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Microsoft Managed Desktop(MMD)とは?概要・メリット、そして2024年のサービス終了について徹底解説

Microsoft Managed Desktop(MMD)とは?概要・メリット、そして2024年のサービス終了について徹底解説

Microsoft Managed Desktop(MMD)は、Microsoftが提供していたクラウドベースのデバイス管理サービスです。組織におけるデバイスのプロビジョニング、構成、保守、管理を簡素化し、ITSM(ITサービスマネジメント)、運用、コンプライアンス、セキュリティ監視およびインシデント対応までを一元的に効率化することを目的としていました。

MMDの利用にはMicrosoft 365 E3ライセンスの購入が必要であり、すべてのMMDユーザーにMicrosoft Defender for Endpoint(または同等の製品)を割り当てることが求められていました。

しかし、Microsoftは2024年7月31日にMMDのサービスを終了しました。これにより、MMDに対するセキュリティ更新プログラムや品質更新プログラム、テクニカルサポートは提供されなくなり、MicrosoftのエンジニアによるMMD顧客からのサービス要求への対応も終了しています。

MMDが提供していたデバイスサービス

デバイス管理ソリューションとして、MMDには多彩なデバイス関連サービスが含まれていました。Microsoftは、MMDサブスクリプションを購入した組織に対し、これらのサービスをクラウド経由で提供していました。

提供されたサービスは、次の5つの主要分野をカバーしていました。

  1. デバイスのセットアップ
  2. インベントリ(資産管理)
  3. ファームウェアおよびドライバーの更新
  4. アクセサリ
  5. サポート

1. デバイスのセットアップ

デバイスのセットアップでは、Microsoftが当時最新のWindows(Windows 10または11)を事前構成済みの状態でデバイスを提供しました。また、クラウド経由でアプリや構成情報も配信されました。デバイスのプロビジョニング(命名や構成)にはWindows Autopilotを活用し、ダウンタイムを最小限に抑えながらシームレスなユーザー体験を実現していました。さらに、デバイスの構成と管理にはMicrosoft Endpoint ManagerとMicrosoft Entra IDが使用されていました。

2. インベントリ管理

MMDによるデバイスのインベントリ管理では、Microsoftがすべてのデバイスを追跡しました。管理対象の全デバイスはセキュリティ問題がないか継続的に監視され、エンドポイントの管理・保護を行うMicrosoftのコマンドセンターであるMicrosoft Intuneの管理センターでデバイスの状態が随時更新されました。

Microsoft Managed Desktop(MMD)とは?概要・メリット、そして2024年のサービス終了について徹底解説
Intuneは、エンドポイントの管理と保護を行うためのMicrosoftのコマンドセンターです。

3. ファームウェアとドライバーの更新

すべてのMMDデバイスは、デフォルトでWindows Updateから最新のファームウェアおよびドライバーの更新を受け取り、デバイスを安全かつ安定した状態に保てるようになっていました。Microsoftは、Windows 10/11およびMicrosoft 365 Apps for enterpriseの最も安全で安定したバージョンをプロアクティブに管理し、独自のセキュリティベストプラクティスに基づいてユーザーとデバイスを保護するためのセキュリティベースラインを作成していました。

4. アクセサリ

MMDの対象となるデバイスに付属するアクセサリも、デバイス本体と同じサービスの対象となりました。ただし、デバイス本体とアクセサリでは保証条件が異なる場合があるため、MicrosoftはMMD対象のデバイスを選定する際に保証条件を確認するよう推奨していました。

5. サポート

5つ目の柱はサポートです。Microsoftのサポート担当者がデバイスの機能に関する質問に対応し、デバイスの問題の診断を支援しました。専任のサービスエンジニアがサービス管理と運用サポートを担当し、セキュリティ専門チームがデバイスのセキュリティ監視と修復サービスを提供していました。

