Macが電源入らない・起動しないときの対処法12選【Intel/M1両対応】
Macの電源が入らない、あるいはMacBookが起動しない——その原因はさまざまですが、何より先に復旧させたいですよね。この記事では、電源接続の確認といった基本の対処から、パワーサイクルの実行、セーフモードやリカバリーモードでの起動、ファイルシステムのチェックまで、Macを再び使えるようにするための手順を順番に解説します。最後に、どうしても復旧できない場合の次の一手もご紹介します。
本記事の対処法は、近年のmacOSのほとんどのバージョンに適用できます。OSのバージョンによってメニューの見た目は多少異なりますが、機能は基本的に同じです。また、Appleシリコン(M1)搭載Macではセーフモードやリカバリーへの入り方など一部の操作が異なるため、それぞれ詳しく説明します。
1. Macの電源が「入る」のか確認する
まず、「起動しない」のか「電源自体が入らない」のかを見極めましょう。似ているようで、実は大きく違います。
Macの電源ボタンを押してみてください。起動音(チャイム)が聞こえず、ファンやドライブの駆動音もなく、画面に何も表示されないのであれば、Macはそもそも電源が入っていません。「起動プロセスで失敗している」段階にすら達していない状態です。
電源が入らない場合は、以下の対処を試してみてください。
i) 電源接続を確認する
定番中の定番ですが、まずは電源が入っているか、Macが正しくコンセントに接続されているかを確認しましょう。ノートブック型の場合は、バッテリー切れではないかもチェックが必要です。充電が必要な場合は、すぐに「壊れた」と判断せず、しばらく充電してから様子を見てください。
ii) 別の電源ケーブル・アダプタを試す
原因が電源ケーブル側にある可能性もあります。同じ機種用のケーブルを持つ友人がいれば、借りて試してみましょう。それで直るなら、ケーブルの交換だけで済むかもしれません。ただし、Apple純正以外のサードパーティ製ケーブルは故障しやすく、安全面でもリスクがあるため避けるのが賢明です。
最近停電があった場合は注意が必要です。雷サージなどでアダプタが破損している可能性があり、新しいものへの交換が必要な場合があります。
また、単にケーブルが緩んでいるだけというケースも。抜き差しして改善するか確認してみてください。
iii) 周辺機器をすべて外す
プリンターやUSBハブなど、Macに接続されている周辺機器をすべて取り外しましょう。特定の周辺機器が起動シーケンスを妨げている可能性があります。
最近RAMやHDD/SSDを増設・交換した場合は、正しく取り付けられているか、互換性があるかを確認してください。可能なら元のメモリやドライブに戻して、改善するか試すのも有効です。
これらで改善しない場合は、次のステップへ進みましょう。
2. パワーサイクルを実行する
まったく反応がない場合は、強制的に電源を断ってから再起動させる「パワーサイクル」を試します。
- MacBookの場合:電源キーを10秒間長押しします。強制切断時に小さな音がすることがあります。10秒待ってから再起動すれば、問題が解決するかもしれません。
- デスクトップMacの場合:電源プラグを抜き、少なくとも10秒間待ってから、再度接続して起動を試みます。
- M1搭載Macの場合:電源ボタンを押し続けると、正常であれば「起動オプションを読み込み中」という画面が表示されます。ここから起動オプションを選択して復旧できる可能性があります。後述のConfiguratorを使った復旧方法も参照してください。
パワーサイクルでも改善しない、あるいはM1 Macで起動オプションが表示されない場合は、より複雑な手順に進む前に、次の簡単な対処を試してみましょう。
3. ディスプレイを確認する
Mac ProやMac miniなど、外付けディスプレイを使用しているデスクトップMacの場合に該当するステップです。別売りのディスプレイを使っていない方はスキップして構いません。
原因はMac本体ではなく、接続しているディスプレイにある可能性があります。起動時にMacから音がするか、耳を澄ませて確認してみてください。
実際には電源が入っているのに、ディスプレイにアクセスできず起動していないように見えるケースもあります。その場合は、起動トラブルではなくディスプレイハードウェア側の問題であることが多いです。
モニター側の問題と思われる場合は、Appleサポートのドキュメントを参考にトラブルシューティングを行いましょう。主な対処は以下のとおりです。
- Mac本体(および外付けディスプレイ使用時はディスプレイ側)への電源供給を確認する。
- すべてのケーブルが確実に接続されているか確認する。
- ディスプレイの延長ケーブルや切り替え器など、Macとモニター間の中継機器をすべて取り外す。
- 映像ケーブルを抜き差しする。
- 複数のモニターをデイジーチェーン接続している場合は、すべて外して1台だけでテストする。
- 可能であれば別のディスプレイや別のアダプタ(VGAの代わりにDVIを使うなど)を試す。
- Appleの推奨として、システム環境設定で画面解像度を調整するのも有効です。
4. セーフブートで起動する
セーフブートでは、起動時に実行されるチェックや機能が絞られ、一定の診断が行われます。珍しいケースですが、通常起動では失敗するMacがセーフブートなら立ち上がり、その後普通に再起動すると問題が解消することもあります。
- Intel搭載Macの場合:Shiftキーを押しながらMacを起動します。セーフブートは起動に時間がかかることがあります。
