スタートアップ修復が失敗する原因と対処法|PCの起動トラブルを解決する5つのステップ
ノートパソコンやデスクトップパソコンには、データ修復やシステム更新など、自分自身をできる限りチェックして修復する仕組みが組み込まれています。非常に賢い機械だと言えますね。しかし、パソコンが起動しなくなったときに頼みになる「スタートアップ修復」も、ハードウェアの損傷が深刻な場合には役に立たないことがあります。そんなときは、別の解決策を検討するタイミングかもしれません。
パソコンの起動トラブルの多くは、実はハードディスク(HDD)の故障に原因があります。Cドライブと呼ばれるローカルディスクは、OSの起動に必要な情報をすべて格納する起動ドライブとして機能しています。このハードディスクに障害が発生すると、起動に必要な情報へアクセスできなくなり、パソコンは正常に立ち上がらなくなってしまうのです。
スタートアップ修復とは?
スタートアップ修復は、Windowsの起動に関わる特定のシステム不具合を修復してくれるWindows標準の回復ツールです。「詳細ブートオプション」メニューからアクセスできます。このメニューは、Windows 8や10のパソコンで起動時にトラブルが発生した際に表示されることが多いです。
スタートアップ修復へのアクセス手順は以下の通りです。
詳細ブートオプション > トラブルシューティング > 詳細オプション > スタートアップ修復
途中で管理者権限の資格情報を求められる場合があります。入力すると、ツールが自動的に診断と修復を実行してくれます。
スタートアップ修復がうまくいかないとき
スタートアップ修復で問題が解決し、無事にパソコンが起動することもあります。しかし、そうならないケースでは、次のような症状に悩まされることがあります。
- スタートアップ修復が無限ループに陥る
- 「スタートアップ修復でPCを修復できませんでした」というエラーが表示される
- スタートアップ修復がいつまでも終わらない
スタートアップ修復ツールが対応できるのはあくまでシステムレベルの問題までです。ハードディスク自体の損傷までは修復できません。起動が妨げられたり失敗したりする状態は、ハードディスクのダメージが修復不可能なレベルに達していることを意味している場合があります。物理的な破損や、不良セクタ(壊れた記録領域)の蓄積が原因です。データが破損・消失すると、起動トラブルだけでなくドライブ全体の性能低下にもつながります。
なぜハードディスクは故障するのか?
一般的にハードディスクの寿命は2〜5年程度と言われています。使用方法やドライブの種類によって差はありますが、残念ながら時間とともに必ず劣化していきます。最大の要因は、不良セクタの蓄積です。不良セクタは少しずつハードディスクにダメージを与え、最終的なドライブ故障につながります。
不良セクタには、物理的な衝撃によるものと、ソフトウェアのエラーによるもの(論理不良セクタ)があります。後者は修復したり、スキップするようマークを付けたりすることが可能です。従来型のHDDは回転するプラッタと読み書き用のアームという可動部品で動作しており、これらの部品は物理的ダメージに弱い構造です。また、製造段階で完全な無欠品のドライブを作ることは不可能なため、どんなハードディスクにも最初から少量の不良セクタは存在します。
さらに、書き込み中に電源を切ってしまうことや、アプリケーションの誤用なども論理不良セクタを発生させる原因になります。こうした不良セクタが徐々に蓄積し、やがてハードディスク全体の故障を招くのです。
スタートアップ修復の無限ループを解消する方法
スタートアップ修復が固まる・失敗する理由がわかったところで、次は具体的な解決策を見ていきましょう。まずはハードディスクに問題がないかテストし、必要であれば交換する、という流れが基本となります。
方法1:Windowsの診断ツールでハードディスクをテストする
スタートアップ修復と同様に、Windowsパソコンには他にもシステム診断のための標準ツールが備わっています。chkdskや起動前診断(pre-boot diagnostics)などがハードディスクの基本的なテストに使えます。ただし、一部のツールはWindows上で動作するアプリなので、パソコンがWindowsを起動できるかどうかで使い分ける必要があります。
