Raspberry Pi 4をオーバークロックして性能アップ!CPU・GPU強化の手順を徹底解説
約40ドル(6,000円前後)という手頃な価格でありながら高い性能を発揮するRaspberry Pi 4。しかし、オーバークロックを行えば、このシングルボードコンピュータからさらに多くのパフォーマンスを引き出すことができます。
CPUやGPUをオーバークロックすることで、目に見える形でパフォーマンスが向上することが多く、ゲームのプレイ、高解像度メディアのストリーミング、ミニノートPCとしての活用など、リソースを大量に消費するタスクを実行する際に特に効果を発揮します。
この記事を読み終える頃には、あなたのRaspberry Pi 4のCPUとGPUを正常にブーストできているはずです。
始める前に:オーバークロックについて知っておくべきこと
オーバークロックとは、CPUやメモリを公式に定められた動作周波数よりも高い速度で動作させることです。
性能面でのメリットは大きいものの、「保証が無効になるのでは」という懸念からオーバークロックを避ける人も少なくありません。しかし、一部の企業とは異なり、Raspberry Pi財団はオーバークロックを公認しています。そのため、このチュートリアルに従っても保証について心配する必要はありません。ただし、過剰な電圧設定(オーバーボルティング)など、保証を無効化してしまう改造も存在します。他の方法でもデバイスの性能向上に挑戦したい場合は、誤って保証を失わないよう、Raspberry Pi財団のガイドラインを必ず確認してください。
必要なもの
このチュートリアルを完了するには、以下のものが必要です。
- Raspberry Pi 4本体
- キーボード(Raspberry Piに接続できるもの)
- モニター
- micro HDMIケーブル
- Raspberry Piのモデルに対応したSDカード(書き込み時にデータが消去されるため、保存したいデータが入っていないことを確認してください)
- 良質な電源アダプター。標準速度で動作させる場合は互換性のあるサードパーティ製電源でも問題ありませんが、オーバークロックを行う場合は純正の「Raspberry Piユニバーサル電源」を選ぶのがおすすめです。純正電源なら、オーバークロック時にも十分な電力供給を確保できます。
- 冷却装置。プロセッサーが高負荷で動作すると発熱します。Raspberry Piの熱を適切に逃がさないと、サーマルスロットリング(温度による自動減速)がすぐにかかり、オーバークロックの恩恵を十分に受けられません。ヒートシンク、単体ファン、ファン内蔵ケースなど、さまざまな冷却手段があります。思い切って水冷システムを自作してみるのも面白いでしょう。
これらの準備が整ったら、いよいよCPUとGPUのブーストを始めましょう。
Raspberry Pi OS(旧Raspbian)をインストールする
このチュートリアルでは、Etcherを使ってSDカードにRaspbian(Raspberry Pi OS)を書き込みます。まだEtcherをインストールしていない場合は、Balenaの公式サイトから無料でダウンロードできます。
- Raspbianの公式サイトにアクセスし、最新版をダウンロードします。
- SDカードをノートPCまたはデスクトップPCに挿入します。
- Etcherアプリを起動します。
- 「Select image」をクリックし、先ほどダウンロードしたRaspbianのシステムイメージを選択します。
- 「Select target」をクリックし、書き込み先としてSDカードを選択します。
これでEtcherがSDカードにRaspbianのシステムイメージを書き込みます。
Raspbianを起動する
Raspbianのインストールが完了したら、以下の手順で起動します。
- SDカードをPCから取り外し、Raspberry Piに挿入します。
- micro HDMIケーブルでモニターとRaspberry Piを接続します。
- キーボードをRaspberry Piに接続します。
- Raspberry Piに電源を接続します。
Raspbianが自動的に起動するはずです。
最新のファームウェアへの更新を検討する
最新かつ最高のオーバークロック性能を体験したい場合は、実験版(experimental)の最新ファームウェアへアップグレードする必要があります。ただし、実験版にはバグや不具合が含まれている可能性が高いため、本番環境では使用しないように注意してください。
ファームウェアを更新するには、ツールバーにあるターミナルアプリケーションを開き、以下のコマンドを順番に実行します。
sudo apt update sudo apt dist-upgrade
確認画面が表示されたら「y」(yes)を押します。続いて、次のコマンドを実行します。
sudo rpi-update
再度「y」と入力してください。
