Macで保存されていないPhotoshopファイル(PSD)を復元する方法【クラッシュ対策ガイド】
グラフィックデザイナーやフォトグラファーをはじめとするクリエイターにとって、Adobe Photoshopは日々の仕事に欠かせないツールです。その一方で、作業中に突然クラッシュし、保存していなかったファイルを失った経験を持つ方も少なくないでしょう。突然のクラッシュは大きなストレスですが、保存されていないPhotoshopファイルも、状況によっては復元できる可能性があります。場合によっては、専用のデータ復元ソフトをインストールしなくても済むこともあります。
Photoshopがクラッシュする主な原因

Adobe Photoshopは1990年の登場以来、長年にわたって愛用されてきた定番ソフトですが、深刻なクラッシュに悩まされているユーザーの報告は後を絶ちません。Adobeの公式ディスカッションボードには、実際に以下のような投稿が寄せられています。
- 「1時間前にPS CC 2019をダウンロードしましたが、この間ずっとアプリがクラッシュし続けており、作品制作が一切進みません。」
- 「昨晩から、起動直後から約1分後にPhotoshopがクラッシュするようになりました。作業内容に関係なく発生します。」
- 「IllustratorやAfter Effectsなどと一緒にAdobeクラウドパッケージでPhotoshopをダウンロードしました。他のアプリは問題なく動作するのに、Photoshopだけは開くたびにクラッシュします。」
このように、最新バージョンのPhotoshopでもクラッシュが起こることがあります。未修正のバグに遭遇したケースを除けば、主な原因は以下の5つのうちのいずれかであることがほとんどです。
- OSが古い:古いバージョンのmacOSを使用していると、開発者が最新OSへの対応に注力しているために気づいていない不具合に遭遇することがあります。解決策はシンプルで、OSをアップグレードすることです。
- ハードウェアの問題:Photoshopは高性能なCPUとGPUを必要とする負荷の高いアプリです。ハードウェアのスペックが低く、操作のたびに動作が重くなるような環境では、フリーズや応答なしも珍しくありません。
- メモリ(RAM)不足:Apple製Macは搭載メモリが控えめな傾向があります。8GB以下のRAMしかないエントリーモデルのMacでは、他のアプリをできるだけ閉じて、Photoshopに十分なメモリを確保しましょう。RAMが不足すると快適な動作は期待できません。
- ストレージ容量の不足:Photoshopは作業中にさまざまな一時ファイルを書き出すため、ストレージが満杯だと正常に動作できません。高速なSSDへの換装は、パフォーマンスだけでなく安定性の向上にもつながるおすすめの投資です。
- 不具合のあるプラグイン:プラグインは便利な反面、安定性の問題を引き起こす要因にもなりがちです。サードパーティ製プラグインの開発者はAdobe社の開発者ほど熟練していないことも多く、Photoshopを不安定にしたり、使いものにならなくしたりするプラグインも少なくありません。
Photoshopがクラッシュする理由がわかったところで、次にMacでPhotoshopファイルを復元する具体的な方法を解説します。
削除したPhotoshopファイルを復元する方法
誤って必要なPhotoshopファイルを削除してしまうのは、誰にでも起こりうるトラブルです。幸い、誤って削除したファイルを復元するには、特別な知識や大掛かりな作業なしに試せる実績ある方法がいくつかあります。
方法1:ゴミ箱フォルダから復元する
まずはゴミ箱フォルダを確認しましょう。Macでは削除されたファイルはゴミ箱に一時的に保管されるため、専用ソフトを使わずに簡単に元に戻せます。
ゴミ箱から削除したPhotoshopファイルを復元する手順:
- Dockからゴミ箱フォルダを開きます。
- 目的のPSDファイルを探します。

- ファイルを別のフォルダへ移動します。
この方法では完全に削除されたファイルは復元できませんが、続く2つの方法なら対応できる可能性があります。ただし、完全に削除されたファイルはデータが上書きされると復元不能になるため、早めに復元作業を始めることが重要です。
方法2:Time Machineで復元する
macOS標準のバックアップ機能「Time Machine」を使えば、削除されたPSDファイルを確実に復元できます。ただし、事前にTime Machineを有効化してバックアップを作成していた場合に限ります。設定済みであれば、追加ソフトをインストールすることなく、以下の手順でファイルを取り戻せます。
Time Machineで削除したPhotoshopファイルを復元する手順:
- Time MachineのバックアップディスクをMacに接続します。
- Photoshopファイルが保存されていたフォルダへ移動します。
- メニューバーのTime Machineアイコンをクリックし、「Time Machineに入る」を選択します。

