DOSBoxでMacにレトロDOSゲームを蘇らせる方法|導入からゲーム起動まで徹底解説
Windows 9x系の時代以前、PCゲームの主役はDOSでした。「DOOM」「Quake」「Zork」など数百本の名作が、当時としては原始的だったOSの機能を駆使して生まれ、今なお十分に遊べるクオリティを保っています。macOSはゲーミング向けとは言えませんが、実はMacでもDOSゲームは楽しめるのです。この記事では、あらゆるプラットフォームで最高の評価を誇るDOSエミュレータ「DOSBox」を使って、macOS上でDOSゲームをプレイする方法を詳しく解説します。
補足: WindowsやLinuxユーザー向けの手順は、それぞれ別記事をご覧ください。
なぜDOSBoxを選ぶのか?
macOSで動作するDOSエミュレータは他にもあるのに、なぜDOSBoxなのでしょうか?例えば、DOSBoxプロジェクトのフォークである「DOSBox-X」なども選択肢の一つです。しかし、以下の理由からDOSBoxが群を抜いておすすめです。
- セットアップが非常に簡単: 仮想ハードドライブの作成やハードウェア設定など、面倒な作業が必要ありません。
- マルチプラットフォーム対応: WindowsからMacへ移行しても、そのまま同じDOSBoxとお気に入りのDOSゲームを使い続けられます。
- 完全無料: コストゼロで始められるのは大きな魅力です。
- オリジナル環境を忠実に再現: 単に新しいシステムで動くようにゲームを変換するのではなく、当時の実行環境そのものをエミュレートします。古いハードウェアまで再現されるため、問題なくスムーズに動作します。古いIBM互換機を掘り出さずに済む、最も本物に近い体験が得られるのです。
これらの理由から、macOSでお気に入りのDOSゲームを遊びたいなら、まずDOSBoxから始めるのがベストでしょう。
DOSBoxのダウンロードとインストール
1. 開発元の公式サイトからDOSBoxをダウンロードします。必ず「Mac OS X」用のバージョンを選択してください。どれを選べばよいか分からない場合は、SourceForgeからmacOS版DOSBoxをダウンロードすると安心です。
2. FinderでダウンロードしたDMGファイルをマウントします。
3. 「DOSBox.app」をお好みのフォルダ(通常はアプリケーションフォルダ)にコピーします。DOSBoxはどのフォルダからでも起動可能ですが、DMG内のテキストファイルをコピーする必要はありません。
DOSBoxフロントエンドについて
同じダウンロードページでは、いわゆる「フロントエンド」と呼ばれるアプリも入手できます。フロントエンドとは、DOSBoxのエミュレーションコードを実行しつつ、それを専用のコンテナアプリで包んだものです。
通常、コンテナアプリは機能拡張やゲームの読み込み・保存の簡略化を目的としています。macOS向けフロントエンドとして最も有名だったのは「Boxer」ですが、2016年以降更新が止まっており、Catalina以降のmacOSでは動作しません。ゲームアイコンへのドラッグ&ドロップだけで即座に遊べる手軽さとライブラリ管理機能が魅力でしたが、残念ながら現行環境では使えません。
Appleが32ビットアプリのサポートを終了したため、CatalinaやBig Surで使うには64ビット版のフロントエンドが必要です。thec0de.comが64ビット版を作成していますが、一部ユーザーからフレームレートの問題が報告されています。どうしてもフロントエンドが必要なら試してみる価値はありますが、完璧に動作するとは限りません。
このガイドでは、スタンドアロン版のDOSBox for macOSを使う方法を紹介します。
DOSBoxの起動とゲームのプレイ方法
DOSBoxのアイコンをダブルクリックすると、新しいDOSセッションが開きます。テキストのみのインターフェースが表示されたコンソールウィンドウが出てくるはずです。
DOSに馴染みのない方にとっては謎めいた画面ですが、これは「DOSプロンプト」と呼ばれるものです。マウスでGUIを操作する代わりに、コマンド名と対象を入力してEnterキーを押すことで操作を行います。
これは昔ながらのコンピュータの使い方なので、現代のユーザーには少し慣れが必要かもしれません。ただし、ゲームを起動するだけなら、覚えるべきコマンドはごくわずかです。
覚えておきたい基本のDOSコマンド
作業を進めるうえで、以下のコマンドを覚えておきましょう。また、DOSのファイル名は8文字以内という制約があるため、整理のためにゲームフォルダ名も8文字以内に短縮しておくのがおすすめです。
cd directory: 指定したディレクトリまたはパスへ移動する。cls: 画面を消去する。dir: 現在のディレクトリの中身を表示する。help command: 指定したコマンドのヘルプを表示する。type textfile: テキストファイルの中身を表示する。start filename: 指定したアプリケーションを新しいウィンドウで開く。ディレクトリにも使用可能。
ディレクトリのマウントとゲームの起動
ゲームを読み込む前に、DOSBox内でディレクトリを「マウント」する必要があります。これにより、指定したフォルダがDOS上のC:ドライブとして認識され、その中のファイルをDOSBoxから利用できるようになります。C:はDOSにおけるメインハードドライブの位置づけなので、マウントしたフォルダはエミュレータの主要ストレージとして扱われます。
1. 以下のコマンドでディレクトリをマウントします:
> mount C /path/to/dos/games
2. C:と入力してC:ドライブに切り替えます。
> C:
3. C:ドライブの中身を確認します:
> dir
