マザーボード
 Computer >> コンピューター >  >> ハードウェア >> マザーボード

デスクトップマザーボードの膨張コンデンサ交換手順をステップバイステップで解説

きっかけ:学生が持ち込んだ故障マザーボード

ある日、同じ団地に住む住人の方からの紹介で、一人の大学生が私のもとを訪れました。彼が持ち込んだのは、コンデンサが明らかに膨張し、変色しているのが一目でわかるデスクトップ用マザーボードです。

マザーボードにどんな不具合が起きているのか尋ねてみましたが、彼自身もよく分かっていない様子。この基板は大学の同級生から譲り受けたもので、自分でもコンデンサの交換を試みたものの、うまくいかなかったとのことでした。

コンデンサ表面の状態確認

デスクトップマザーボードの膨張コンデンサ交換手順をステップバイステップで解説

まずはコンデンサの上面をクリーニングし、接写で状態を確認しました。頂部が膨らんでいる典型的な劣化症状が見て取れます。

デスクトップマザーボードの膨張コンデンサ交換手順をステップバイステップで解説

基板裏面にはフラックスの痕跡

マザーボードを裏返すと、フラックスが既に付着しているのが見えました。これは前述のとおり、学生さんが先に作業を試みていた痕跡です。

デスクトップマザーボードの膨張コンデンサ交換手順をステップバイステップで解説

鉛フリーはんだからのコンデンサ取り外し

マザーボードからコンデンサを取り外す作業は、やや難易度が高いものでした。鉛フリーはんだは融点が高く粘りもあるため、経験の浅い初心者にとっては特に苦労するポイントです。

私ははんだ吸取り器(デソルダリングポンプ)とはんだ吸い取り線(デソルダリングウィック)を併用してコンデンサを取り外し、その後、はんだごてと先端の尖った針を使ってスルーホール内部の残りはんだを除去・清掃しました。

デスクトップマザーボードの膨張コンデンサ交換手順をステップバイステップで解説

スルーホールの清掃

針を使用して、穴の中に残ったはんだを丁寧に押し出し、きれいな状態に整えます。ここを怠ると新しい部品がうまく収まらず、はんだ付け不良の原因になります。

デスクトップマザーボードの膨張コンデンサ交換手順をステップバイステップで解説

交換用コンデンサの準備

取り外したコンデンサには「820uF / 6.3V」という定格が印字されていました。

デスクトップマザーボードの膨張コンデンサ交換手順をステップバイステップで解説

手持ちのコンデンサーボックスを開けてみると、幸いにも同一スペックの交換品が見つかりました。容量と耐圧が一致する同等品を使えば、安心して元通りにできます。

デスクトップマザーボードの膨張コンデンサ交換手順をステップバイステップで解説

仕上げ:IPAで洗浄して完成

最後に、はんだ付け部分をIPA(イソプロピルアルコール)できれいに洗浄し、残留フラックスを取り除きました。そしてマザーボードを学生さんへ無事引き渡し、修理完了です。

デスクトップマザーボードの膨張コンデンサ交換手順をステップバイステップで解説
デスクトップマザーボードの膨張コンデンサ交換手順をステップバイステップで解説
デスクトップマザーボードの膨張コンデンサ交換手順をステップバイステップで解説
デスクトップマザーボードの膨張コンデンサ交換手順をステップバイステップで解説

まとめ:初心者でも挑戦できる修理

膨張したコンデンサの交換は、はんだ吸取り器・はんだ吸い取り線・はんだごてという基本の道具を揃えれば、初心者でも十分に挑戦できる修理の一つです。ただし、鉛フリーはんだは従来の共晶はんだより除去が難しいため、こて先の温度設定や熱のかけ方に注意が必要です。焦らずスルーホールをきれいに整えてから新しい部品を取り付けることが、成功への近道といえるでしょう。

この記事は、インド・ムンバイにてコンピュータハードウェアエンジニアとして活躍する Yogesh Panchal 氏によって執筆されました。

P.S. 今お読みいただいているような役立つ情報を、お友達にもシェアしてみませんか?サイトをご友人にお伝えいただくか、下記リンクから無料のメールマガジン登録をご案内いただけますと嬉しいです。

なお、著者のこれまでの修理記事「5V USBアダプターの修理」もあわせてご覧ください。

  1. CPUなしでマザーボードのBIOSバージョンを確認する方法 – 初心者向け簡単ガイド

    CPU(中央処理装置)は、コンピュータの中核となるチップで、プログラムからの命令を処理する役割を担っています。演算・論理・制御といった、コンピュータのあらゆる操作を実行しているのです。 CPUの動作クロックはGHz(ギガヘルツ)という単位で表され、1GHzは1秒間に10億回のサイクルに相当します。 CPUは主にシリコンで製造されており、複数のコア(処理ユニット)を搭載することで、複数の命令を同時に処理できるようになっています。 CPUなしでマザーボードのBIOSバージョンを確認する方法 マザーボードのBIOSは、パソコン全体の健全性にとって非常に重要な要素です。システムの起動、ハードウェアの

  2. EVGA 500W 80 Plus認証電源の修理記 ― テスターの導通チェックで-12Vラインのショートを突き止める

    電源がまったく入らなくなったPCが、当ワークショップに持ち込まれました。トラブルシューティングの第一歩として、まず電源ユニット(PSU)の状態を確認したところ、どうやらこちらが動作していない様子です。 そこで、電源ユニットをケースから取り外しました。 取り出してみると、これは決して安物ではありません。EVGA製の500W、80 Plus認証(ホワイト)を取得した高品質なSMPS(スイッチング電源)です。せっかくの優良製品なので、なんとしてでも修理を成功させたいところ。掛ける労力は、必ず見合うものになると確信しました。 導通チェックで全出力ラインをテスト PC用SMPSの修理において、私が特