Java(OpenCV)で実装するトップハットとブラックハットの形態学的操作
形態学的操作(モルフォロジー演算)とは、指定した形状(構造要素)をもとに画像を処理する一連の操作のことです。二値画像やグレースケール画像のノイズ除去、輪郭抽出、形状解析など、さまざまな場面で活用されています。代表的な操作には次のようなものがあります。
収縮(Erosion):画像の境界部分から画素を取り除く操作です。明るい領域が徐々に縮小していきます。
膨張(Dilation):画像の境界部分へ画素を追加していく操作です。明るい領域が徐々に拡大していきます。
追加・削除される画素数は、使用する構造要素(カーネル)のサイズや形状によって決まります。
オープニング(Opening):入力画像に収縮を適用し、その結果にさらに膨張を適用する操作です。前景に含まれる小さなオブジェクト(点状のノイズなど)を除去する目的で使われます。
クロージング(Closing):入力画像に膨張を適用し、その結果にさらに収縮を適用する操作です。オブジェクト内部の小さな穴や細い隙間を埋める目的で使われます。
これらの基本操作を組み合わせた応用として、トップハットとブラックハットという形態学的演算があります。以下では、それぞれの概要とJava(OpenCV)での実装例を紹介します。
トップハット変換(Top Hat)とは
トップハットとは、「元画像」と「元画像にオープニングを適用した結果」との差分を計算する操作です。オープニングによって小さな明るい部分が消えた平滑な画像との差を取ることで、背景より明るい小さな領域だけを強調して抽出できます。
サンプルコード
import org.opencv.core.Core;
import org.opencv.core.CvType;
import org.opencv.core.Mat;
import org.opencv.highgui.HighGui;
import org.opencv.imgcodecs.Imgcodecs;
import org.opencv.imgproc.Imgproc;
public class TopHatExample {
public static void main(String args[]) {
// OpenCVのネイティブライブラリをロードします
System.loadLibrary(Core.NATIVE_LIBRARY_NAME);
// 画像データを読み込みます
String file = "D:\\Images\\morph_input1.jpg";
Mat src = Imgcodecs.imread(file);
// 出力先の行列を作成します
Mat dst = new Mat(src.rows(), src.cols(), src.type());
// カーネル(構造要素)を準備します
Mat kernel = Mat.ones(5, 5, CvType.CV_32F);
// morphologyEx()でトップハット変換を適用します
Imgproc.morphologyEx(src, dst, Imgproc.MORPH_TOPHAT, kernel);
// 結果を表示します
HighGui.imshow("Top Hat", dst);
HighGui.waitKey();
}
}
入力画像

出力画像

ブラックハット変換(Black Hat)とは
ブラックハットとは、「元画像にクロージングを適用した結果」と「元画像」との差分を計算する操作です。クロージングによって穴や隙間が埋められた画像との差を取ることで、背景より暗い小さな領域だけを強調して抽出できます。
サンプルコード
import org.opencv.core.Core;
import org.opencv.core.CvType;
import org.opencv.core.Mat;
import org.opencv.highgui.HighGui;
import org.opencv.imgcodecs.Imgcodecs;
import org.opencv.imgproc.Imgproc;
public class BlackHatExample {
public static void main(String args[]) {
// OpenCVのネイティブライブラリをロードします
System.loadLibrary(Core.NATIVE_LIBRARY_NAME);
// 画像データを読み込みます
String file = "D:\\Images\\morph_input1.jpg";
Mat src = Imgcodecs.imread(file);
// 出力先の行列を作成します
Mat dst = new Mat(src.rows(), src.cols(), src.type());
// カーネル(構造要素)を準備します
Mat kernel = Mat.ones(5, 5, CvType.CV_32F);
// morphologyEx()でブラックハット変換を適用します
Imgproc.morphologyEx(src, dst, Imgproc.MORPH_BLACKHAT, kernel);
// 結果を表示します
HighGui.imshow("Black Hat", dst);
HighGui.waitKey();
}
}
入力画像

出力画像

トップハットとブラックハットの違いまとめ
| 操作 | 定義 | 主な用途 |
|---|---|---|
| トップハット | 元画像 − オープニング(元画像) | 背景より明るい小さな領域の抽出 |
| ブラックハット | クロージング(元画像) − 元画像 | 背景より暗い小さな領域の抽出 |
どちらも OpenCV の Imgproc.morphologyEx() メソッドにフラグ(Imgproc.MORPH_TOPHAT / Imgproc.MORPH_BLACKHAT)を指定するだけで簡単に実装できます。カーネルサイズを変更すれば抽出対象となる領域の大きさを調整できるため、用途に合わせて試してみてください。
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