起動できない場合:起動前診断を使う
それでも起動画面から先に進めない場合は、起動前診断ツールが役立ちます。このツールはパソコンのハードウェアを診断し、注意が必要な問題を探し出してくれます。CPUファン、バッテリー、ハードディスクなどの主要コンポーネントにハードウェア的な不具合がないかをチェックします。
利用には、起動メニューから診断オプションに入るための専用キーが必要です。メーカーごとの主なキーは以下の通りです。
- HP:「ESC」キー
- Dell(デル)ノートパソコン:「F12」キー
- Lenovo(レノボ)ノートパソコン:「Enter」キー
- Apple Mac:「D」キー
パソコンを再起動し、ロゴが表示されるスプラッシュ画面でこのキーを押し続けてください。診断を実行すると、見つかった問題がエラーメッセージと参照コードとともに報告されます。これらのコードはメーカー固有の場合があり、問題についてさらに調べたり、オンラインサポートに問い合わせる際の手がかりになったりします。
Windowsを起動できた場合:chkdskを使う
なんとかWindowsを起動できたのであれば、chkdskコマンドでハードディスクをテストしましょう。chkdskはシンプルながら非常に便利なツールで、ハードディスクのエラーを検出し、可能な範囲で修復を試みてくれます。
chkdskはコマンドプロンプトから実行できるほか、ドライブのプロパティウィンドウにある「ツール」タブからも実行できます。論理不良セクタを修復し、物理不良セクタを隔離して読み飛ばすように設定してくれるため、定期的に実行すればハードディスクの早期故障の予防にもつながります。
chkdsk以外にも、各パソコンメーカーがプリインストールしているサポートアプリを活用する選択肢もあります。多くの場合、内蔵アプリとして搭載されており、機種に特化したより詳細な診断が可能です。オンラインのサポート窓口への案内も受けられます。
方法2:専用のハードディスク診断ソフトを使う
Windowsを正常に起動できない場合や、起動前診断だけでは物足りないと感じた場合は、WD Data Lifeguard や SeaTools といった専用のハードディスク解析ソフトが頼りになります。
この方法の魅力は、トラブルの起きているパソコン本体を使わずに済む点です。Windowsの起動も、ソフトのインストールも不要です。その代わりに、別途デスクトップパソコン1台とUSB-SATA変換ケースが必要になります。対象のドライブを取り外し、USB-SATA変換ケース経由で別のデスクトップパソコンに接続してテストします。変換ケースには独立した電源を使用するのがポイントです。こうすることで、テスト結果に影響を与えうる外部要因からドライブを完全に切り離せます。
専用の解析ソフトを使えば、起動トラブルの原因となっている問題を本当に徹底的に調査できます。多くのソフトでは「クイックテスト」と「拡張テスト」の2種類が用意されており、テスト時間はWindowsの標準ツールより長めにかかるのが一般的です。
方法3:交換用ハードディスクを選ぶ
起動時のエラーメッセージが頻発しているなら、ドライブの損傷が修復限界に近づいている可能性が高いです。ディスクチェックソフトで一時的に起動できたとしても、ダメージは進行し続け、いずれ再び故障します。だからこそ、ハードディスクの交換は迅速かつ恒久的な解決策になり得ます。
まずは現行ドライブのスペックを把握しよう
新しい交換用ドライブを選ぶときは、今使っているドライブを目安にするのがおすすめです。以下の方法でハードディスクの型番を控えておきましょう。
- デバイスマネージャーの「ディスクドライブ」からプロパティを確認する
- 起動メニューからBIOSセットアップ画面に入り、型番を確認する
- パソコンのカバーを開け、ドライブのラベルに記載された型番を直接確認する
現行ドライブを基準にすれば、何を求めるべきか判断しやすくなります。新しいハードディスクを選ぶ際の主なポイントは、フォームファクタ(サイズ)、容量、速度の3つです。
フォームファクタ(サイズ)
