Windows 11にアップデートする前に必ずやっておきたい9つのこと
Windows 11は数々の優れた新機能をもたらし、OSのアップデートは毎回新たなスタートを切る絶好のチャンスとなります。ただし、Microsoftは新しいOSへの移行を簡単にしてくれているとはいえ、クリーンなインストールを実現するには事前の準備と確認が欠かせません。
このガイドでは、Windows 11へアップグレードする前に済ませておくべき9つのことを順番に解説します。目的は、お使いのPCがMicrosoftのシステム要件を満たしているかを確認し、万が一のトラブルに備えて完全なバックアップを用意しておくことです。
それでは始めましょう。
1. システム互換性の確認
まずは、お使いのPCがWindows 11を正常に動作させられるかどうかを確認しましょう。公式に発表されているMicrosoftの新OSの最小システム要件は以下の通りです。
| CPU | 互換性のある64ビットプロセッサまたはSoCで1GHz以上 |
| GPU | DirectX 12互換(WDDM 2.0ドライバー対応) |
| RAM | 4GB以上 |
| ストレージ | 64GB以上 |
| ファームウェア | UEFI(Secure Boot対応) |
| TPM | バージョン2.0(1.2も可) |
| ディスプレイ | 対角9インチ超のHD(720p)ディスプレイ、色チャンネルあたり8ビット |
| インターネット接続 | Windows 11 Homeエディションでは安定した接続が必要 |
システムの仕様は設定>システム>バージョン情報から確認できます。しかし、PCが対応しているかどうかを明確に判定できる、Microsoft公式の「PC正常性チェック」アプリ(直接ダウンロードリンク)を使うことをおすすめします。インストール後、青い「今すぐチェック」ボタンをクリックすると、詳細なレポートが表示されます。
TPM 2.0やUEFIセキュアブートが無効になっている場合、このアプリはアップグレードを推奨しないと表示します。そこで次に、それぞれを個別に有効化する方法を見ていきましょう。
2. TPM(トラステッド・プラットフォーム・モジュール)の有効化
TPMとは、マザーボード上に搭載されたチップで、機密性の高いセキュリティデータを保存します。まずは自分のシステムにこのチップがあるかどうかを確認しましょう。ファイル名を指定して実行(Windowsキー+R)を開き、「tpm.msc」と入力します。
- TPMが使用可能な状態であれば、設定>更新とセキュリティ>回復に進みます。高度なスタートアップの下にある「今すぐ再起動する」ボタンをクリックしてください。
- 青いメニューから、トラブルシューティング>詳細オプション>UEFIファームウェア設定>再起動>ブートの順に進み、TPM 2.0を有効に変更します。
- TPMチップが搭載されていない場合は、マザーボードに取り付ける必要があります。
注意: TPMの切り替えオプションの名称は、メーカーや機種によって異なる場合があります。Microsoftのサポートページで詳しい説明が公開されているので、参考にしてください。
3. セキュアブートの有効化
TPMと同様に、セキュアブートもセキュリティ機能の一つです。信頼されたOSだけがシステムを起動できるようにする仕組みです。セキュアブートを有効化するには、再び以下の手順を行います。
- 設定>更新とセキュリティ>回復>高度なスタートアップからシステムを再起動します。
- トラブルシューティング>詳細オプション>UEFIファームウェア設定>再起動>ブートの順に進みます。
- Secure Bootの状態を有効に変更します。
ただし、BIOSを使用しているデスクトップPCでは、このセキュリティ機能を有効にするとシステムが起動できなくなる可能性があります。これを防ぐには、MBRをGPTに変換し、BIOSからUEFIへ切り替えておきましょう。
4. データのバックアップ
Windows 11のような新ソフトウェアの初期バージョンには、多くのバグやエラーが含まれているのが普通です。これらは日々の作業の妨げになるだけでなく、全データを失うリスクにもなり得ます。最善の予防策は、事前にデータをバックアップしておくことです。
手軽なクラウドバックアップを選ぶこともできますし、外付けドライブ(SSDやHDD)を使うことも可能です。Windows 11をサブシステムとしてインストールする場合でも、バックアップは必須だということを忘れないでください。
5. ストレージの最適化
もう一つ重要なのは、新しいWindowsのための空き容量を確保することです。Microsoftは新OSのために64GB以上の空き容量を求めています。ドライブの空き容量を増やすために、以下の方法を試してみましょう。
ディスククリーンアップを使う
ディスククリーンアップは、散らかったディスクドライブを整理できる内蔵の便利ツールです。このメンテナンスユーティリティを使えば、新しいOSをインストールする予定のプライマリパーティション上の一時ファイルや不要ファイルを削除できます。
- スタートメニューで「一時ファイル」と検索すると、ディスククリーンアップを起動できます。