MMDは、Microsoft 365 Enterprise(Windows 10/11 EnterpriseおよびOfficeアプリを含む)を統合的に提供していました。MMDサブスクリプションを購入すると、ユーザーは引き続きWindows 10、Windows 11、Microsoft 365 Apps for enterpriseの最新バージョンを利用できました。また、このサービスはMicrosoft App Assuranceプログラムと統合されており、Microsoftの専門家がデバイスのアプリケーション互換性の問題を診断・修復できるよう支援していました。

一方、以下のようなサービスはMMDには含まれていませんでした。

  • MMDサービスで提供されるデバイスおよびアクセサリの個人設定やカスタマイズ
  • デバイスの内部ストレージに保存されたデータの復旧
  • デバイスの電源投入と初期セットアップ

注意: Windows 10のサポートは2025年10月に終了します。Windows 10ユーザーは、できるだけ早くWindows 11への移行を検討することをお勧めします。

MMDのメリット

MMDサブスクリプションを購入した組織にとって最大のメリットは、Microsoftの専門家による技術的・運用的なサポートでした。MicrosoftのService Engineering(運用)チームが、インシデントに関するサポート要求、情報要求(RFI)、変更要求に対応していました。

さらに、MicrosoftのSecurity Operations Center(SOC)チームからのサポートも受けられました。SOCチームの主な目的はMMDのデバイスとデータを保護することであり、MMDサブスクリプションにはデバイスのセキュリティ監視とインシデント対応が標準で含まれていました。

SOCチームは、Microsoft Security Baseline、Microsoft EntraのマネージドID、生体認証、事前定義されたデバイスプロファイルなど、デバイスセキュリティおよびID・アクセス管理(IAM)に関連する多数のツールとテクノロジーを活用していました。MMDデバイスのセキュリティをさらに強化するため、SOCのセキュリティエンジニアはMicrosoft Defenderウイルス対策を導入し、ボリューム暗号化ソリューション(Windows BitLocker)を採用していました。加えて、Microsoft Defender for Endpointによる脅威の監視や、最新のセキュリティ更新プログラムによるデバイスの保護も実施していました。

MMDは、デバイスとアプリのパフォーマンスに関する可視性も提供していました。SOCチームはセキュリティ脅威を監視し、最新の脅威データを活用してセキュリティアラートへの対応やセキュリティインシデントの管理を行いました。プロアクティブな監視を通じて、ストップエラー、Microsoft Defenderファイアウォール、BitLockerに関連する一般的なセキュリティ問題を修復しました。また、デバイスを常時監視して正常性に関する洞察を提供し、セキュリティ問題の早期警告を行うことで、MMDデバイスに絶え間ない保護を実現していました。

さらに、MMDによってデバイスは常に最新のWindows品質更新プログラムと自動的に同期されるため、管理者やユーザーは他のより重要なタスクに集中できました。

MMDサブスクリプションの購入後、組織は追加のオプションサービスを構成することも可能でした。特に、価値の高い企業資産を保護する必要がある場合には有効です。例えば、デバイス上の重要な情報をOneDrive for Businessにバックアップできます。MicrosoftはOneDriveクライアントの安全な動作を保証し、Microsoft 365 Apps内のすべてのデータをOneDrive for Businessバックエンドに同期させました。高度な情報セキュリティが必要な企業向けには、Windows Information Protection(WIP)やAzure Information Protectionの購入も可能でした。なお、WIPは2022年7月以降非推奨となっており、Azure Information Protectionは現在「Microsoft Purview Information Protection」と呼ばれています。

MMDのクラウドベースのインフラと展開リング

MMDサービスを通じて、Microsoftはデバイスをモダンなクラウドベースのインフラに接続しました。MMDのすべての機能とサービスはクラウド経由で提供され、以下が含まれていました。

  • デバイスのプロビジョニング
  • デバイスの構成
  • デバイス管理(更新を含む)
  • デバイスのセキュリティ監視
  • インシデント対応
  • ITSMと運用

