Windowsアプリをポータブル化して持ち歩こう!Enigma Virtual Boxでの作り方を徹底解説
昨今、私たちの多くは複数のパソコンを使い分けています。しかし、「どのパソコンでも自分仕様の環境ですぐに作業できたら」と考えたことはありませんか?そこで役立つのが「ポータブルアプリ」という発想です。
フラッシュドライブや外付けハードディスクにポータブルアプリを詰め込んでおけば、対応するパソコンに差し込むだけで、いつものソフトウェアとデータがすぐに使えるようになります。
ポータブルアプリとは?
通常、アプリケーションをパソコンにインストールすると、システムにさまざまな変更を加えながらOSへ組み込まれていきます。たとえばWindowsアプリの場合、ローカルドライブ上のフォルダを選択し、レジストリに情報を登録し、動作に必要な各種機能をWindows側に要求します。
そのため、アプリのフォルダを単純に外部ドライブへコピーして別のパソコンで起動しても、大量のエラーが出るか、まともに動作しないプログラムになってしまうのです。
ポータブルアプリを作るには、アプリに対して「必要な依存ファイルはすべて揃っている」と思い込ませる必要があります。手作業で対応することも不可能ではありませんが、アプリの依存関係を自動的にスキャンし、仮想的な形で再現してくれる専用ツールを使うほうがはるかに簡単です。この仕組みにより、アプリはまるで元のパソコンで動いているかのように振る舞います。いわば、アプリ版の『マトリックス』といったところでしょうか。
また、最初からポータブル対応として設計されたアプリも存在します。開発者が「どこでも依存ファイルなしで動く」ことを前提に作り込んだもので、インストール不要でそのまま利用できます。
まずは既製品がないかチェックしよう
自力でポータブル化に挑戦する前に、すでに誰かが同じ作業を終えていないか確認しておきましょう。もちろん、有料ソフトがこの方法で見つかることはほぼありません。しかし、人気のフリーソフトの多くは、ダウンロード可能なポータブル版として公開されています。
おすすめはPortableApps.comです。独自のランチャーとアプリ管理画面を備えており、インストーラーをダウンロードして外部ドライブにインストールすれば、一覧から欲しいアプリを選ぶだけで簡単に導入できます。
仮想マシンという代替手段
PortableAppsのようなプラットフォームも便利ですが、もっとシンプルにWindowsアプリをポータブル化する方法があります。それは「Windowsそのものを持ち運ぶ」という発想です。具体的には、vbox.meからVirtualBoxのポータブル版を入手し、ライセンス版のWindowsをゲストOSとしてセットアップします。あとはその仮想マシン内にお好みのWindowsアプリを自由にインストールするだけで、追加の作業は一切不要です。
注意点は、仮想マシン内のWindowsには別途ライセンスが必要だということです。古いライセンスや予備のプロダクトキーが余っていれば理想的ですが、用途によっては新規購入する価値もあるでしょう。特に、業務上重要なアプリがポータブル化後に正常動作しない場合、この仮想マシン方式が最も確実な解決策となります。
クラウド連携型のサブスクリプションアプリについても同様です。仮想マシンはホスト側のインターネット接続を利用しますが、アプリから見れば「インストールしたときと同じパソコン」で動いていることになるため、認証や同期の問題を回避できます。
ポータブルアプリ作成ツールの現状
かつてはWindowsアプリを手軽にポータブル化できるツールが多数存在しましたが、残念ながらその多くは10年近く更新されていません。
Cameyoは現在、有料サービスとしてのみ提供されており、VMware ThinAppも無料体験版しか用意されていません。商用ソリューションの高額な料金を支払う意思があるなら止めはしませんが、そう考えてくると、追加のWindowsライセンス代がむしろ安く感じられるかもしれませんね。
筆者はいくつかの旧式の無料ツールを実際に試したところ、今なお十分に使えるものを見つけました。
Enigma Virtual Boxでポータブルアプリを作成する手順
そのツールこそがEnigma Virtual Boxです。現在も開発者のメンテナンスが続けられている数少ないフリーウェアのポータブル化ツールで、商用アプリ「Enigma Protector」の無料版に相当しますが、一般ユーザーの用途には十分すぎるほどの性能です。
