破損したPhotoshop(PSD)ファイルを診断・修復する完全ガイド|削除ファイルの復元方法も解説
PSD(Photoshop Document)ファイルは、レイヤー画像データ、マスク、エフェクト、埋め込みリソースなどを1つのファイルに保存できる形式です。しかし構造が複雑なため、アプリのクラッシュや保存中の中断、ディスクエラー、誤操作による削除などが原因で、開けなくなることがあります。
本ガイドでは、ファイルの状態を正確に見極め、状況に応じた最適な対処法を順を追って解説します。

ステップ1:PSDファイルに何が起きたのかを特定する
修復作業を始める前に、まずファイルが以下のどの状態にあるかを確認しましょう。
・破損:ファイルは存在するが開けない
・部分的な破損:開けるが一部のレイヤーが欠落している
・削除:フォルダからファイルが消えている
・上書き:別のファイルで置き換えられている
問題を誤って判断すると、効果のない対処法に時間を費やすことになりかねません。
修復を試す前に症状チェック表を確認しよう
| 表示される症状 | 意味 | 次のアクション |
|---|---|---|
| 「予期しないファイルの終端です」 | 保存が中断された | 修復手法を試す |
| 「このバージョンと互換性がありません」 | バージョンの不一致またはヘッダーの問題 | 別のPhotoshopバージョンで試す |
| ファイルは存在するが開けない | 構造の破損 | 修復手法を試す |
| 開けるがレイヤーが欠落している | 部分的な破損 | 代替ソフトや旧バージョンを使用 |
| フォルダからファイルが消えている | 削除 | 復元(リカバリー)手法を試す |
| ファイルサイズが0KB | 保存に失敗 | 多くの場合復元不可能 |
ファイルが正常なサイズのまま残っている場合は構造的な破損の可能性が高く、ファイル自体が消えている場合は、削除ファイルの復元セクションへ進んでください。
ステップ2:開けない破損PSDファイルを修復する方法
ここでは、PSDファイルがディスク上にまだ存在するものの、Photoshopで正しく開けない場合の対処法を紹介します。
方法1:ファイルを再度開いてみる
PSDファイルが開けない原因が、深刻な破損ではなくバージョンや解析の問題であるケースもあります。新しいバージョンまたは古いバージョンのPhotoshopで開いてみるか、Krita(無料のデスクトップエディター)やPhotopea(ブラウザで使えるエディター)などの代替ソフトを試してみてください。
ファイルが開けたら、すぐに新しいPSDコピーとして保存しましょう。これらの方法は、「このバージョンと互換性がありません」や「予期しないファイルの終端です」といったエラーが表示される場合に特に有効です。
方法2:以前の正常なバージョンを復元する
バックアップ機能が有効になっていた場合は、以前のコピーを復元するのが最も確実な解決策です。
macOSの場合:Time Machineを使う
macOSにはAPFSスナップショットという機能があり、PSDファイルが削除・消失していない時点の状態にMacを戻すことができます。
- 画面右上のTime Machineアイコンをクリックします。
- Time Machineに入るを選択します。
- 必要なファイルが残っているスナップショットの時点を探します。

- 対象のデータを選択し、復元をクリックします。
Windowsの場合:以前のバージョンから復元する
Windowsのバックアップ機能では、保存されていたファイルの以前のバージョンを復元できます。
- エクスプローラーで破損・損傷したPSDファイルを右クリックします。
- ドロップダウンメニューから以前のバージョンの復元を選択します。