OSの更新プログラムやポリシーを安全に展開するため、Microsoftは更新グループを使用しました。Windows品質更新プログラムの管理には、4つの展開リング(deployment ring)が採用されました。この4リングシステムでは、Microsoft Entra IDの割り当て済みグループが4つ作成され、それらを使ってデバイスを更新グループに分割していました。

4つのMMD展開リングは次のとおりです。

  • Modern Workplace Devices – Test: 本番環境への展開前に更新プログラムをテストするための展開リング
  • Modern Workplace Devices – First: アーリーアダプター向けの本番展開リング
  • Modern Workplace Devices – Fast: 迅速な本番展開と採用のための展開リング
  • Modern Workplace Devices – Broad: 組織全体への広範な展開のための展開リング

MMDはデバイス登録時に、MMDテナントの既存の管理デバイス規模に基づいてリングを「算出」し、どのデバイスをどのリングに割り当てるかを決定していました。これら4つのリングはそれぞれ異なる更新展開ポリシーに対応しており、MMDに登録されたデバイスへの更新の展開を制御・合理化していました。また、MMDデバイスを4つのリングのいずれかに割り当てることで、組織全体のデバイスの多様性が適切に反映されることも保証されていました。

MMDは各リング内のデバイスを監視し、自動的な展開リング修復機能を提供していました。これらの機能は、デバイスがセキュリティ脅威にさらされる脆弱性を最小限に抑えることを目的としていました。デバイス登録プロセス中に展開リングへ割り当てられなかった場合や、IT管理者がMMDテナント登録時に作成されたオブジェクトに変更を加えた場合、デバイスは脆弱な状態になる可能性がありました。

MMDにおける役割と責任の分担

MMDサービスでは、さまざまな役割と責任が定められており、その一部はMicrosoft側、一部は顧客側に割り当てられていました。Microsoftが担っていた役割は以下のとおりです。

  • MMDサービスのサポート: MMD Operationsチームが、組織のMMD環境における技術的な修復、変更要求、インシデント管理を担当しました。このチームは、デバイスグループとユーザーグループの作成・管理も担っていました。
  • モバイルデバイス管理(MDM)ポリシーの管理: Microsoftは適切かつ実績のあるMDMポリシーを適用し、セットアップ時にMDMデバイスの構成を最適化しました。
  • セキュリティ監視と更新の監視: MicrosoftはMMDデバイスを積極的に監視し、脅威を軽減するとともに、最新の更新プログラム(品質更新と機能更新)がデバイスにインストールされていることを確認しました。
  • 変更管理: 機能更新、新機能、新アプリケーション、問題に対するクライアント修正プログラム(hotfix)、セキュリティ更新プログラム、機能の廃止など、MMD環境への変更を計画する際には、MicrosoftがMMD顧客に通知しました。
  • ユーザーサポート: ユーザーに影響を与えるデバイスの問題が発生した場合、ITチームはMicrosoftにサポート要求を提出でき、Microsoftは重大度の定義に従ってこれらの問題に対応する義務を負っていました。

一方、MicrosoftではなくMMD顧客組織に割り当てられた役割と責任もありました。例えば、組織は独自の変更管理プロセスを持つことが求められ、すべてのID管理タスクに責任を負う必要がありました。顧客は以下についても責任を負っていました。

  • Microsoft 365のサービスとポリシーの管理
  • コラボレーションツール、SharePointサーバーの管理、ドメイン管理
  • 直接または指定のサポートパートナーを通じたユーザーサポートの提供
  • MMD対象外デバイスのセキュリティ監視とインシデント対応

AIはITSMを変革する可能性を秘めていますが、組織がこれらのテクノロジーを導入する際にはいくつかの課題に直面する可能性があります。また、テンプレートを活用したインシデント対応プレイブックの作成方法も併せてご確認ください。

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