「このワークステーションとプライマリドメインとの信頼関係に失敗しました」エラーの解決方法7選
家庭や企業環境でクライアントPCとサーバーを管理する方法には、「ワークグループ」と「ドメイン」の2種類があります。ワークグループは分散型のネットワーク構成で、10台程度までの小規模な家庭用・中小企業向けネットワークに適しています。専用サーバーが不要で、各マシンがそれぞれ独立したユーザーアカウントを持つのが特徴です。
一方、ドメインインフラは中央集権型のネットワーク構成で、数千台規模のマシンを管理できます。ドメイン環境を構築するには、Active Directory Domain Services(AD DS)とDomain Name Services(DNS)として動作するサーバーが最低1台必要です。AD DSとDNSを導入した後、ネットワーク上のすべてのマシンをドメインに参加させ、ユーザーごとにドメインユーザーアカウントを作成します。以降、ユーザーはローカルアカウントではなくドメインユーザーアカウントでログオンすることになります。ドメイン環境には、一元化されたシンプルな管理、耐障害性、1つのアカウントで複数のサービスを利用できるなど、多くのメリットがあります。
しかし、ドメインへのログオン時に次のエラーが発生するケースがあります。「このワークステーションとプライマリドメインとの信頼関係に失敗しました(The trust relationship between this workstation and the primary domain failed)」
この問題は、Windows XPからWindows 10までのクライアントOS、およびWindows Server 2003からWindows Server 2016までのサーバーOSで発生する可能性があります。原因はユーザーアカウントの問題、クライアントとドメインサーバー間の関係の不具合など、さまざまです。本記事では、Windows Server 2008 R2とWindows Server 2016で構築したドメイン環境をもとに解説します。
以下の7つの方法でこの問題を解決できます。
方法1:DHCP設定を確認する
新しいDHCPサーバーを追加したり、既存のDHCPプールを再設定したりしていませんか? 該当しない場合は次の方法へ進んでください。該当する場合は、この方法を試してみましょう。
ネットワーク上のホストにIPアドレスを割り当てる方法には、静的割り当てと動的割り当ての2つがあります。静的割り当ては手動でIPアドレスを設定するため時間がかかり、IT管理者の生産性を下げる要因になります。一般的には、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)による動的割り当ての利用が推奨されます。ベストプラクティスとしては、サーバー・ストレージ・ネットワークプリンターには静的IPを、その他のホストには動的IPを使用します。
一部のユーザーは、ネットワークに別のDHCPサーバーを追加した後に問題が発生しました。原因は、ホストに対して誤ったDHCPプールが設定されていたことでした。そのため、DHCPが正常に動作しているか、正しいネットワークサブネットを使用しているかを確認しましょう。ここでは、Windows Server 2016とTP-Link TL-ER6120ルーターでの確認方法を紹介します。想定する正しいネットワークはCクラスの192.168.1.0/24とします。
- Windowsロゴキーを押しながらRキーを押す
- 「dhcpmgmt.msc」と入力しEnterキーを押してDHCP管理ツールを開く
- サーバーを「appuals.com\IPv4\スコープ」の順に展開する。DHCPが正しく設定されていない場合、実際のネットワークが192.168.1.0/24なのに、設定が192.168.100.1/24になっているなどの不整合が確認できる。この場合はDHCP設定を変更する必要がある
- DHCP管理ツールを閉じる
次に、TP-LinkルーターでのDHCP設定確認方法を紹介します。ルーターへのアクセス方法がわからない場合は、ルーターの技術資料を参照してください。
- インターネットブラウザ(Google Chrome、Mozilla Firefox、Edgeなど)を開く
- ルーターのIPアドレスを入力して管理画面にアクセスする
- 「ネットワーク」タブから「LAN」→「DHCP」を選択し、DHCP設定を確認する。例ではDHCPが有効で、192.168.1.100~192.168.1.200の範囲に設定されており、これは正常です
- ブラウザを閉じる
方法2:コンピューターをドメインから一度外して再参加させる
この方法では、クライアントマシンをドメインから一度削除し、再度参加させます。ドメインへの参加・再参加の権限を持つドメイン管理者アカウントが必要です。ここでは、Windows Server 2016 Standard環境からWindows 10 Proを再参加させる手順を紹介します。この手順は、Windows XP~Windows 8のクライアントOS、Windows Server 2003~Windows Server 2012 R2のサーバーOSでも同様に使えます。
- ローカルのAdministratorアカウントでWindows 10にログオンする
- Windowsロゴキーを押しながらEキーを押してエクスプローラーを開く
- エクスプローラーの左側で「PC」を右クリックし、「プロパティ」を選択する
- 「システムの詳細設定」をクリックする
- 「コンピューター名」タブを選択する
- 「変更」をクリックして、マシンをワークグループに移動させる
- 「ワークグループ」を選択し、任意のワークグループ名を入力する。例では「WORKGROUP」としています
- 「OK」をクリックする
- ドメイン管理者のアカウント名とパスワードを入力し、「OK」をクリックする
- 「OK」→「OK」の順にクリックする
- 「システムのプロパティ」を閉じる
- Windowsマシンを再起動する
- ローカルのAdministratorアカウントでWindows 10にログオンする