- M1搭載Macの場合:電源ボタンを押し続け、起動オプションが画面に表示されたら指を離します。起動ディスクを選択し、Shiftキーを押したまま「セーフモードで続ける」をクリックします。その後Shiftキーを離すと、画面右上のメニューに「セーフモード」と表示されます。
- 詳細情報を得たい場合(Intel Mac):Shift + Command + V を押しながら起動すると、セーフブートに加えて「Verboseモード(詳細モード)」になり、起動中の処理内容がテキストで表示されます。
セーフモード中は画面の見た目が少し変わり、透明効果の代わりにベタ塗りの色で表示されます。一番わかりやすいのは画面下部のDockです。
セーフモードに入れたら、各種チェックの実行や修正作業が可能になります。たとえばmacOSの再インストールやソフトウェアのアップデートなどが行えます。
セーフモードで起動できる場合、原因はログイン項目に関係している可能性が高いです。「システム環境設定 > ユーザとグループ」を開き、ログイン項目をすべて削除(「−」ボタンをクリック)してみましょう。どの項目が原因かは、試行錯誤で特定できます。
5. PRAM / NVRAMをリセットする
PowerPCの時代は「PRAMのリセット」、Intel Macでは「NVRAMのリセット」と呼ばれてきました。M1搭載MacではNVRAMは自動的にリセットされますが、手動でのリセット方法も存在します。
NVRAMとは、音量設定や画面解像度など、Macの電源を切っても保持されるデータを保存する特別なメモリ領域のことです。リセットしても害はありませんが、正直なところ効果があることは稀です。それでも試す価値はあります。
Intel搭載MacでのPRAM/NVRAMリセット手順は以下のとおりです。キーが多く、指が足りない場合は誰かに手伝ってもらいましょう。
- Command + Option(Alt)+ P + R の4つのキーをすべて押し下げたまま、Macの電源を入れます。
- Macが再起動する音がするまで、キーを押し続けます。
- 2回目の再起動音が聞こえたら、キーを離します。
M1搭載Macの場合、NVRAMのリセットにはターミナルを使用します。手順は関連記事を参照してください。
この操作の後、Macが正常に再起動する場合もあれば、起動時にプログレスバーが表示されることもあります。バーが最後まで進んで起動できれば成功です。ただし、半分ほどでMacがシャットダウンしてしまうケースも報告されています。
6. SMCをリセットする
状況によっては、SMC(System Management Controller:システム管理コントローラ)のリセットが必要になることがあります。これは、データ復旧とOS再インストールに移行する前の、現行macOSを修復する最後の手段と言えます。
なお、M1搭載MacにはSMCが存在しないためリセットはできませんが、SMCが管理していた設定は変更可能です。詳細は関連記事をご覧ください。
Intel搭載のMacノートブックの場合:
- MacBookをシャットダウンします。
- 電源ケーブルを抜き、再度接続します。
- Shift + Ctrl + Option(Alt)キーと電源ボタンを同時に押します。
- すべてのキーと電源ボタンを同時に離します。
- 電源ケーブルのインジケーターライトが一瞬点滅することがあります。
- MacBookを再起動します。
Intel搭載のデスクトップMacの場合:
- Macをシャットダウンします。
- 電源プラグを抜きます。
- 電源ボタンを5秒間押し続けます。
- 電源プラグを再度接続します。
- Macの電源を入れます。
7. リカバリーモードでディスクユーティリティを実行する
Macは起動するのにOSが読み込まれない場合、ドライブが破損している可能性があります。幸い、リカバリーモードで修復できることがあります。
リカバリーモードへの入り方も、M1搭載Macでは少し異なります。
最初のステップはディスクユーティリティの実行です。Mountain Lion以降が動作する大多数のMacでは、リカバリーモードから起動することでディスクユーティリティを実行できます。
- Intel搭載Macの場合:Macの電源が切れていることを確認します。グレー・青・白の画面で固まって反応しない場合は、電源ボタンを数秒間押し続けて強制終了させてください。Command + R キーを押しながらMacを起動し、Appleロゴが表示されるまでCmd + Rを押し続けます。
- M1搭載Macの場合:電源ボタンを押し続けるとMacが起動し、やがて起動オプションが表示されます。「オプション > 続ける」を選択してリカバリーに入ります。
リカバリーモードに入ったら、以下の手順を実行します。
- Macがリカバリーモードで起動したらユーティリティにアクセスできます。「ディスクユーティリティ」をクリックします。
- Macのドライブ(おそらく「Macintosh HD」)を見つけて選択します。
- 「First Aid(応急処置)」をクリックします。
- ディスクにエラーがある場合、ディスクユーティリティが検出し、自動的に修復するか、修復するかどうか尋ねてきます。その場合は「ディスクを修復」をクリックします。
リカバリーモードでは、以下のことも可能です。
- Time Machineバックアップからの復元
- オンラインヘルプの利用
- macOSのインストールまたは再インストール(後述)
8. M1 Macを復旧(リバイブ)する
M1搭載Macでここまでの方法がすべて失敗した場合、次に試すべきは、もう1台のMacでAppleの「Configurator 2」を使ってファームウェアを更新する方法です。