新しいファームウェアを有効化するにはシステムの再起動が必要です。左上のRaspberry Piアイコンをクリックし、「Shutdown… → Reboot」を選択して再起動しましょう。
Raspberry Piのベンチマークを測定する
オーバークロック前に現在のパフォーマンスを記録しておくと、後で結果を比較できて便利です。
ベンチマークツールは数多くありますが、ここではSysbenchを使用します。もちろん、このステップをスキップして直接オーバークロックに進んでも構いません。
Raspbianのツールバーからターミナルアイコンを選択し、以下のコマンドを入力します。
sudo apt-get install sysbench
Sysbenchのインストールが完了したら、以下のコマンドでRaspberry Piのベースライン性能を測定します。
sysbench --test=cpu --cpu-max-prime=2000 --num-threads=4 run > pre-benchmark.txt
これにより、Raspberry Piの現在のパフォーマンス情報を記録した「pre-benchmark」テキストファイルが作成されます。
CPUをオーバークロックする
CPUのオーバークロックでは、中央処理装置(CPU)のクロック速度を上げることでパフォーマンスを向上させます。Raspberry Pi上のほとんどのワークロードは、グラフィックス処理装置(GPU)よりもクロック速度の影響を受けます。CPUをオーバークロックすれば、用途を問わず顕著なパフォーマンス改善を実感できるはずです。
Raspberry Piのconfig.txtファイルを編集するには管理者(root)権限が必要です。ターミナルで以下のコマンドを実行してください。
sudo nano /boot/config.txt
config.txtファイルがroot権限でNanoテキストエディタによって開きます。
コアとなる設定を変更することでCPUをオーバークロックできます。手順は以下の通りです。
1. ファイルの末尾までスクロールし、[pi4]セクションを見つけます。
2. [pi4]の直下に新しい行を追加し、以下を入力します。
over_voltage=2 arm_freq=1750
最新の実験版ファームウェアをインストールしている場合は、代わりに以下の値を試してみてください。
over_voltage=6 arm_freq=2147
3. Ctrl + Oで変更を保存し、Ctrl + Xでファイルを閉じます。
新しい設定を反映するにはRaspberry Pi 4の再起動が必要です。ターミナルで以下のコマンドを実行しましょう。
sudo reboot
オーバークロックが成功していれば、Raspbianが新しい設定で起動します。
結果をテストしよう!
オーバークロック前にベンチマークレポートを作成していた場合は、ここで2つ目のレポートを生成して結果を比較しましょう。
ツールバーのアイコンをクリックしてターミナルウィンドウを開き、以下のコマンドを実行します。
sysbench --test=cpu --cpu-max-prime=2000 --num-threads=4 run > post-benchmark.txt
これで「post-benchmark」レポートが作成されます。Raspbianのツールバーにあるファイルアイコンを選択し、「pre-benchmark」と「post-benchmark」の両方のファイルを開けば、CPUがどれだけ高速化されたのかを正確に比較できます!
GPUをオーバークロックする
続いて、GPUのオーバークロックに挑戦しましょう。
1. ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。
sudo nano /boot/config.txt
2. [pi4]セクションまでスクロールし、新しい行に以下を追加します。
gpu_freq=600
最新の実験版ファームウェアをお使いの場合は、数値を750まで上げることができます。
gpu_freq=750
3. CPUとGPUの両方をオーバークロックする場合、現在のover_voltage設定では負荷が高すぎる可能性があります。「over_voltage=2」と書かれた行を見つけて、以下のように変更してください。
over_voltage=6
4. Ctrl + Oで変更を保存し、Ctrl + XでNanoを終了します。
あとはRaspberry Piを再起動すれば、変更がすべて有効になります!
高速化したRaspberry Piで、さらに幅広い活用が可能になります。あなたもデバイスのオーバークロックに挑戦しましたか?ぜひコメント欄で体験談をシェアしてください!
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