Windows 11にアップグレードする前にTPMとセキュアブートを有効にする方法
Windows 11へのアップグレードを検討していますか?実は、つまずいてしまうポイントがいくつか存在します。
まず1つ目は、物理的なハードウェアです。AMD Ryzen 3000シリーズやIntel第7世代CPU以降を使用していない場合、自動アップグレードの道は開かれません。
2つ目は、パソコンがセキュアブート(Secure Boot)とTPMに対応していないケースです。この場合も最初の関門で止まってしまいます。しかし、諦める必要はありません。BIOS/UEFIメニューからセキュアブートとTPMを有効にできる可能性があります。
本記事では、Windows 11へのアップグレードを実現するために、セキュアブートとTPMを有効にする具体的な手順を詳しく解説します。
セキュアブートとTPMとは?
TPM(Trusted Platform Module:トラステッド・プラットフォーム・モジュール)は、ハッキングなどのデータ侵害からデータを保護する、ハードウェアレベルのセキュリティソリューションです。TPMには固有の暗号化キーが格納されており、外部からアクセスすることはほぼ不可能です。万一パソコンが不正侵入されたとしても、データが暗号化されていれば安全は守られます。
Microsoftが推奨するWindows 11の要件ではTPM 2.0が挙げられていますが、最低要件となるTPM 1.2でもアップグレード自体は可能です。
さらにMicrosoftは、TPM 2.0と併せてセキュアブートの有効化も求めています。セキュアブートはUEFIレベルのセキュリティ機能で、不正なオペレーティングシステムが起動するのを防ぐ役割を担います。いわばシステムの門番であり、ルートキットやブートキットといった悪意のあるコードがOSより先に起動するのを阻止することが主な目的です。
ただし、セキュアブートには副作用もあります。例えば、多くのLinuxディストリビューションとのデュアルブートができなくなるため、意図的に無効化しているユーザーも少なくありません。
この2つの重要機能に加え、Windows 11には厳格なハードウェア要件が設けられており、Microsoftは多数のユーザーに対して自動アップグレードをブロックする選択をしました。AMD Ryzen 3000シリーズ以降、またはIntel第7世代CPU以降でWindows 10を利用している場合は、そのままWindows 11へ直接アップグレードできます。
一方、要件を満たさない場合はWindows 11のクリーンインストールが必要になります。クリーンインストールならほとんどのハードウェアで動作しますが、注意点もあります。Microsoftは「非対応」ハードウェア上のWindows 11に対しては更新プログラムを提供しないと繰り返し表明しているため、インストールは自己責任となる点を覚えておきましょう。
TPMとセキュアブートを有効にする方法
TPMとセキュアブートの設定はUEFI設定画面内にあります。Windows 11へのアップグレードを試みる前に、まずシステムのUEFIを起動してこれらを有効にする必要があります。両方の設定は似た場所にありますが、分かりやすいよう3つのステップに分けて説明します。
BIOS/UEFIへの入り方
BIOS/UEFIに入る方法はいくつかあります。昔ながらの定番である「起動中にキーボードのキーを連打する」方法は今でも有効ですが、ファストブート(高速起動)が有効になっていると操作するタイミングがないかもしれません。起動画面が一瞬で流れてWindows 10が立ち上がってしまう場合は、次の手順でBIOSにアクセスできます。
- 設定 > 更新とセキュリティ > 回復 > 今すぐ再起動 の順にクリックします。
- パソコンが再起動すると、複数のオプションが並んだ青い画面が表示されます。トラブルシューティング > 詳細オプション > UEFIファームウェアの設定 > 再起動 を選択しましょう。
再度再起動が行われると、BIOS/UEFIの設定メニューが表示されます。
BIOS/UEFIでTPMを有効にする方法
BIOS内のTPM設定の場所は、マザーボードのメーカーによって異なります。以下の画像はMSI製X570マザーボードで撮影したものですが、お使いの環境でTPMオプションが同じ場所にあるとは限らない点にご注意ください。
また、CPUメーカーによってはTPMが別の名称で表記されていることもあります。
- Intel:Platform Trust Technology(PTT)
- AMD:fTMP
筆者のマザーボードの場合、TPMのオプションは Settings > Security > Trusted Computing > TPM Device Selection にあり、ここでAMD fTMPをオンにしました。
有効化できたら、設定を保存してWindows 10へ戻ります。Windowsが起動したら、TPMの状態を確認して正常に動作しているかチェックしましょう。
Windowsキー + R を押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開き、「tpm.msc」と入力してEnterを押します。TPM管理コンソールが起動し、TPMが有効になっているか、有効な場合はどのバージョンが使われているかを確認できます。
セキュアブートを有効にする方法
システム設定画面を開いているうちに、セキュアブートが有効になっているかも確認しておきましょう。
TPMオプションと同様に、セキュアブートの項目の場所はマザーボードによって多少異なりますが、一般的には「Boot」タブ内にあります。Bootタブを開いて下へスクロールし、Secure Bootの項目を見つけたら、有効(Enabled)になっていることを確認してください。
セキュアブートに関して注意すべき点が1つあります。それは、ドライブが古いMBR(マスターブートレコード)ではなく、GPT(GUIDパーティションテーブル)形式である必要があるという点です。GPTはより新しいパーティション形式で、MBRに比べて多くの利点を備えています。セキュアブートが有効にできない場合は、MBRドライブをGPTへ変換する必要があるかもしれません。
それでもダメな場合は、パソコンやハードウェア自体が古すぎてセキュアブートに対応していない可能性もあります。
MicrosoftのPC正常性チェックアプリで互換性を確認する
Microsoftは、公式の「PC正常性チェックアプリ」を使ってハードウェアの互換性を確認することを推奨しています。同アプリは配布ページの下部からダウンロードできます。ダウンロードして起動すれば、お使いのPCがWindows 11に対応しているかを簡単にチェックできます。
また、オープンソースの代替ツール「WhyNotWin11」を試してみるのもおすすめです。Windows 11との互換性について、より詳細な情報を得られる場合があります。
以上で、Windows 11アップグレードの妨げとなりがちな重要な2つの設定を有効にできました。有効化のうえ、お使いのハードウェアが要件を満たしていれば、MicrosoftからWindows 11へのアップグレード案内が届きます。アップグレードの準備が整っているかどうかは、設定 > 更新とセキュリティ > Windows Update を開いて、更新ボタンが表示されているか確認してみてください。
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