Macで起動可能なWindows 10インストールUSBを作成する方法【Intel/M1対応】
Macでデュアルブート環境を構築したい場合でも、新しいPCをセットアップしたい場合でも、Windows 10はアップグレードではなくクリーンインストールで導入するのがおすすめです。そのためには、まず起動可能なWindows 10インストールUSBを作成する必要があります。ただし、Macを使用している場合、この作業は少しだけ複雑になります。
Windows環境ではMicrosoftが公式の簡単なツールを提供していますが、Mac向けの同様のツールは存在しません。作成手順の難易度は、お使いのMacがIntelチップ搭載モデルかM1モデルかによって異なります。以下でそれぞれの違いと具体的な手順を詳しく解説します。
始める前に準備するもの
起動可能なWindows 10インストーラーを作成するには、以下のものが必要です。
- 8GB以上のUSBメモリ: 中身はすべて消去されるため、データの損失を気にしないものを用意してください。新品でも安価に購入できます。
- 電源アダプター(MacBookの場合): 作成中にバッテリー切れになると処理が失敗するため、必ず電源に接続しておきましょう。
- 有効なWindows 10ライセンス: インストールしたOSをアクティベーションするために必要です。
- インターネット接続: 必要なファイルやアップデートのダウンロードに使用します。
Windows 10のISOイメージをダウンロードする
Microsoftの公式サイトでは、Windows 10のISOファイルが無料で配布されています。エディションのメニューから「Windows 10」を選択し、言語を選んだうえで、インストールしたいバージョン(32ビット版または64ビット版)のISOファイルをダウンロードしてください。
ダウンロードしたISOファイルは、デスクトップや「ダウンロード」フォルダーなど、後で見つけやすい場所に保管しておきましょう。
USBドライブを接続する
作業を始める前に、外付けHDDや光学ドライブなど、他のUSBストレージ機器はすべて取り外しておいてください。
なお、起動可能なUSBの作成手順はIntel搭載MacとM1 Macで異なります。以降で両方の手順を詳しく説明します。
Intel搭載Macで起動可能なWindows 10 USBを作成する方法
Intel搭載MacはBoot Campに対応しているため、手順はとても簡単です。macOSに標準搭載されている「Boot Campアシスタント」を使えば、サードパーティ製アプリを追加することなく、起動可能なWindowsインストールUSBを作成できます。
Boot Campアシスタントを起動するには、「Cmd + Space」でSpotlightを開き、「Boot Campアシスタント」と入力してEnterキーを押します。
概要画面が表示されたら「続ける」をクリックします。
Boot Campを設定する
「Windows 7以降のインストールディスクを作成」にチェックを入れます。
他のオプションはグレーアウトしているはずですが、もし選択できる状態であれば、2番目の「Appleから最新のWindowsサポートソフトウェアをダウンロード」にもチェックを入れます。3番目のチェックボックスにはチェックを入れないでください。
設定が完了したら「続ける」をクリックします。
ISOイメージとUSBドライブを選択する
ダウンロードしておいたWindows 10のISOファイルを選択します。
「目的のディスク」欄に自分のUSBドライブが表示されていることを確認します。
確認できたら「続ける」をクリックします。
イメージをディスクにコピーする
Boot CampはUSBドライブをフォーマットします。繰り返しになりますが、失いたくない重要なデータが残っていないか必ず確認してください。すべてのデータは消去されます。
「続ける」をクリックすると処理が開始されます。以降は特別な操作は不要で、完了するまで待つだけです。
MacBookを使用している場合は、処理中に絶対にディスプレイを閉じないでください。使っていないときについ閉じてしまう人は多いですが、Macがスリープ状態になり、処理が中断されてしまいます。
すべての処理が完了すると、「Windowsサポートソフトウェアが保存されました」というウィンドウが表示されます。
「終了」をクリックして作業を完了させ、USBドライブを取り出しましょう。これで起動可能なWindows 10インストーラーの完成です。
M1 Macで起動可能なWindows 10 USBを作成する方法
M1 Macでは、手順がやや複雑になります。ARMベースのチップはフルバージョンのWindowsをネイティブにサポートできないという制限があるためです。このため、AppleはM1 MacにBoot Campアシスタントを搭載しておらず、別の方法で起動ディスクを作成する必要があります。
また、Macで起動ディスクを作成する際のもう一つの大きな障壁が、FAT32フォーマットのドライブには4GBを超える単一ファイルを書き込めないという制限です。WindowsとmacOSで共通するファイルシステムはFAT32のみですが、FAT32は1ファイルあたり4GB未満しか保存できません。一方、Windows 10インストーラーに含まれるinstall.wimファイルは約4.79GBあるため、そのままではコピーできません。
この問題の回避策が、インストーラーを小さなファイルに分割し、後でWindows側で結合するという方法です。そのために、MacにHomebrewをインストールします。Homebrewはオープンソースのパッケージマネージャーで、これを使って「wimlib」というコマンドラインツールを追加します。wimlibは、起動ディスクの作成時にWindowsインストーラーファイルを自動的に分割してくれます。
