Windows 11/10で高速スタートアップを無効化する方法|無効化すべき理由と手順を徹底解説
Windows 10や11でシャットダウンを実行しても、実はPCが完全に電源オフになっていないことをご存じでしたか?その理由は「高速スタートアップ(Fast Startup)」という機能にあります。この記事では、高速スタートアップの仕組みと、Microsoft Windowsで無効化する方法について詳しく解説します。
高速スタートアップは、その名の通り、Windowsに組み込まれた機能の一つで、完全シャットダウン後の起動時間を短縮してくれます。一見すると便利な機能のように思えますが、必ずしもそうとは限りません。ここでは、高速スタートアップとは何か、そしてWindows 10や11で無効化したほうがよい理由を説明します。
高速スタートアップ機能とは?
高速スタートアップの仕組みを理解する前に、まずWindowsにおける「カーネル」について知っておきましょう。
カーネルとは、オペレーティングシステムの中核部分であり、ソフトウェアとハードウェアを動作させる役割を担っています。カーネルは常にメモリ上に存在し、PCのファームウェア(BIOSやUEFI)が最初に読み込むものでもあります。
通常、PCの電源を切ると、Windowsは開いているすべてのアプリやプログラムを閉じ、ユーザーアカウントからサインアウトし、オペレーティングシステムを終了します。少なくとも、そう思っているでしょうよね?
しかし、Windows 8以降、シャットダウンは従来の意味での完全な終了ではなくなりました。代わりに、カーネルの状態がhiberfil.sys(休止状態ファイル)にキャッシュされるのです。
カーネルはシステム全体を動かす要となるため、いつでもすぐに使える状態で保存しておけば、コールドスタート(完全な電源オフからの起動)時にPCの立ち上がりが速くなります。
ただし、WindowsがSSD(ソリッドステートドライブ)から読み込まれる場合や、高性能なPC環境では、高速スタートアップによる起動時間の短縮効果はほとんど感じられません。一方、古いHDDからOSを起動する場合には、数秒単位の短縮が期待できます。
しかしながら、高速スタートアップにはメリットがある一方で、Windows 10や11のPCにおいてさまざまな問題の原因になることも少なくありません。
まず、同じカーネルセッションを繰り返し読み込むことで、実際のソフトウェアコンポーネントとキャッシュされたコンポーネントとの間に不整合が生じやすくなります。特に、システムやドライバーの更新後には顕著です。
これにより、ブルースクリーン(BSOD)などの起動エラーが発生したり、周辺機器が正常に動作しなくなったりすることがあります。また、Windows Updateの適用中に問題が起こる原因にもなり得ます。
さらに、デュアルブートやマルチブート環境(例:WindowsとLinux)では、高速スタートアップが原因で、Windows以外のOSを起動した際にWindowsドライブへのアクセスがロックされることが知られています。
最悪の場合、あるOSからパーティションに変更を加えると、別のOSへ切り替えた際にデータ破損につながる可能性もあります。
特定の問題の原因が高速スタートアップにあると思われる場合、または潜在的な競合を避けたい場合は、シャットダウン時にWindowsがカーネルをキャッシュしないよう一時的に対処できます。
以下の2つの方法があります。
- Shiftキーを押しながら通常のシャットダウンを実行する
- 「シャットダウン」の代わりに「再起動」を選択する:意外に思われるかもしれませんが、自動的な再起動は高速スタートアップをスキップします。一方、「完全シャットダウン」ではスキップされません。
Windowsで高速スタートアップを無効化する方法
高速スタートアップを回避してカーネルキャッシュをクリアするのは簡単ですが、PCに問題が頻発している場合や、複数のOSをインストールしている場合は、高速スタートアップ自体を無効化することを検討しましょう。
コントロールパネルから無効化する
Windows 11および10で高速スタートアップをオフにする最も手軽な方法は、コントロールパネルを使うことです。手順は以下の通りです。
- スタートメニューを開き、「コントロールパネル」と入力して「開く」を選択します。
- 「ハードウェアとサウンド」カテゴリを選択します。
- 「電源オプション」セクションの「電源ボタンの動作を選択する」をクリックします。
- 「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックします。
- 「高速スタートアップを有効にする(推奨)」のチェックボックスをオフにします。
- 「設定の保存」をクリックします。
高速スタートアップのオプションが表示されない場合、PCで休止状態の電源設定が無効になっている可能性があります。管理者権限のWindows PowerShellまたはコマンドプロンプトで以下のコマンドを実行し、休止状態を有効にしてください。
- スタートボタンを右クリックし、「Windows PowerShell/ターミナル(管理者)」を選択します。または、スタートメニューに「cmd」と入力し、「管理者として実行」を選択します。
- 次のコマンドを入力します。
powercfg /hibernate on
- Enterキーを押します。
これで、コントロールパネルから高速スタートアップを無効化できるようになります。
レジストリエディターから無効化する
もう一つの方法(やや手間がかかりますが)として、レジストリエディターで以下の設定を変更することで高速スタートアップを無効化できます。作業を始める前に、システムレジストリのバックアップを作成しておくことをおすすめします。
- Windows + Rキーを押し、「regedit」と入力して「OK」を選択します。
- 以下のパスをレジストリエディター上部のアドレスバーにコピーして貼り付け、Enterキーを押します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Session Manager\Power
- 右側のペインで「HiberbootEnabled」の値をダブルクリックします。
- 「値のデータ」フィールドに「0」を入力して「OK」をクリックします。
- レジストリエディターを終了します。
- PCをシャットダウンし、再起動します。
ローカルグループポリシーエディターから無効化する
お使いのPCがWindows 10または11のPro、Enterprise、Educationエディションの場合は、ローカルグループポリシーエディターを使用して高速スタートアップを無効化できます。
- 「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開き、「gpedit.msc」と入力して「OK」を選択します。
- ローカルグループポリシーエディターの左側サイドバーで、以下の場所に移動します。
コンピューターの構成 > 管理用テンプレート > システム > シャットダウン
- 右側のペインで「高速なスタートアップの使用を要求する」ポリシー設定をダブルクリックします。
- 「無効」のラジオボタンを選択します。
- 「適用」をクリックし、「OK」を選択します。
高速スタートアップ:有効のままにすべき?無効化すべき?
機械式HDDを使用していたり、Windows 11や10の動作に必要な最低限のCPUやRAMしか搭載していない比較的古いPCでなければ、高速スタートアップを有効にしても起動時間に大きな違いは感じられないでしょう。
ただし、問題が頻発する場合、更新プログラムのインストールに支障が出る場合、または複数のOSを使用している場合を除き、高速スタートアップを恒久的に無効化する理由はあまりありません。必要なときにいつでも簡単にこの機能をバイパスできることも忘れないでください。
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