「サードパーティのINFにデジタル署名情報が含まれていない」エラーの対処法
「サードパーティのINFにデジタル署名情報が含まれていない」エラーとは
パソコンにサードパーティ製ドライバーをインストールしようとした際、「The Third-party INF doesn’t contain Digital Signature Information(サードパーティのINFにデジタル署名情報が含まれていません)」というエラーメッセージが表示されることがあります。ドライバーには大きく分けて、ハードウェアメーカー以外が開発した「サードパーティ製」と、メーカー自身が開発した「公式(純正)ドライバー」の2種類が存在します。

両者の最大の違いはデジタル署名の有無です。デジタル署名とは、そのドライバーがメーカーによって正式に「署名」され、本物であることを保証する仕組みです。サードパーティ製ドライバーも動作する場合がありますが、安定性は保証されておらず、環境によっては正常に機能しないこともあります。
このエラーは、主にサードパーティ製ドライバーをインストールする際に発生します。基本的には公式ドライバーの使用をおすすめしますが、事情があってサードパーティ製を使わざるを得ないケースもあるでしょう。この記事では、このエラーを回避してドライバーをスムーズにインストールするための複数の方法を解説します。
INFファイルとは?
INFファイルは、ドライバーに付属するテキスト形式のファイルで、Windowsがドライバーをシステムにインストールするための手順が記述されています。Windows 7以前ではINFファイルにデジタル署名は埋め込まれていませんでしたが、最新のWindowsでは「ドライバー署名の強制(Driver Signature Enforcement)」機能が実装され、有効な署名を持つドライバーのみインストールできるようになっています。
注意: 対処法を試す前に、インストールしようとしているデバイス自体が正規品で問題ないことを確認してください。ハードウェアに破損や検証不能な箇所がある場合は、まずその状態を把握してから作業を進めましょう。
エラーを回避してドライバーを強制インストールするには
ドライバー署名の強制は重要なセキュリティ機能ですが、Microsoftはユーザーが署名なしドライバーをインストールできるよう複数の迂回手段を用意しています。以下では、エラーを回避してドライバーをインストールする方法を順に紹介します。
警告
作業を始める前に、すべてのサードパーティ製ドライバーが信頼できるわけではなく、中には悪意のあるものも存在することを理解しておきましょう。強制的にインストールする前に、そのドライバーが正当なものであり、PCやOSにリスクをもたらさないことを必ず確認してください。理想は、後述するようにメーカーの公式サイトからドライバーを入手することです。
注意: 管理者アカウントでログインしていること、万が一に備えてデータのバックアップを取っておくことを確認してください。
解決策1:メーカー公式サイトからドライバーをダウンロードする
同じドライバーを無理やりインストールする回避策を試す前に、まずはメーカー公式サイトから検証済みのドライバーを入手できないか確認しましょう。インストールしたいドライバーは人それぞれ異なるため、ここでは汎用的な手順を紹介します。
- まず、どのデバイスのドライバーをインストールするのかを特定します。デバイス本体のラベルを確認するか、「Windows + R」キーを押してダイアログボックスに「devmgmt.msc」と入力し、Enterキーでデバイスマネージャーを開いて確認します。
- 対象のドライバーを特定したら、メーカーの公式サイトにアクセスします。

- ドライバーが見つかったら、複数のダウンロードオプション(Windowsのバージョン別など)が表示されます。自分の環境に合ったものを選び、アクセスしやすい場所に保存します。
- ダウンロードした実行ファイルをダブルクリックして直接インストールできます。うまくいかない場合は、再度デバイスマネージャーを開き、対象デバイスを右クリックして「ドライバーの更新」を選択します。
- 「コンピューターを参照してドライバーを検索」を選択し、ダウンロードしたドライバーの場所を指定します。
- インストール完了後、パソコンを再起動し、問題が解決したかどうかを確認します。
解決策2:コマンドプロンプトでドライバー署名の強制を無効にする
ドライバー署名の強制を無効化する方法は主に2つあります。1つはコマンドプロンプトを使う方法、もう1つはスタートアップ設定から行う方法です。ここでは、より簡単で効率的な前者の方法を先に紹介します。作業前に管理者としてログインしていることを確認してください。
- 「Windows + S」キーを押し、検索ボックスに「コマンドプロンプト」と入力します。アプリを右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- コマンドプロンプトが開いたら、以下のコマンドを実行します。
bcdedit /set loadoptions DDISABLE_INTEGRITY_CHECKS & bcdedit /set testsigning on

