iOSで「このメッセージはサーバーからダウンロードされていません」エラーを解決する9つの方法
コミュニケーション手段が多様化した現代においても、メールは依然として最も重要な連絡手段の一つです。しかし、iPhoneの純正メールアプリやMicrosoft Outlookなどのメールクライアントで、一部のメールを開こうとした際に「このメッセージはサーバーからダウンロードされていません(This Message has not been downloaded from the server)」というエラーが表示されることがあります。

この問題は主にApple製品(iPhone・iPad・Macなど)で報告されていますが、WindowsのOutlookでも発生するケースがあります。OSのアップデート後に発生したという声もあれば、フォルダ間でメールを移動させた際に発生したという報告もあります。また、特定のメールプロバイダー(Gmail、Yahoo!メールなど)に限定される問題ではありません。
エラーが発生する主な原因
- デバイスのOSが古い:iOSが最新版でない場合、メールサーバーとの互換性が失われ、この問題が発生することがあります。
- サーバーからコピーを削除する設定:いずれかのメールクライアントで「受信後にサーバーからコピーを削除する」設定になっていると、そのクライアントが先にメールを取得・削除してしまい、他のクライアントがメッセージをダウンロードできなくなることがあります。
- アンチスパムフィルター:GFI MailEssentialsなどのアンチスパムソフトがメールヘッダーを書き換え、メールアプリとの互換性を損なうことでエラーが発生する場合があります。
- メールアプリの破損:メールアプリ自体のインストールや設定が破損していると、サーバーとの通信が正常に行えず、一部のメールがダウンロードできないことがあります。
方法1:メールアプリを強制終了して再起動する
iPhoneのメールアプリとメールサーバー間の一時的な不具合が原因の場合、アプリを強制終了して再起動することで解決できる可能性があります。
- メールアプリを起動し、エラーが表示されたメールを開きます。
- ホームボタンを7〜10秒ほど長押しし、メールアプリが閉じてホーム画面に戻るまで待ちます。

- 再度メールアプリを起動し、問題が解決したか確認します。
- 改善しない場合は、もう一度メールアプリを強制終了し、「設定」でWi-Fiをオフにします。
- iPhoneを再起動し、モバイルデータ通信をオンにします。
- メールアプリを起動し、問題が解決したかどうかを確認してください。
方法2:iOSを最新バージョンにアップデートする
iOSが最新版でない場合、メールサーバーとの互換性の問題により本エラーが発生することがあります。アップデート前に万が一に備えてiPhoneのバックアップを作成しておきましょう。
- iPhoneを充電器に接続し、Wi-Fiネットワークに接続します(アップデートファイルの容量が大きいため)。
- 「設定」を開き、「一般」を選択します。

- 「ソフトウェア・アップデート」を開き、利用可能なiOSアップデートがあるか確認します。

- アップデートがある場合は、ダウンロードしてインストールします。
- インストール完了後、iPhoneを再起動し、エラーが解消されたか確認します。
方法3:メールのプレビューを5行に設定する
多くのメールアプリは最初にヘッダーのみをダウンロードし、メールを開いた時点で本文を取得します。何らかの不具合でヘッダーや本文のダウンロードに失敗すると、本エラーが発生します。プレビューを5行に設定すると、ヘッダーと本文を一度にダウンロードするよう促せるため、問題が解決する場合があります。
- 「設定」を開き、「メール」を選択します。

- 「メッセージリスト」セクションの「プレビュー」をタップし、「5行」を選択します。

- iPhoneを再起動し、問題が解決したか確認します。
- それでも改善せず、独自に作成したフォルダでメールを整理している場合は、フォルダ名にチルダ(~)などの特殊文字が含まれていないか確認し、含まれている場合は削除してみてください。
方法4:フェッチ(Fetch)方式を有効にする
メールの受信には「プッシュ」と「フェッチ」の2つの方式があります。プッシュはサーバー側から新着メールを通知する方式、フェッチはクライアント側が定期的にサーバーへ新着を問い合わせる方式です。
iPhoneはデフォルトでプッシュを使用しますが、サーバー側の不具合でプッシュに失敗すると本エラーが発生することがあります。この場合、フェッチ方式に切り替えることで解決できる可能性があります。
- 「設定」を開き、「パスワードとアカウント」を選択します。

