つの具体例)
2. フィルターコマンドを使った大量データの分析
もうひとつの有効な手段がフィルター機能です。設定した条件に基づいて情報を絞り込むことができます。
手順:
- まずデータセットの範囲を選択し、「ホーム」→「並べ替えとフィルター」→「フィルター」の順にクリックします。

- 見出し行にフィルターアイコンが表示されます。
- フィルター機能を使用しながら消費税込みの売上合計を表示したい場合は、次の数式を使用します。
=SUBTOTAL(9,Table13[Net Price])

この数式ではSUBTOTAL関数を使い、フィルター後のデータの純売上合計を返しています。
- あとは自由にフィルターを適用しましょう。まず月別の絞り込み方法をご紹介します。「日付」見出しの横にあるドロップダウンアイコンをクリックし、対象となる1つまたは複数の月にチェックを入れます。

- 「5月」にチェックを入れて「OK」をクリックすると、その月の売上情報と消費税込みの売上合計が表示されます。

- 同様に、特定の担当者の売上を知りたい場合は、その名前にチェックを入れて「OK」をクリックします。
- すると、該当する売上情報がワークシートに表示されます。

このようにフィルターコマンドを活用すれば、大量データでも必要な情報だけを素早く抽出して分析できます。
3. Power Queryエディターを使った分析
Power Queryエディターも、大量データの分析に非常に便利なツールです。以下の手順で確認してみましょう。
手順:
- まずデータテーブルを選択し、「データ」→「テーブル/範囲から」をクリックします。

- Power Queryエディター上にデータセットが表示されます。ここにもフィルター機能があり、売上や従業員に関する特定のレコードを抽出・集計できます。

- 必須ではありませんが、「日付」列の時刻部分を削除しておくと便利です。手順は簡単なのでスクリーンショットは省略します。Power Queryエディターの「変換」タブを開き、「日付」→「日付のみ」を選択するだけです。
- 次にドロップダウンアイコンを使って日付をフィルターします。個別の日付でも月単位でも絞り込めます。

- ここでは月別に絞り込み、「5月」を選択しました。カスタムフィルターを使えば特定の期間での絞り込みも可能です。複数の月や期間の売上記録を確認したい場合に活用してください。

- これで5月の売上が表示されます。

- このデータをExcelシートに読み込みたい場合は、「閉じて読み込む」をクリックします。

すると、新しいシートに5月の売上記録がテーブル形式で読み込まれます。

同じ手順で、担当者名や価格帯によるフィルターも可能です。このようにPower Queryエディターを活用すれば、大量データを柔軟に分析できます。
関連記事
- Excelでリッカート尺度データを分析する方法(クイックステップ付き)
- アンケートの質的データをExcelで分析する方法
- 時間軸データをExcelで分析する方法(簡単な手順)
4. ピボットグラフを使った大量データの可視化・分析
データをグラフで視覚的に分析したい場合は、ピボットグラフが効果的です。以下の手順をご覧ください。
手順:
- まず「セクション1」の手順に従ってピボットテーブルを作成します。
- ピボットテーブルのあるシートで、「ピボットテーブル分析」→「ピボットグラフ」をクリックします。
- このとき、ピボットテーブル内のセルが選択されていることを確認してください。

- さまざまなピボットグラフの種類が表示されるので、任意のものを選択して「OK」をクリックします。ここではシンプルな棒グラフを選びました。

- これでピボットグラフに月別の売上合計が表示されます。

- さらに日付単位で売上を確認したい場合は、「ピボットテーブルのフィールド」で「日付」範囲を「月」範囲の上にドラッグします。

- すると、グラフに日付別の売上が表示されます。

このようにピボットグラフを使えば大量データを視覚的に分析できます。年間の売上や大量の取引データを扱う場合には、より優れた可視化を実現するためにピボットグラフの活用がおすすめです。
5. Power Pivotを使った大量データの分析
Power Pivot機能を使えば、大量データに対してもピボットテーブル分析を実行できます。以下の手順に従ってください。
手順:
- まず現在のブックを閉じ、新しいブックを開いて「Power Pivot」→「管理」をクリックします。

- Power Pivotウィンドウで「ホーム」→「その他のソースから」を選択します。
- 「テーブル インポート ウィザード」が表示されたら、「Excel ファイル」→「次へ」を選択します。