- 破損前のPSDファイルのバージョンを見つけて選択し、復元をクリックします。
- 復元が完了したら、Photoshopで復元されたPSDファイルを開きます。
- フォントを含むテキストレイヤーが不足している旨の警告メッセージが表示されたら、OKをクリックします。
- すべてのレイヤーを確認し、失われた部分を新しいレイヤーで補完して、新しいPSDファイルとして保存します。
方法3:ドライブから使用可能なコピーを復旧する
ファイルがどうしても読み取れず、バックアップもない場合は、iBoysoft Data Recoveryのような専門的なデータ復元ソフトウェアが、ディスク上に残っている読み取り可能なコピーを検出できる可能性があります。ただし、復旧の成功率はディスクのその後の使用状況に大きく左右されます。
ステップ3:破損ではなく削除された場合の対処法
ファイルが完全に見当たらない場合は、破損ではなく削除が問題です。以下の手順で復元を試みましょう。
ゴミ箱(Mac)/ごみ箱(Windows)を確認する
ファイルがそこにあれば元に戻しましょう。その際、確認が完了するまで同じドライブに新しいデータを保存しないでください。新規ファイルが書き込まれると、復元可能な領域が上書きされる恐れがあります。
バックアップから復元する
以下のようなバックアップを利用している場合は、削除前の時点のバージョンを復元できます。
- MacのTime Machine
- Windowsのファイル履歴
- バージョン履歴付きのクラウドストレージ
バックアップからの復元は、削除されたPSDファイルを取り戻す最も安全な方法です。
データ復元ソフトを使用する
PSDファイルがフォルダから消えており、バックアップもない場合は、データ復元ソフトが現実的な最後の選択肢となります。
iBoysoft Data Recoveryのようなツールはストレージデバイスをスキャンし、未使用のディスク領域に残っている削除済みPSDファイルを検出できます。多くの場合、ユーザーはクリーンアップ中にファイルを削除したり、フォルダ整理の際に誤って削除したりしたことに後から気づきます。元のストレージブロックが再利用されていなければ、ソフトウェアがファイルを検出して復元できる可能性があります。
注意:ファイルがすでに新しいデータで上書きされている場合、SSDのTRIMによってストレージブロックが消去されている場合、またはディスクが再フォーマットされて大幅に再利用されている場合は、元のデータはドライブ上に存在しない可能性があります。こうしたケースでは、専門的な復元ツールでもファイルを取り戻せません。
PSDファイルが破損する主な原因
PSDファイルの破損は、主にファイル書き込みの中断やストレージの問題によって発生します。よくある原因は以下の通りです。
- 保存中の突然の電源喪失
- ファイル書き込み中のPhotoshopのクラッシュ
- 外付けドライブの切断
- クラウド同期の競合
- ディスクエラーや不良セクタ
- 大きなファイル保存時のシステムメモリ不足
PSDファイルはレイヤーデータを順番に格納するため、保存プロセスが中断されるとファイルが不完全なまま残ってしまうのです。
PSDファイルの破損を防ぐための対策
破損を完全になくすことはできませんが、リスクを大幅に減らすことは可能です。
自動保存を有効にする:一時的な復元用コピーが作成され、データ損失を最小限に抑えられます。
増分バージョンで保存する:複数のバージョンを保持することで、正常なファイルの上書きを防げます。
外部ドライブから直接編集しない:接続切断によるエラーのリスクを減らせます。
十分な空きディスク容量を確保する:大きなPSDでも安定した書き込みが行えます。
定期的にバックアップを取る:Time Machine、ファイル履歴、クラウドストレージにより、いざというときの復元先を確保できます。
Adobe Illustratorファイルの復元について詳しく知りたい方は、「MacおよびWindowsでAdobe Illustratorファイルを復元する方法」の記事もあわせてご覧ください。
よくある質問
破損したPSDファイルは復元できますか?
はい。破損したPSDファイルは復元できる場合があります。専門的なデータ復元ソフトウェアを使用するか、バックアップから復元を行ってください。
無料で破損したPSDファイルを復元する方法は?
デバイスの一時フォルダ(tempフォルダ)を開いて破損したPSDファイルを探すか、システムを以前の状態に戻すことで、無料でPSDファイルを復元できる場合があります。
-
Macを外付けハードドライブにバックアップする方法を徹底解説【Time Machine対応】
大切なファイルをしっかり守りたいとお考えなら、データのバックアップを一度は検討したことがあるはずです。Appleをはじめ多くの企業がクラウドストレージの利用を推進していますが、クラウドに頼らず、従来の方法でMacのデータを外付けハードドライブにバックアップしたい方も多いのではないでしょうか。 データは複数の場所にバックアップしておくのが理想です。例えば、クラウドサービスと外付けドライブ(SSDやHDD)を併用すれば、オンラインと物理的な2つの異なる保管場所が確保できます。外付けハードドライブなら、年間費用のかかるクラウドサービスに契約しなくても、データの保存・共有・保護が自由に行えるのが大きな
-
空き容量があるのにMacで「ディスクが満杯です」と表示される原因と7つの解決策
Macのアップデートを実行したら「ソフトウェアアップデートのためのディスク領域が不足しています(macOS Big Sur)」というエラーが表示されたり、「ディスクがほぼ満杯です」「コピーするためのディスク領域が不足しています」といった警告が出て、Macのハードドライブにファイルを保存できない——。ところが、「ストレージ管理」や「ディスクユーティリティ」でディスク容量を確認してみると、実際にはまだ十分な空き容量が残っている…。空き容量があるはずなのにMacが「ディスクが満杯です」と主張してくるのは、非常に不可解な現象です。しかし心配は無用です。この記事では、空き容量があるのにMacが「ディスク