- 「データの取得方法」を選択し、「プッシュ」のスイッチをオフにします。

- 「フェッチ」を有効にし(自動で有効になっていない場合)、取得間隔を「自動的に」に設定します。場合によっては、問題のあるアカウントをタップして「フェッチ」を選択する必要があります。

- プッシュに設定されている他のすべてのアカウントも「フェッチ」に変更し、iPhoneを再起動します。
- 再起動後、エラーが解消されたか確認します。
方法5:Outlookの送受信グループ設定で完全ダウンロードを有効にする
メールクライアントがメッセージの一部のみ(添付ファイルなし等)をダウンロードする設定になっていると、メッセージを完全に取得できずエラーが発生します。送受信グループ設定で完全ダウンロードを有効にしましょう。
- Outlookを起動し、「ファイル」メニューを開きます。
- 「オプション」タブに進み、表示されたウィンドウで「詳細設定」タブを開きます。

- 「送受信」セクションの「送受信」ボタンをクリックし、「すべてのアカウント」を選択します。問題のあるアカウントが表示されている場合は、それを選択します。

- 「編集」ボタンをクリックし、左ペインで問題のあるアカウントを選択します。

- 「受信メール項目」の下にある「購読フォルダーの添付ファイルを含む、すべてのアイテムを完全にダウンロードする」にチェックを入れます。

- 変更を適用し、システムを再起動します。
- 再起動後、問題が解決したか確認します。
方法6:Gmailの「最近のモード(Recent Mode)」を有効にする
PCのOutlookやiPhoneのメールアプリのように複数のクライアントでGmailを設定している場合、各クライアントが15分ごとにGmailサーバーへアクセスします。先にアクセスしたクライアントがメールを取得すると、他のクライアントからそのメールが見えなくなり、本エラーが発生することがあります。
このような場合、Gmailの「最近のモード」を有効にすると解決できます。このモードでは、過去30日分のメールが、他のクライアントが既にダウンロード済みかどうかにかかわらず、接続中のすべてのクライアントに配信されます。
- メールクライアント(例:Outlook)でGmailの「アカウント設定」を開き、「電子メール」タブでGmailのアドレスをダブルクリックします。

- 「アカウント名」欄のアカウント名の前に「recent:」を追加します。例えば、testuser@gmail.comなら「recent:testuser@gmail.com」と入力します。

- 「次へ」をクリックし、設定の更新後、「完了」をクリックします。

- システムを再起動し、問題が解決したか確認します。なお、iPhoneユーザーの場合は「設定」→「メール」→「Gmail」で「最近のモードを使用」を有効にする必要がある場合があります。
- それでも改善しない場合は、GmailのウェブサイトでIMAPを無効にしてみてください。
方法7:「サーバーにコピーを残す」設定を有効にする
ほぼすべてのメールクライアントには、受信後にサーバー上のメッセージコピーを削除するオプションがあります。iPhoneとiMacのように複数のデバイスでメールを受信している場合、片方だけが「受信後にサーバーから削除する」設定になっていると、もう一方のデバイスで本エラーが発生します。ここではMacでの設定手順を例に説明します。
- 「メール」アプリを起動し、「環境設定」を開きます。
- 「アカウント」タブに進み、問題のあるアカウントを選択します。
- 「詳細」タブを開き、「メッセージを取り込んだ後サーバーから削除する」のチェックを外します。デバイスによっては「サーバーから削除しない」「サーバーにコピーを残す」というオプションが表示されます。