フォームファクタとはハードディスクの物理的なサイズのことです。当然、寸法が合わなければシステムに収まりません。ただし、一般向けハードディスクのサイズは2種類しかないため、間違える心配はほぼありません。ノートパソコン用は2.5インチ、デスクトップパソコン用は3.5インチです。この数値は、ドライブ内部のプラッタの直径にほぼ相当します。
2.5インチドライブはノートパソコンに収まるよう小型化されていますが、そのぶん性能面では3.5インチのデスクトップ用に劣る場合があります。
容量
物理サイズの次は、保存できるデータ量=仮想的なサイズです。普段どれくらいのストレージ容量を使っているか、今後どうしたいかを考えて選びましょう。
写真作品や動画といった大容量ファイルを扱うなら、1TB以上を視野に入れるのがおすすめです。文書や音楽程度の個人用途であれば、500GB前後で十分でしょう。
速度
ドライブの速度(性能)は、読み書きを行うプラッタの回転速度で決まります。これはRPM(1分あたりの回転数)で表され、一般向けハードディスクは主に5400RPMと7200RPMの2種類があります。回転数が高いほど読み書きは速くなります。
「速い方が良い」と考えがちですが、必ずしもそうとは限りません。ドライブ内部の可動部品には電力が必要で、高速回転ほどシステムから多くの電力を消費します。バランス重視なら、5400RPMモデルを選ぶのも賢い判断です。
SSDへの換装という選択肢
「3年ごとにハードディスクを交換するのはもう嫌だ」という方には、SSDを起動ドライブにする選択肢があります。ソリッドステートドライブ(SSD)には電力を必要とする可動部品が一切なく、従来型のHDDよりも総じて耐久性に優れています。速度も消費電力も犠牲にしない、バランスの取れた運用が可能です。SSD換装のメリット・デメリットについては、専門ガイド記事も参考にしてみてください。
方法4:新しいドライブを自分で取り付ける
ハードディスクの交換作業は、意外にも初心者でも取り組めるほどシンプルです。節約できる修理はDIYで行おう、という姿勢には常に賛成です。しかも必要な工具はごくわずか!
お使いの機種に特化した手順を知りたい方は、iFixitのような人気のテクニカルガイドサイトが役立ちます。さまざまなパソコンモデルに合わせた修理ガイドが豊富に公開されています。
方法5:Windowsをインストールする
新しいドライブを起動ドライブとして使うには、Windows OSのインストールが必要です。もっとも手軽なのは、USBインストールメディアを使う方法です。16GB以上の空き容量があるUSBメモリにWindowsのインストールメディアをダウンロードし、そこから起動すれば準備完了です。あるいは、システムの回復メディアとバックアップ済みのファイルを組み合わせて使うこともできます。
まとめ
世の中の多くのものと同じように、ハードディスクの寿命は決して長くありません。それでも、適切なシャットダウン手順を守ったり、定期的なバックアップを習慣にしたりすることで、壊滅的なデータ損失や破損のリスクを大幅に減らせます。ときどきチェックアップアプリを実行して、ハードディスクの健康状態を把握しておくことも大切です。
プロに修理を依頼するという選択肢
「自分で修理するのは不安…」という方は、正規サービスセンターまたはサードパーティの修理業者への依頼を検討しましょう。忙しい日程の中から時間を作って自分で作業する手間を省けます。
正規サービスセンターでは、保証期間内であれば無料のサポートを受けられることが多いです。サポート内容はブランドや機種に特化しています。一方、保証が切れている場合や十分なサポートが受けられない場合は、第三者の修理業者が有力な選択肢となるでしょう。
当店Safemode Computer Serviceでは、経験豊富な技術者たちがお客様のハードディスクに最適なソリューションをご提案します。シドニーのインナーウェスト地区、Marrickville(マリックビル)やNewtown(ニュータウン)に隣接した便利な立地に店舗を構えており、修理サービスはシドニーで高く評価されています。故障したハードディスクに対して、徹底的な診断から解決までワンストップで対応いたします。Enmore店のご予約はぜひお早めにどうぞ。
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