インターネット上の海賊版利用が再び拡大中――その背景にある理由とは

デジタル海賊版(違法コピー)は昔から存在する問題です。人々がフロッピーディスクを無断でコピーしていた時代から、企業は海賊行為への対策に取り組んできました。しかし長年の努力にもかかわらず、違法ダウンロードや複製の問題を完全に「解決」することは不可能であることが証明されています。そのため、最も現実的な戦略は、海賊版ユーザーを根絶することではなく、その数をいかに減らすかに焦点を当てることです。
対策の効果を測る指標として、ネットワーク分析企業のSandvineは、アメリカにおけるBitTorrentトラフィックの割合を調査しています。BitTorrent自体は合法的な用途にも使えるため、厳密な海賊版検出手法ではありません。しかし、大多数のBitTorrentユーザーが違法目的で利用していると仮定すれば、海賊版利用の推移をある程度把握することができます。最近Sandvineが公開したレポートには、BitTorrentの利用動向に関する興味深い傾向が示されていました。
数字が語るもの

Sandvineは、現在のBitTorrentブロードバンド利用状況に関するレポートを公開しました。それによると、2011年にはアメリカのアップロード(上り)トラフィックの52.01%をBitTorrentが占めていました。この数値は2015年には26.83%まで低下し、海賊版利用が減少に向かっている好ましい兆候と見られていました。ところが近年、コンテンツを求めて「デジタルの海賊旗」を掲げるユーザーが再び増え始め、数値は上昇傾向に転じています。ここで浮かぶ疑問は、なぜこれほど大きく減少した後に、人々は再びBitTorrentへ流れ戻っているのかということです。
やむを得ない海賊版利用
海賊版利用が再び増加している理由を理解するには、人々がなぜ違法ダウンロードに手を染めるのかを分析する必要があります。「無料で手に入るものにお金を払いたくない」という単純な動機以外にも、予測可能な要因がいくつか存在します。Valve(Steam)のCEOであるゲイブ・ニューウェル氏は「海賊版はサービスの問題だ」と述べています。つまり、海賊版の方が正規の有料サービスよりも快適で便利な体験を提供できる場合、海賊版の利用は自然と増えてしまうというのです。

Netflixは優れたサービス提供という点で大きな役割を果たしてきました。低額な月額料金さえ支払えば、膨大な映画、テレビ番組、ドキュメンタリーにアクセスでき、PC、タブレット、スマートフォン、テレビなど、好きなデバイスでいつでも視聴できたのです。Netflixは今なお人気のコンテンツ視聴手段ですが、それでも海賊版利用は再び忍び寄りつつあります。なぜNetflixが絶好調であるにもかかわらず、このような事態が起きているのでしょうか。
配信サービスの乱立が招く混乱
問題は、Netflixがあまりにも強力だったために、他の企業も独自のストリーミング事業への参入を目指すようになった点にあります。多くの企業が自社コンテンツをNetflixから引き上げ、自社運営の専用配信サイトへ移行させています。その結果、Netflixはもはやあらゆるニーズを満たす「ワンストップショップ」ではなくなり、コンテンツは複数のサービスに分散し、それぞれが月額料金を要求するようになりました。

さらに、各配信サイトは自社限定の独占作品を配信するようになっています。例えば「Netflixオリジナル」や「Amazonプライム独占配信」などがその代表例です。もちろん、これは自社サービスのプロモーションや契約者獲得のためですが、複数のサービスがそれぞれ見たい独占番組を抱えている場合、すべての月額料金を払い続けるのは大きな負担となります。
その結果、ユーザーは最新コンテンツを追いかけるだけでも悪夢のような状況に陥っています。かつては一箇所でまとめて視聴できた番組が、次々と誕生する配信サービスの間に分散されてしまいました。一方で、話題の新作は特定のサービスに独占的にロックされ、それぞれ個別の月額料金が必要です。見たいコンテンツをすべて網羅するために3つ以上のサービスに同時契約しているユーザーも珍しくなく、家計への負担は深刻になりつつあります。
こうしてユーザーは、混乱した高コストの世界に放り込まれ、お気に入りの番組や映画を提供しているサービスを探し回り、その都度追加の月額料金を支払うことを強いられます。新しい視聴作品を見つけることがその価値以上の手間になってしまえば、ユーザーは諦めて海賊版へ走る可能性が格段に高まります。海賊版が公式チャンネルよりも快適でストレスの少ない体験を提供し続ける限り、この傾向は今後も拡大し続けるかもしれません。
海賊版利用のジレンマ
配信サービスが増えるほど、それぞれが独自の独占番組や映画を抱えることになり、一般ユーザーがすべてを追いかけるのはストレスフルな作業となっています。この絡み合ったコンテンツ網が解消されない限り、人々はよりシンプルで安価なデジタル海賊版の世界へと徐々に傾いていくでしょう。
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