Homebrewをインストールして起動可能なWindows 10 USBを作成するには、「Finder」>「アプリケーション」から「ターミナル」を起動します。以下のコマンドを入力してEnterキーを押すと、Homebrewがインストールされます。
curl -fsSL -o install.sh https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh
/bin/bash install.sh
処理には、インターネット接続速度にもよりますが数分かかる場合があります。Homebrewのインストール前にXcodeがダウンロード・インストールされます。XcodeはmacOS用のソフトウェア開発ツール群を含む統合開発環境(IDE)です。
認証のためMacのユーザーパスワードを入力してEnterキーを押すと、Homebrewのインストールが始まります。インストールが完了したら、次のコマンドを入力してEnterキーを押し、wimlibをインストールします。
brew install wimlib
「command not found: brew」というエラーが表示された場合は、直前のHomebrewインストールの最後にターミナルへ2つのコマンドが表示されているはずです。それらを実行してHomebrewを有効化してから、上記のコマンドをもう一度入力すれば正常に動作します。
USBメモリがMacに接続されていることを確認します。ターミナルに「diskutil list」と入力してEnterキーを押すと、Macに接続されているすべてのドライブの一覧が表示されます。USBメモリのディスク識別子(disk2、disk3、disk4など)を控えておいてください。識別子は「(external, physical)」の左側に表示されます。
ターミナル上でUSBディスクを特定できない場合は、「Size」列の容量を目印に探してみてください。
次のコマンドでUSBメモリをフォーマットします(disk2の部分は自分のディスク識別子に置き換えてください)。
diskutil eraseDisk MS-DOS WINDOWS10 GPT /dev/disk2
これによりUSBディスクが消去され、「WINDOWS10」という名前に変更されます。後の工程でボリュームを区別しやすくなります。
Macの「ダウンロード」フォルダーにあるWindows 10 ISOをマウントします。ISOファイルをダブルクリックすれば、「CCCOMA_X64FRE_EN-US_DV9」という名前で接続デバイスとして表示されるはずです。または、ターミナルで以下のコマンドを実行しても構いません(ファイル名とパスは環境に合わせて変更してください)。
hdiutil mount ~/Downloads/Win10_21H1_English_x64.iso
次のコマンドで、ISOイメージの中身からinstall.wimファイルを除いた内容をUSBドライブへコピーします。
rsync -vha --exclude=sources/install.wim /Volumes/CCCOMA_X64FRE_EN-US_DV9/* /Volumes/WINDOWS10
続いて、install.wimファイルを分割してUSBメモリにコピーするため、以下のコマンドを入力します。
wimlib-imagex split /Volumes/CCCOMA_X64FRE_EN-US_DV9/sources/install.wim /Volumes/WINDOWS10/sources/install.swm 3000
以上で完成です。ターミナルが正常に起動ディスクを作成したら、USBを取り出して、Windowsのインストールに使用できます。
起動時の注意点:USBとUEFIの違い
このUSBドライブでPCにWindows 10をインストールしようとした際、USBからの起動を優先するよう設定していても、マザーボードが起動してくれないことがあります。よくある問題ですが、解決は簡単です。
PCの電源投入時に「F2」または「Delete」キーを連打して、マザーボードのBIOS設定画面を開きます。ブート設定の中に、「USB Mass Storage Device」と「UEFI USB Device」のような、よく似た名前のUSBドライブ用エントリーが2つ表示されているはずです。
ここでは「USB Mass Storage Device」ではなく「UEFI」側を選択します。設定を保存してBIOSを終了し、再起動すると、今度はWindows 10インストーラーUSBから正常に起動できるはずです。
UEFIは従来のBIOSに代わるマザーボード用ファームウェアで、Boot CampアシスタントはUSBインストールメディアの作成時にデフォルトでUEFI形式を使用します。一般ユーザーにとって実質的な違いはないため、設定を切り替えるだけで問題ありません。
Windows PCを借りるのも一つの手
以上の方法を使えば、MacでもWindows 10のインストールメディアを作成できます。ただし、前述の通り手順がかなり複雑なため、可能であれば友人のWindowsノートPCを借りて起動ディスクを作成する方がはるかに簡単です。どうしても借りられない事情がある場合は、本ガイドの手順に従ってMacでWindows起動ディスクを作成してみてください。
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