必要なものは、2台目のMac、USB-C接続ケーブル、インターネット接続、そしてConfigurator 2ソフトウェアです。
- USB-C to USB-C または USB-C to USB-A ケーブルで2台のMacを接続します。
- 正常に動作している方のMacでConfigurator 2を開きます。
- 復旧したいMac側で、右Shift + 左Option(Alt)+ 左Control のキーを押しながら電源ボタンも押し続けます。同時に複数のキーと電源ボタンを押す必要があるため、誰かに手伝ってもらうのがおすすめです。
- 約10秒後にキーを離しますが、電源ボタンは押し続けます。うまくいけば、この時点でM1 Macが2台目のMacのConfiguratorアプリに表示されます(M1 Mac側の画面にはまだ何も表示されません)。
M1搭載Mac miniの場合は手順が少し異なります。
- 電源プラグを抜いて、約10秒間待ちます。
- 電源ボタンを押し続けます。
- 電源ボタンを押し続けたまま、電源プラグを再度接続します。
- 電源ボタンを離します。
ConfiguratorソフトウェアでM1 Macを復旧する手順は以下のとおりです。
- Configurator上に表示された復旧対象のM1 Macを選択します。
- 「アクション > 詳細」をクリックします。
- 「デバイスを復活」を選択します。
- これによりM1 Macのファームウェアが復旧されます。
9. ファイルシステムをチェックする
このステップは、他人のMacであれば意外と楽しめるかもしれません。いかにも「ガジェット好き」らしい作業だからです。ただし、残念ながらM1搭載Macでは利用できません。
- Macをシャットダウンし、Cmd + S を押しながら起動してシングルユーザーモードに入ります。白い文字が並ぶ黒い画面が表示されたらキーを離して構いません。
- テキストの流れが止まり、コマンドラインプロンプトが表示されるまで待ちます。そこで fsck -fy と入力してReturnキーを押します。あとは待ちます。数分かかることもあります。
- 5つのチェックが順番に完了すると、最終的に「The volume [Macの名前] appears to be OK」(ボリュームは正常です)か「FILE SYSTEM WAS MODIFIED」(ファイルシステムが修正されました)のどちらかのメッセージが表示されます。
- 前者のメッセージが出たら、reboot と入力してReturnキーを押します。
- 後者のメッセージが出た場合は、fsck -fy をもう一度実行する必要があります。コマンドを再入力するか、上矢印キーを1回押してReturnキーを押しましょう。
これでも改善せず、Macが起動しないままの場合は、次のステップへ進みます。
10. ターゲットディスクモードでファイルを救出する
このステップは、macOSを再インストールする前に実行すべきもので、バックアップ状況によって要否が変わります。日頃から定期バックアップを取っていたり、大切な書類・音楽・写真をクラウドに同期していたりしますよね?
Time Machineなどのバックアップに自信があるなら、次のステップ11へ進んでください。しかし「バックアップしておけばよかった…」と思うなら、今こそ救出できるデータを取り出すタイミングです。
この作業には2台目のMacが必要です。持っていない場合は友人に頼みましょう。ターゲットディスクモードの使い方は以下のとおりです。
- AppleのThunderboltケーブルで2台のMacを接続します。古いMacならFireWireケーブルでも同じ手順が使えます。
- 復旧したいMacの電源を切ります。
- T キーを押しながらMacを起動します。
- 起動音が鳴った後もTキーを押し続け、画面にThunderboltアイコンが表示されるまで待ちます。
これでMacがターゲットディスクモードになります。このモードでは、Macが外付けドライブのように振る舞います。正常な方のMacのFinderに、故障したMacのハードドライブが表示されるはずです。
必要なファイルを取り出せるだけでなく、ハードドライブ全体を別の外付けドライブにクローンすることも可能です。
11. macOSを再インストールする
かなり思い切った方法ですが、他のすべてを試してもダメだった場合、OSの再インストールによって起動を妨げている問題が解消されることがあります。
前のステップで登場したmacOSリカバリーを覚えていますか? 実はこれを使ってmacOSを再インストールすることもできます。
- 前述の方法でリカバリーモードに起動します(Intel MacならCommand + R を押しながら起動、M1 Macなら電源ボタンを押し続けます)。
- リカバリー画面で最新OSのインストールを選択し、画面の指示に従います。
Macを初期化してmacOSを再インストールする詳細については、工場出荷状態に戻す方法を解説した記事も参考にしてください。
12. Apple StoreのGenius Barに相談する
ここまで試してもMacが動かない場合は、Apple StoreのGenius Barに持ち込んで、修理や無償保証での対応が可能か相談しましょう。事前にデータを取り出せていれば、新しいMacで作業を続けられるはずです。
Macは何年くらい使えるものなのか気になる方は、Macの寿命に関する記事もぜひチェックしてみてください。
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