- タイムラインまたは上下の矢印を使って、目的のファイルが含まれるバックアップを選択します。
- ファイルを選択して「復元」をクリックします。

残念ながら、Time Machineで復元できるのはシステムドライブに保存されていたファイルのみです。外付けHDD、USBメモリ、メモリカードからPSDファイルを復元したい場合は、次の方法を利用してください。
方法3:データ復元ソフトを使う
Macには削除ファイルを復元する手段がいくつか用意されていますが、それでも復元できない場合は、データ復元ソフトという最終手段の出番です。
データ復元ソフトはストレージ内を詳細にスキャンし、削除されたファイルの痕跡を検出します。優れたデータ復元ソフトは、Photoshopファイル(PSD)をはじめ、PNG、TIFF、JPG、GIFなどPhotoshopユーザーがよく使う画像形式を含む数百種類のファイル形式に対応しています。
「データ復元ソフトは難しそう」と感じる方もいますが、中にはTime Machine並みに簡単で洗練された操作性を持つ製品もあります。その代表例がDisk Drillです。
Disk Drillなら、数回のクリックだけで、あらゆるデバイスから削除されたPhotoshopファイルを復元できます。基本版は公式サイトから無料でダウンロードできるため、復元可能かどうかを確認するだけならクレジットカードを出す必要もありません。
Disk Drillで消失したPhotoshopファイルを復元する手順:
- Disk Drill for Macをダウンロードしてインストールします。

- Disk Drillを起動し、消失したPSDファイルがあったストレージデバイスをスキャンします。

- スキャンが完了するまで待ちます。
- スキャン結果を確認し、復元したいファイルにチェックを入れて「復元」をクリックします。

- 適切な復元先を選択します。

復元先フォルダを開けば、PSDファイルが正しく復元されていることを確認できます。Disk Drillを使えば、削除ファイルの復元はこれほど簡単に行えるのです。
保存されていないPhotoshopファイルを復元する方法
まだ一度も保存されていないPhotoshopファイルが存在しうる場所は、主に3つあります。RAM(メモリ)、AutoRecoverフォルダ、そして一時ファイルです。
理論上はRAMからの復元も不可能ではありませんが、データ復元のプロでも極めて運が良くなければ成功は難しい領域です。一方、AutoRecoverフォルダや一時ファイルからの復元は、はるかに現実的な選択肢となります。
方法1:AutoRecoverフォルダ(自動保存場所)から復元する
Adobe Photoshopには、一定間隔で復元情報を自動保存する機能があります。「環境設定 > ファイル管理」でこの機能が有効になっていれば、AutoRecoverフォルダ(自動保存場所とも呼ばれます)から保存前のファイルを取り戻せる可能性があります。
AutoRecoverフォルダの場所は以下の通りです。
~/Library/Application Support/Adobe/Adobe Photoshop XXX/AutoRecover
「Adobe Photoshop XXX」の部分は、お使いのバージョン名(例:「Adobe Photoshop 2020」)に置き換えてください。
AutoRecoverフォルダからPSDファイルを復元する手順:
- Finderを開きます。
- メニューバーの「移動」から「フォルダへ移動」を選択します。

- AutoRecoverフォルダのパスを入力します。
- 保存されていなかったPhotoshopファイルを選択します。
- 安全な場所にコピーします。
方法2:一時ファイルから復元する
AutoRecoverフォルダに目的のPSDファイルが見つからない場合は、一時ファイル(Temporary Files)フォルダも確認してみましょう。これはすべてのMacに存在する隠しフォルダで、OSやアプリが将来必要になるかもしれないファイルを一時的に保管しています。
ただし、この方法の信頼性は決して高くありません。Photoshopを終了したりMacを再起動したりすると、一時ファイルは自動的に削除されるためです。とはいえ、試すのにかかる時間は1分程度なので、運が味方するかもしれません。
Macの一時ファイルからPhotoshopファイルを復元する手順:
- Finderを開き、「アプリケーション > ユーティリティ」へ移動します。
- ターミナルを起動します。
- 以下のコマンドを入力してReturnキーを押します:open $TMPDIR

- 保存されていなかったPhotoshopファイルを探します。
- 安全な場所にコピーします。
方法3:「最近使った項目を開く」からアクセスする
これはおまけとして紹介する方法です。厳密には復元というより、予期せず閉じられてしまったPhotoshopファイルへアクセスするための別の手段と言えます。
最近閉じたPhotoshopファイルを開く手順:
- Adobe Photoshopを起動します。
- メニューバーから「ファイル」を選択します。
- 「最近使った項目を開く」をクリックし、目的のPhotoshopファイルを選択します。

ここにファイルが表示されなければ、Photoshopはそのファイルの存在を認識しておらず、保存されていないことの裏付けになります。逆に、最近使ったファイルの一覧には表示されるのに開けない場合は、ファイルが誤って削除された可能性があります。その場合は、本記事で前述した「削除したPhotoshopファイルを復元する方法」を参考にしてください。
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