- コマンドプロンプトを閉じてパソコンを再起動します。その後、ドライバーのインストールを試みて、問題が解決したか確認してください。
補足: 設定を元に戻す場合は、管理者権限のコマンドプロンプトで「bcdedit /set testsigning off」を実行して再起動すれば、テストモードを解除できます。
解決策3:スタートアップ設定からドライバー署名の強制を無効にする
上記の方法でうまくいかない場合は、スタートアップ設定からドライバー署名の強制を無効化してみましょう。Windowsのスタートアップ設定には、セーフモードなど回復環境(RE)に入るためのさまざまなオプションが含まれています。このメニューにアクセスしてドライバーをインストールします。管理者としてログインしていることを確認してください。
- 画面左下のWindowsアイコン > 電源 > 「Shift」キーを押しながら「再起動」をクリックします。
- この操作でWindowsが回復環境(青い画面に複数のオプションが表示される状態)で起動します。「トラブルシューティング」をクリックします。

- 「詳細オプション」をクリックします。

- 次の画面で「スタートアップ設定」を選択します。

- スタートアップ設定の画面で「再起動」ボタンをクリックし、パソコンを完全に再起動します。

- 再起動後、複数のスタートアップ設定が表示されます。キーボードの数字キー「7」を押します。これが「ドライバー署名の強制を無効にする」に対応しています。

- 変更を適用すると、デジタルドライバー署名の強制が無効になった状態でWindowsが起動します。これで、問題となっていたドライバーをインストールできるようになります。
補足: この方法による無効化は一時的なもので、次回の再起動時には元の設定に戻ります。恒久的に無効化したい場合は、解決策2のbcdeditコマンドを使用してください。
解決策4:システムファイルチェッカー(SFC)を実行する
Microsoftが検証した公式ドライバーを公式サイトからダウンロードしてもまだエラーが表示される場合、Windowsのシステムファイル自体に問題がある可能性があります。これは、ドライバー署名の強制モジュールが破損していたり、誤った構成になっていたりする場合に起こり得ます。ここでは、システムファイルチェッカー(SFC)を実行し、すべてのシステムファイルをスキャンしてオンラインのマニフェストとの不整合を調べます。問題が見つかった場合、破損したファイルは新しいコピーに自動的に置き換えられます。
- 「Windows + S」キーを押し、「コマンドプロンプト」と入力して、アプリを右クリックし「管理者として実行」を選択します。
- 管理者権限のコマンドプロンプトで、以下のコマンドを1つずつ実行し、完了するのを待ちます。
sfc /scannow
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth

- 2番目のコマンド(DISM)は、SFCのスキャンで検出された問題を修復します。システムファイルチェッカーは、定義済みのマニフェストと照らし合わせてすべてのWindowsファイルを分析し、不整合を検出すると警告を表示した上で、Webから新しいコピーをダウンロードして不良ファイルを置き換えます。
解決策5:Windowsインストールの診断・修復
上記のすべての方法がうまくいかず、有効なドライバーをインストールしようとしているのにエラーで妨げられる場合は、Windows自体に問題がある可能性があります。まずWindowsを最新ビルドに更新して問題が解決するか確認し、それでもダメなら問題が発生していなかった時点の復元ポイントから復元を試みます。それでも失敗する場合は、ISOファイルからWindowsをクリーンインストールしましょう。
- 「Windows + S」キーを押し、「update」と入力してWindows Updateの設定を開きます。
- 設定画面で「更新プログラムのチェック」をクリックします。

Windowsが利用可能な更新プログラムのチェックを開始します。見つかった場合は、必ずダウンロードとインストールを行い、パソコンを適切に再起動してください。
Windowsを最新ビルドに更新しても改善しない場合は、システムの復元を試みます。復元ポイントは、新しいアプリケーションのインストール時や更新プログラムの適用時に自動的に作成されます。ここでは、Windowsが正常に動作していたと思われる時点を自分で判断する必要があります。以下の手順で利用可能な復元ポイントから選択してください。
- 「Windows + S」キーでスタートメニューの検索バーを開き、「復元」と入力して、結果の最初に表示されるプログラム(復元ポイントの作成)を選択します。
- 復元の設定画面で、「システム保護」タブ内の上部にある「システムの復元」をクリックします。
- ウィザードが開き、システムの復元手順が案内されます。「次へ」を押して以降の指示に従います。

- 表示されたオプションの一覧から復元ポイントを選択します。復元ポイントが複数ある場合は、すべてここに表示されます。

- 最後にWindowsが操作内容の確認を求めてきます。作業中のデータを保存し、重要なファイルをバックアップしてから、復元プロセスを実行しましょう。
システムの復元の仕組みや処理内容について詳しく知りたい方は、関連記事もあわせて参考にしてください。
システムの復元でも問題が解決しない場合は、「Windows 10のクリーンインストール方法」の記事を参照してください。クリーンインストールによって問題が解決するはずです。
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