- Enigmaの公式サイトにアクセスし、Enigma Virtual Boxをダウンロードします。アプリをインストールしたら起動してください。
インターフェースは決して直感的とは言えませんが、実際の操作は非常に簡単です。難しく構える必要はありません。
- Enigmaの仕様上、対象ソフトがあらかじめシステムにインストールされている必要があります。まだなら、先にポータブル化したいアプリをインストールしてからEnigmaに戻りましょう。
- メイン画面には、Input(入力)とOutput(出力)のファイルパス入力欄が表示されます。
- Enter Input File Nameの右側にあるBrowseボタンをクリックします。
- 今回は例として、無料の音声編集ソフト「Audacity」をポータブル化してみましょう。表示されたファイルブラウザーで、対象アプリの「.exe」ファイルがインストールされている場所へ移動します。
- exeファイルを選択してOpenをクリックします。
- 続いて、Enigmaに依存ファイルの場所を伝えます。Addをクリックし、サブフォルダもまとめて登録したいのでAdd Folder Recursiveを選択しましょう。
- ファイルブラウザーでexeファイルが含まれるインストールフォルダを指定し、「OK」をクリック、さらに再度「OK」を押します。
- 必要に応じて、完成品の出力先も変更できます。デフォルトでは元のexeファイルと同じ場所に保存されますが、別の場所を指定したほうが管理しやすいでしょう。操作方法は入力ファイルの選択と同じです。出力ファイル名も自由に変更できます。
- 準備が整ったら、Processボタンをクリックしてポータブルアプリの生成を開始します。あとは魔法のような処理が進むのを見守りましょう。
- 処理が完了するまで待ち、終了したらウィンドウを閉じてください。
作成したアプリを実行する
完成品は、どこからでも起動できる単一の「.exe」ファイルです。保存した場所からファイルを取り出し、ポータブルストレージへ移動させましょう。そして必ず別のパソコンでテストを行い、正常に動作することを確認してください。いざ本当に必要になった瞬間に初めて動作確認をする、なんて事態は絶対に避けたいところです。
Enigmaで自作したポータブルアプリは、PortableAppsのようなランチャーと併用することも可能です。自分だけのカスタムアプリコレクションを作り、好きなタイミングで起動しましょう。ポータブル環境という武器を手に入れれば、可能性は無限大です。常に持ち歩きたいおすすめポータブルアプリを紹介した記事も、ぜひ合わせてチェックしてみてください。
-
Windows 10のロック画面からアプリを起動・使用する方法【レジストリ編集】
Windows 10のロック画面からプログラムを実行できるのか、疑問に思ったことはありませんか?答えは「はい」です。実は、Windowsにサインインしなくても特定のアプリを起動できる便利な裏技があります。この記事では、サードパーティ製ソフトを使わずに、ロック状態のままアプリを起動する方法をわかりやすく解説します。 つまり、PCはロックされたままでも、Windowsのロック解除なしでプログラムを実行できるのです。 Windowsの裏技:ロック画面からアプリにアクセスするには? Windows OSには便利な機能が数多く搭載されていますが、その多くはシステムの奥深くに隠れており、探さないと見つかり
-
Windows Defender Application Guard を試してみたかった:ハードウェア分離型セキュリティの実態
賢いソフトウェア、つまり哲学的なレベルで正しく設計されたツールには目がありません。戦術的な些細な不満を解消するのではなく、戦略的な問題を解決するようなツールです。Windowsにおけるこの種の設計の好例が、EMETとExploit Mitigationです。これらは「設定して忘れる」タイプのセキュリティ概念であり、悪質なソフトウェアを除外するという時代遅れのブラックリストモデルを採用していません。代わりに、不正なメモリ命令をフィルタリングするという哲学的なアプローチを取っています。アプリが何であろうと、異常な動作をすれば即座に停止させられるのです。 そんな私だからこそ、Microsoftが発表