- Windowsロゴキーを押しながらEキーを押してエクスプローラーを開く
- 「PC」を右クリックし、「プロパティ」を選択する
- 「システムの詳細設定」をクリックする
- 「コンピューター名」タブを選択する
- 「変更」をクリックして、マシンをドメインに参加させる
- 「ドメイン」を選択し、ドメイン名を入力する。例では「appuals.com」です
- 「OK」をクリックする
- ドメイン管理者のアカウント名とパスワードを入力し、「OK」をクリックする
- 「OK」→「OK」の順にクリックする
- 「システムのプロパティ」を閉じる
- Windowsマシンを再起動する
- ドメインユーザーアカウントでWindows 10にログオンする
- これでマシンを通常どおり使用できます
方法3:PowerShellで信頼関係を再確立する
この方法では、PowerShellを使ってドメインコントローラーとクライアント間の信頼関係を再確立します。ローカルのAdministratorアカウントでログオンしてください。
- ローカルのAdministratorアカウントでWindows 10にログオンする
- 「スタートメニュー」をクリックし、「PowerShell」と入力する
- 「PowerShell」を右クリックし、「管理者として実行」を選択する
- 「はい」をクリックして管理者としての実行を確認する
- 「$credential = Get-Credential」と入力しEnterキーを押す
- ドメイン管理者のアカウントとパスワードを入力し、「OK」をクリックする
- 「Reset-ComputerMachinePassword -Credential $credential」と入力しEnterキーを押す
- PowerShellを閉じる
- Windowsマシンを再起動する
- ドメインユーザーアカウントでWindows 10にログオンする
方法4:資格情報マネージャーにドメインコントローラーを登録する
この方法では、資格情報マネージャー(Credential Manager)の「Windows資格情報」にドメインコントローラーのアカウントを追加します。Windows 10での手順を紹介します。
- ローカルのAdministratorアカウントでWindows 10にログオンする
- Windowsロゴキーを押しながらRキーを押す
- 「control.exe /name Microsoft.CredentialManager」と入力しEnterキーを押して資格情報マネージャーを開く
- 「Windows資格情報」を選択する
- Webサイトまたはネットワークの場所のアドレスと資格情報を入力する
- 「OK」をクリックする
- 資格情報マネージャーを閉じる
- Windowsマシンを再起動する
- ドメインユーザーアカウントでWindows 10にログオンする
方法5:Netdom.exeでコンピューターアカウントのパスワードをリセットする
この方法は、Windows Server 2003およびWindows Server 2008 R2で利用できます。それより新しいサーバーOSを使用している場合は、次の方法を参照してください。ここでは、Windows Server 2008 R2でコンピューターアカウントのパスワードをリセットする手順を紹介します。
- ドメインAdministratorアカウントでWindows Serverにログオンする
- Windowsロゴキーを押しながらRキーを押す
- 「cmd」と入力しEnterキーを押してコマンドプロンプトを開く
- 「netdom resetpwd /s:server /ud:domain\User /pd:*」と入力しEnterキーを押す。「s」はドメインサーバー名、「domain」はドメイン名、「User」はドメインコントローラーに接続できないユーザーアカウントです
- コマンドプロンプトを閉じる
- Windowsクライアントマシンに切り替える
- Windowsマシンを再起動する
- ドメインユーザーアカウントでWindowsマシンにログオンする
- これでマシンを通常どおり使用できます
方法6:コンピューターアカウントをリセットする
この方法では、Active Directory Domain Services役割がインストールされたサーバーに統合されている「Active Directoryユーザーとコンピューター」ツールを使って、コンピューターアカウントをリセットします。手順はシンプルで、Windows Server 2003からWindows Server 2016までのサーバーOSで利用できます。
- Windowsロゴキーを押しながらRキーを押す
- 「dsa.msc」と入力しEnterキーを押して「Active Directoryユーザーとコンピューター」を開く
- ドメイン名を展開する。例では「appuals.com」です
- 「Computers」を選択する
- ドメインに接続できないコンピューターアカウントへ移動する。例では「Jasmin」というコンピューターです
- 対象のコンピューター(Jasmin)を右クリックし、「アカウントのリセット」を選択する
- 「はい」をクリックしてコンピューターアカウントのリセットを確認する
- 「OK」をクリックする
- 「Active Directoryユーザーとコンピューター」を閉じる
- Windows 10マシンを再起動する
- ドメインユーザーアカウントでログオンする
- これでWindowsマシンを通常どおり使用できます
方法7:システムの復元を実行する
システムの復元は、システムやアプリケーションのトラブルシューティングで何度も助けられた便利な機能です。すべてが正常に動作していた以前の状態にシステムを戻すことで、この問題を解決できる場合があります。ただし、システムの復元が無効になっている場合は、以前の状態に復元できない点に注意してください。あらかじめ復元ポイントが作成されていることを確認したうえで、システムの復元を実行してください。
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