SQL・T-SQL・MSSQL・PL/SQL・MySQLとは?それぞれの違いと使い分けを徹底解説
私たちが日頃目にする動的なWebサイトの多くは、コンテンツをデータベースで管理しているからこそ実現しています。そして、データベースを効率的に管理するには、体系的な仕組みが必要です。その中核を担っているのがSQLです。
SQLは「Structured Query Language(構造化問い合わせ言語)」の略で、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)に格納されたデータへアクセスし、管理するために使われる言語です。1986年には米国規格協会(ANSI)の標準規格となり、わずか1年後の1987年には国際標準化機構(ISO)の標準にも採用されました。
SQL Server上では、SQL文を使ってデータの保存・整理・取得を行えます。さらにSQLには拡張版も存在し、SQLサーバー内のさまざまな機能に対応しています。
SQL・T-SQL・MSSQL・PL/SQLとは何か?
SQLは、特定のサーバー上で動作し、そのサーバーのデータベースに保存された情報への照会(クエリ)や編集を担当するコンピュータ言語です。
SQLは「ANSI SQL」と呼ばれることもあります。これは1986年に策定された標準バージョンを指します。現在でも最も優れたプログラミング言語の一つですが、実際にはユーザーごとの特定のデータベースニーズに応えるため、さまざまなデータベースが独自のSQL派生版を採用しています。
各種SQL拡張について解説する前に、まず「データベースとは何か」を確認しておきましょう。
データベースとは、利用や検索がしやすいように整理された、構造化されたデータの集合体です。Webサイトによってその中身は異なり、ブログ記事のテキストだったり、登録ユーザーに関する情報だったりします。いずれの場合も、これらのデータはデータベースに格納され、整理されます。
SQLは、こうしたデータベースがデータを整理し、目的のデータを見つけ出す手助けをする役割を果たします。ただし、すべてのデータベースが標準的なSQLを使用するわけではありません。たとえばMicrosoftのSQL Serverは、T-SQLという独自バージョンのSQLを採用しています。
T-SQLとは?
T-SQL(Transact-SQL)は、Microsoft SQL Server上でのみ動作するよう開発された、Microsoft独自のSQL拡張版です。「Transact – Structured Query Language」の略で、Microsoft SQL ServerまたはAzure Synapse環境でのみ使用できる構文や機能を提供します。
この言語自体はANSI SQL標準に準拠しているため、SQLの基礎知識があれば習得はそれほど難しくありません。ただし、例外処理やエラー処理、運用ルール、プロシージャ、文字列関数・データ関数など、ANSI SQLとは異なる特徴がいくつかあり、細かな改良も加えられています。
T-SQLを標準SQLよりも選ぶべき場面は、主にアプリケーションがMicrosoft SQL Serverの導入を伴う場合です。
MSSQLとは?
MSSQLは「Microsoft SQL Server」の略称です。これは、Oracle DatabaseやMySQLなどの競合製品に対抗するためにMicrosoftが設計したデータベースソフトウェアスイートです。
MSSQLは企業向けシステムで広く利用されています。企業向けシステムとは、大規模かつミッションクリティカルなビジネスアプリケーションを支えるサーバー構成のことです。MSSQLはSQL構文、とりわけT-SQLを使用します。
MSSQLは、データベースを通じてデータの保存・整理・処理を行うだけでなく、生のデータを有益なインサイトへ変換したり、大量のデータを処理したり、複雑な分析やレポートを実行したりすることも可能です。
PL/SQLとは?
Microsoftと同様に、Oracle Databaseも独自のSQL派生版であるPL/SQL(Procedural Language/Structured Query Language)を採用しています。これは、条件分岐やループといった手続き型言語の要素をSQL環境内で組み込めるようにしたものです。
PL/SQLでは、定数や変数、プロシージャや関数、型、トリガーの宣言が可能です。PL/SQLのプロシージャは、基本的なビジネスルールの管理にとどまらず、Webサイトへのアクセスやメール送信など、標準SQLでは実現できないことまでこなせます。
この派生版は1995年に初めて公開され、ISO SQL標準に準拠しています。組み込みインタプリタとOSに依存しないプログラミング環境を備えた、移植性と高性能を両立したトランザクション処理言語です。
PL/SQLはOracle Databaseシステムには不可欠な存在ですが、TimesTenインメモリデータベースやIBM DB2でも利用できます。
MySQLとは?
MySQLは、Oracleが開発・サポートするオープンソースのSQL RDBMSです。PL/SQLを使用するOracle Databaseと混同されがちですが、MySQLは「MySQL」という名前の独自のSQL派生版を使用します。MySQLは一時期Oracleの所有物ではなく、所有者が変わった後もオープンソースであり続けています。
MySQLは、データの保存・管理に使われるシステムの中でも特に人気の高いものの一つです。特にWordPressサイトのデータベースソリューションとして広く採用されており、ブログ記事、ユーザー情報、プラグイン情報など、WordPressに関連するあらゆるデータの保存を支えています。
MySQLはリレーショナルデータベースシステムであると同時に、クライアントサーバーモデルも採用しています。つまり、データはサーバー側に置かれており、クライアント(つまりあなた)がSQL経由でリクエストする仕組みです。
このような特性から、MySQLはWordPressサイトを運営する方や、大量のデータとエンドユーザーを扱うサイトにとって、非常に有力な選択肢となります。
どのSQLを使うべきか?
まず前提として、T-SQLとPL/SQLはほとんどの場合、まったく異なる用途に使われています。そもそも対応するデータベース自体が違うのです。したがって、どちらを使うべきかという答えは、「どのデータベースを選ぶか」にかかっています。
T-SQLと標準SQLの比較においても、最終的にはユーザーの判断次第です。ただし、Microsoft SQL Serverの導入を予定しているなら、T-SQLを選ぶのが賢明です。T-SQLはMicrosoft自身が開発した言語なので、両者を併用することで互換性が最大限に高まります。
一方、複数のバックエンドを扱う場合は、標準規格であるANSI SQLを選ぶのがおすすめです。
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