- メールの環境設定ウィンドウを閉じ、システムを再起動します。
- すべてのデバイスのすべてのメールクライアントで同じ設定を行い、問題が解決したか確認します。
注意点として、この設定を有効にした後、スマホやパソコンの削除済みフォルダからメッセージを削除すると、そのメールが他のデバイスからも削除される場合があります。他のデバイスでそのメッセージにアクセスしようとすると、逆に本エラーの原因になることもあります。
方法8:アンチスパム製品を無効にする
多くのメールクライアントはまずメールヘッダーをダウンロードし、必要に応じて本文を取得します。アンチスパムやセキュリティ製品が、メールクライアントと互換性のないヘッダーをフィルタリングすると、本エラーが発生することがあります。ここではGFI MailEssentialsを無効にする手順を例に説明します。
警告:
アンチスパム・セキュリティ製品を無効にすると、ウイルスやトロイの木馬などの脅威にシステムがさらされる可能性があります。自己責任で実施してください。
- GFI MailEssentials Switchboardを起動し、「トラブルシューティング」タブを開きます。
- 「Enable/Disable Email Processing」で「Disable」ボタンをクリックし、「サービスの再起動が必要です」というダイアログで「はい」を選択します。

- メールクライアントを起動し、問題が解決したか確認します。
方法9:メールアカウントを再登録する
一時的な通信不良やデバイス上のアカウント情報の破損により、メールアプリがサーバーからメッセージをダウンロードできなくなることがあります。アカウントのオフ/オン切り替え、または再追加で解決できる場合があります。
メールアカウントをオフにしてからオンにする
- 「設定」を開き、「メール」(または「パスワードとアカウント」)を選択します。

- 問題のあるアカウントをタップし、「メール」のスイッチをオフにします。

- そのアカウントのメールがメールアプリに表示されなくなるまで待ちます。

- iPhoneを再起動し、再起動後にメールアカウントをオンにします。
- メールの同期が完了するまで待ち、問題が解決したか確認します。
メールアカウントを削除して再追加する
- 「設定」を開き、「メール」(または「パスワードとアカウント」)を選択します。
- 「アカウント」をタップし、問題のあるメールアカウントを選択します。
- 「アカウントを削除」をタップし、「自分のiPhoneから削除」をタップして削除を確定します。

- iPhoneを再起動し、再起動後にアカウントを再追加します(Gmailの場合はPOP3ではなく「その他」タイプを使用)。その後、正常に動作するか確認します。
- 改善しない場合、アカウントで2ファクタ認証(2FA)を使用しているなら、2FAを無効にして問題が解決するか試してみてください。
- それでも解決しない場合は、アカウントの種類をPOP3とIMAPで切り替えてみてください。
メールアプリを再インストールする
メールアプリのインストールや設定が破損している場合、本エラーが発生することがあります。アプリを再インストールすることで解決できる可能性があります。
- ホーム画面でメールアプリを長押しし、ポップアップメニューを表示します。
- ポップアップメニューから「Appを削除」を選択し、削除を確定します。

- iPhoneを再起動し、再起動後にApp Storeを開きます。

- 「メール」を検索し、Appleのメールアプリをインストールします。
- メールアプリを起動し、必要に応じて設定を行います。
- その後、メールアプリがサーバーからメッセージを正常にダウンロードできるか確認します。
Exchangeサーバー利用者向けの追加対処法
上記の方法で解決せず、Exchangeサーバーを使用している場合は、サーバー側でActive Syncを有効にすると問題が解決することがあります。また、Exchangeサーバーの承認済みドメイン設定が正しく構成されているかも確認してください。承認済みドメイン欄にワイルドカード(*)を使用していると本エラーの原因になるため、削除すると解決する場合があります。
一般的なユーザーの場合、問題が解決しないときは、サードパーティ製アプリ(iPhone用Outlookなど)を使うか、デバイスを初期状態に復元する必要があるかもしれません。
応急処置(ワークアラウンド)
サードパーティ製アプリの使用やデバイスの初期化を避けたい場合は、以下の一時的な回避策を試してみてください。
- 問題のあるメールを開き、ダウンロードエラーが表示されたら、上下矢印をタップして別の新しいメールを開きます。その後、問題のメールに戻ると、正常にダウンロードされている場合があります。
- メールを転送しようとすると「メッセージの残りをダウンロードしますか?」と尋ねられるので、「はい」を選択して問題が解決するか確認します。
- POP3のメールをIMAPアカウントに転送する(またはその逆)ことで解決するか試してみてください。
- メールプロバイダーのウェブサイト(Yahoo!メールなど)からゴミ箱を空にすると解決する場合があります。また、スマホでメールを削除する際は、必ず1通ずつ削除してください。まとめて削除すると本エラーの原因になることがあります。
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