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電源が入らないパソコンの修理実例:ほこり清掃からCPU接点のメンテナンスまで完全解説

「電源ボタンを押してもパソコンがまったく反応しない」――そんな状態のパソコンが修理として持ち込まれました。早速修理台に接続して確認したところ、こちらでも同じ症状が再現されました。本記事では、その原因究明と修理の全過程を順を追ってご紹介します。

ステップ1:内部のほこりを徹底清掃

ケースを開けてみると、内部はかなりの量のほこりで覆われていました。まずは掃除機を使って内部のほこりを丁寧に吸い取ります。清掃後に電源を再接続してテストしましたが、残念ながら症状は変わりませんでした。

ステップ2:電源ユニット(SMPS)の単体テスト

次に、マザーボードから電源ユニット(SMPS)を切り離し、単体での動作確認を行いました。ATX電源をマザーボードなしで起動させるには、メイン電源コネクタのPS_ON(緑色のワイヤ)グラウンド(黒色のワイヤ)をショートさせます。

電源が入らないパソコンの修理実例:ほこり清掃からCPU接点のメンテナンスまで完全解説

電源を入れるとATX電源のファンが回転を始めました。これにより、電源ユニット自体は正常に動作していることが確認できます。

補足:このテストはあくまで簡易的な判定方法です。コネクタの各ピンに必要な電圧がすべて正しく供給されていることを保証するものではありませんが、おおよそ75%程度の確度で電源ユニットの良否を判断できると言われています。

ステップ3:メモリ(RAM)の脱着と清掃

電源ユニットに問題がないことが判明したため、続いてRAMモジュールを取り外して清掃し、再度テストを実施しましたが、症状は改善しませんでした。

ステップ4:マザーボードの目視点検

さらに調査を進めるため、マザーボードをケースから取り外しました。目視による点検では、特に故障が疑われる箇所は見当たりません。

電源が入らないパソコンの修理実例:ほこり清掃からCPU接点のメンテナンスまで完全解説

ステップ5:CPUの取り外しと接点の変色を発見

ここでCPUファンを取り外し、続いてCPU本体もソケットから取り出してみることにしました。

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電源が入らないパソコンの修理実例:ほこり清掃からCPU接点のメンテナンスまで完全解説

すると、CPUの接点の一部に変色が確認できました。これこそが原因だったのです。

電源が入らないパソコンの修理実例:ほこり清掃からCPU接点のメンテナンスまで完全解説

消しゴムとIPAで接点を研磨

変色した接点は、消しゴムで軽く擦った後、IPA(イソプロピルアルコール)で仕上げの清掃を行いました。この方法は、酸化や汚れによる接触不良を除去する定番のテクニックです。

電源が入らないパソコンの修理実例:ほこり清掃からCPU接点のメンテナンスまで完全解説

ステップ6:組み立て直して起動テスト

CPUをソケットに戻し、新しいサーマルペースト(グリス)を塗布します。その後、CPUファンを取り付け直してすべてを元通りに組み上げました。

電源が入らないパソコンの修理実例:ほこり清掃からCPU接点のメンテナンスまで完全解説

電源を接続し、ON/OFFスイッチを押すと――CPUファンが回転を始め、「ピッ」というビープ音が聞こえました。まさに「生還の音」です。

電源が入らないパソコンの修理実例:ほこり清掃からCPU接点のメンテナンスまで完全解説

モニターを接続してテストすると、無事に画面が表示されました。修理完了です!

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まとめ:電源が入らないときのチェックポイント

  • まずは内部のほこりを清掃し、放熱不良やショートの原因を排除する
  • PS_ONとグラウンドをショートさせて電源ユニットを単体テストする
  • RAMを抜き差しし、接点を清掃してから再装着する
  • CPUの接点に変色や酸化がないか確認し、あれば消しゴムとIPAで清掃する
  • 組み立て時にはサーマルペーストを必ず塗り直す

一見深刻な「電源が入らない」症状も、段階的に切り分けていくことで意外な原因(今回はCPU接点の汚れ・変色)にたどり着くことがあります。焦らず一つずつ確認することが、修理成功への近道です。


本記事は、インド・ムンバイでコンピューターハードウェアエンジニアとして活躍するYogesh Panchal氏の修理事例をもとに執筆されました。過去の修理記事「はんだクラック(ドライジョイント)の見つけ方」もぜひご覧ください。

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