- 画面右側の「一時ファイル」ボタンをクリックします。

- すべてのオプションにチェックを入れ、「ファイルの削除」をクリックしてクリーンアップを完了させます。ただし、「ダウンロード」フォルダーを誤って削除しないよう注意してください。一時ファイルのオプションに表示されることがあります。

ディスククリーンアップだけでほぼ十分ですが、他のWindowsのジャンクファイル削除方法と組み合わせるとさらに効果的です。
外部ストレージを活用する
空き容量を増やす最良の方法は、不要になった、あるいはめったに使わない大きなファイルを外付けドライブへ移すことです。写真アルバムからソフトウェアのセットアップファイルまで、何でも対象になり得ます。
6. Microsoftアカウントの情報を確認する
Windows 11へのアップデートには、Microsoftアカウントへのログインが必要です。Skypeやメールアカウントなどのデータをアカウントと同期している場合は、ログイン情報を必ず把握しておきましょう。
複数のアカウントがメインのMicrosoftアカウントと同期されている場合、ログインできないとそれらすべてにアクセスできなくなる恐れがあります。ログイン情報を早めにメモしておくこと、必要ならパスワードをリセットしておくことで、連絡先やカレンダーのデータを守り、作業の中断を防ぐことができます。
7. 安定したインターネット接続を確保する
Windows 11のアップデートが失敗する大きな原因の一つが、不安定なインターネット接続です。Windows 11はMicrosoftのサーバーから配信されるソフトウェアアップデートなので、インストール中ずっとネットワークに接続している必要があります。
モバイルデータのテザリング、公衆Wi-Fi、あるいは不安定な自宅回線の利用は失敗につながりかねません。テザリングや公衆接続は避け、少なくとも30分〜1時間のインストール作業に耐えられるだけの安定したWLAN環境を整えましょう。
8. 電源ケーブルを接続する
ノートパソコンの場合は、バッテリー切れを防ぐため電源ケーブルを必ず接続してください。同様に、デスクトップPCでアップデートする場合も、電源供給が途切れないようにしましょう。突然の停電はデータ損失を引き起こし、インストールの進行状況がリセットされることがあります。
9. 最終確認:アプリの互換性と回復ドライブ
アップデートしても問題が起こらないよう、事前の最終確認を怠らないことを強くおすすめします。
普段使うアプリの対応状況を確認する
賢い対策として、仕事で使っているツールやアプリがすべてWindows 11でも利用可能かを確認しておきましょう。日常的に使用している特定のアプリが、まだMicrosoftの新OSに対応していないケースもあります。
回復ドライブを作成する
外付けディスクにシステム回復イメージを作成するということは、現状のWindowsのコピーを丸ごと残しておくということです。アップデート後に何か不具合が発生しても、回復ドライブがあればアップデート前の状態へ復元できます。
これでアップデート準備完了
ここまでの準備が整えば、Windows 11へのアップデートは万全です。特に重要なのはストレージの最適化とデータのバックアップで、この2つのステップによって快適な作業環境と使い勝手を守ることができます。
もしPCにTPMが搭載されていなかったり、「PC正常性チェック」アプリが何らかの理由で非対応と判定したりしても心配いりません。MicrosoftはWindows 10のアップデートとサポートを2025年まで継続すると発表しているため、アップグレードにはまだ十分な時間の猶予があります。
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