4. cd(change directory)コマンドでディレクトリを移動し、プレイしたいゲームのフォルダに入ります:
> cd SIMC2000
アプリケーション名と拡張子を入力して起動します。どのファイルを実行すればよいかわからない場合は、ゲーム名と同名のEXEファイルか、「START.COM」という名前のファイルを試してみてください。
> START.COM
ゲームが起動すると、DOSプロンプトは消えて画面がゲームに切り替わります。ゲームが対応していれば、ここからマウスも使えます。
DOSプロンプトに戻りたいときは、ゲーム内から終了を選択してください。メニューから「quit(終了)」オプションを選ぶ必要がある場合もあります。終了方法はゲームによって異なります。
ディレクトリの自動マウント設定
ゲーム起動の手間を省きたいなら、DOSBoxの設定ファイルを編集して、起動時に自動的にmountコマンドが実行されるようにしましょう。
1. 「~/Library/Preferences/DOSBox 0.74-3 Preferences」という設定ファイルをTextEditで開きます。
設定ファイルの正確な名前は、DOSBoxのバージョンによって異なります。
2. ファイルの末尾までスクロールし、「[autoexec]」セクションにマウントコマンドを追加します。追加コマンドも1行に1つずつ記述できます。編集が終わったらファイルを保存してください。
3. 次回DOSBoxを起動したときから、マウントコマンドが自動的に実行されます。
DOSBoxで遊べる人気DOSゲーム
DOSBoxで動かすには、もちろんゲームが必要です。DOSBoxならほぼすべてのDOSゲームをプレイできますが、macOSとの相性はゲームによって異なるため、DOSBox互換ゲームの完全リストを確認しておきましょう。無料・シェアウェアのDOSゲームは「ClassicDOSGames」や「DOSGames.com」からダウンロードでき、「GamesNostalgia」でもDOSを含む多彩なレトロゲームが見つかります。有料タイトルなら「GOG」がおすすめで、多くのDOSゲームが1本10ドル未満で購入できます。
どのゲームから始めればいいかわからない方は、DOSBox対応の以下の人気タイトルをチェックしてみてください。
- プリンス・オブ・ペルシャ(1989年) – 当時の常識を覆した伝説的アクションプラットフォーマー。剣術と飛び道具が交錯する戦闘、時間との勝負、ダンジョン攻略、多彩な敵や障害物、そして美しいアニメーションが魅力です。続編「Prince of Persia 2: The Shadow and the Flame」もぜひ。
- DOOM(1993年) – テレポーテーション実験で火星に悪魔の軍勢が解き放たれたら、人類の命運はあなたの腕にかかっています。コンピュータゲーム史上の金字塔とも言われる作品で、少なくとも一度はプレイすべき名作です。
- Wolfenstein 3D(1992年) – 3Dシューティングというジャンルを世界に広めた先駆者であり、後のDOOMの成功への道を開いた作品。ヴォルフェンシュタイン城からの脱出を目指し、何体のナチス兵を倒せるでしょうか?
- Oregon Trail(1990年) – 見た目以上に難易度の高い古典的サバイバルゲーム。開拓者の一行と共に西部へ向かい、目的地にたどり着けるよう正しい判断を下しましょう。楽しいミニゲームも収録されています。
- Dangerous Dave(1990年) – 多くのプレイヤーがプラットフォーム系ゲームに触れるきっかけとなった作品。シンプルな内容で、10のレベルからトロフィーを回収しながら、数々の障害や挑戦を乗り越えていくゲームです。
- Scorched Earth(1991年) – 最大10人の人間やCPUと対戦できるターン制サバイバルゲーム。一見シンプルに見えますが、戦車を使った戦争を描いた高度なストラテジーゲームです。
- Blood(1997年) – ホラー好きなら必見のDOSゲーム。クラシックホラー映画への数々のオマージュも見どころで、邪悪なカルトと戦う爽快な一人称視点シューティングです。
- Warcraft: Orcs & Humans(1994年) – 後に絶大な人気を博すMMORPG「World of Warcraft」へと繋がるWarcraftシリーズの第一作。ファンタジーの世界で腕を競えるリアルタイムストラテジーゲームです。
- X-Com: UFO Defense(1994年) – 「UFO Enemy Unknown」の名でも知られるターン制ストラテジーゲーム。シリーズ第一作で、チームを率いてエイリアンの情報を収集し、その脅威の実態が判明次第反撃に出ます。
- Wasteland(1988年) – 米ソ間の核戦争後、残されたのは荒廃した大地だけ。しかし、突然変異体や略奪者たちが、生き延びようとする人々に迫りつつあります。人類の安全を守るのはあなたです。
- Sid Meier's Civilization(1991年) – 今なおPCゲーム史上屈指の人気を誇る作品。ターン制ストラテジーで文明を築き、覇権を握ることを目指します。実はボードゲーム版Civilizationがこのゲームのインスピレーション源でした。
まとめ
お気に入りのレトロゲームとおさらばする必要はありません。無料のDOSBoxをダウンロードして、DOSゲームを用意すれば、macOS上で何時間でも夢中で遊べます。あなたのおすすめのDOSゲームやプレイ体験があれば、ぜひコメント欄で教えてください。
新しいMacへの買い替えを検討している方は、こちらの詳しい購入ガイドも参考にしてみてください。
画像クレジット: Wikimedia Commons/Gatesbillou, Wikimedia
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