- データセットが保存されているExcelブックを参照して選択します。
- 「次へ」をクリックします。

- 対象ブックの「power pivot」シートで作業するため、チェックを入れて「完了」をクリックします。
- 確認メッセージが表示されたら「閉じる」をクリックします。


- この操作により、選択したシートのデータセットがテーブルとしてPower Pivotに読み込まれます。

- 読み込んだデータには適切な見出しが付いていないため、列ヘッダーを右クリックし、コンテキストメニューから「列の名前変更」を選択してリネームします。

- ピボットテーブル分析を行うため、「ピボットテーブル」を選択します。

- ダイアログボックスが表示されます。既存のワークシートに配置したい場合はそれを選択して「OK」をクリックします。ここでは「新しいワークシート」を選択しました。

- 新しいシートにピボットテーブルのフィールドが表示されます。「Power Pivot」を選択すると、「日付」「価格」「VAT」など含まれるすべての範囲が表示されます。
- 以降の分析手順は「セクション1」のピボットテーブルの使い方をご参照ください。
- 月別の売上情報をグラフで可視化したい場合は、「セクション4」のピボットグラフの解説をご覧ください。

6. 「データの分析」機能の活用
最後にご紹介するのは、すべてのデータ分析をひとつのウィンドウで完結できる、「データ」タブの「データの分析」機能です。大幅な時間短縮につながります。
手順:
- まずテーブルを選択し、「データの分析」をクリックします。

- すると、Excelシートの右側に「データの分析」ウィンドウが表示されます。
下にスクロールすると、データ分析のためのオプションが並んでいます。その中にピボットテーブルによる分析の候補もあります。

次の画像は、商品の価格と純価格を比較する棒グラフの分析オプションです。

- 例として、「商品別の純価格」グラフを選択して分析を実行してみましょう。

この操作により、商品ごとの純価格の変動を示す棒グラフが表示されます。

さらに下にスクロールすると、他の分析オプションも多数見つかります。目的に合ったものを選んで分析を進めてください。
このように「データの分析」機能を使えば、大量データを簡単に分析できます。
関連記事: [解決済み] Excelで「データ分析」が表示されないときの対処法(2つの効果的な解決策)
練習用セクション
本記事で使用したデータセットを掲載しておきますので、ご自身でこれらの手法を練習してみてください。

まとめ
今回は、Excelで大量データセットを分析するための実用的な6つの方法を学びました。これらの手法を知らないと、手作業での分析になり、多くの時間を浪費してしまいます。本記事について、より良い方法のご提案やご質問、フィードバックがあれば、ぜひコメント欄でお聞かせください。今後の記事作成の参考にさせていただきます。その他のお問い合わせについては、ExcelDemyのウェブサイトをご覧ください。
関連記事
- Excelで質的データを分析する方法(簡単な手順付き)
- ExcelでqPCRデータを分析する方法(2つの簡単な方法)
- Excelのデータ分析機能を使ったケーススタディの実施方法
- Excelでテキストデータを分析する方法(5つの有効な方法)
-
Excelで人口統計データを分析する5つの必須テクニック【初心者向け完全ガイド】
都市や州などの大規模なデータ収集を行っていると、「人口統計データ(デモグラフィックデータ)」という言葉によく出会います。これは膨大なデータセットを視覚的に表現したものですが、情報量が多いため、いざ分析しようとすると手間取ることが少なくありません。そこで活躍するのがMicrosoft Excelです。本記事では、Excelで人口統計データを分析するための5つの必須メソッドを、具体的な手順とともにわかりやすく解説します。 練習用のサンプルファイルをダウンロードして、実際に操作しながら学んでみましょう。 人口統計データ(Demographic Data)とは? 人口統計データとは、統計的かつ社会経済
-
ExcelでCSVファイルを表示・開く方法|知っておくべき3つの効果的な手順
Excelのワークシートで作業していると、顧客情報や商品情報、学生の連絡先などのデータを扱う場面が多くあります。こうしたデータは適切に管理する必要があり、そのためにExcelファイルをCSVファイルとして保存し、情報を保持しておきたいケースは少なくありません。本記事では、ExcelでCSVファイルを表示・開く方法を、簡潔かつ正確な手順とともに詳しく解説します。この記事を読めば、日々のExcel操作スキルを一段階向上させることができるでしょう。 ExcelでCSVファイルを表示する3つの効果的な方法 ここでは、ExcelでCSVファイルを表示するための3つの方法を紹介します。サンプルとして、「