C++で無向グラフの連結成分を求める方法|DFSによる強連結・弱連結の判定
無向グラフが「弱連結(weakly connected)」か「強連結(strongly connected)」かを判定するには、DFS(深さ優先探索)を利用できます。この記事では、グラフの連結成分を見つけ出し、その連結状態を判定するC++プログラムを紹介します。
この実装は「コサラジュ(Kosaraju)のアルゴリズム」と呼ばれる手法に基づいています。まず1回目のDFSで各頂点の探索完了順をスタックに記録し、続いてすべての辺の向きを反転させた「転置グラフ」を作成します。その後、スタックから頂点を取り出す順に2回目のDFSを実行することで、強連結成分を効率的に抽出できます。
アルゴリズムで使用する関数
Begin Function fillOrder():スタックにすべての頂点を格納する a) 現在のノードを訪問済みとしてマークする b) この頂点に隣接するすべての頂点に対して再帰的に処理する c) 頂点vから到達できるすべての頂点の処理が完了したら、vをスタックに積む End Begin Function DFS(): a) 現在のノードを訪問済みとしてマークする b) この頂点に隣接するすべての頂点に対して再帰的に処理する End
C++による実装例
#include <iostream>
#include <list>
#include <stack>
using namespace std;
class G {
int m;
list<int> *adj;
// 関数の宣言
void fillOrder(int n, bool visited[], stack<int> &Stack);
void DFS(int n, bool visited[]);
public:
G(int N); // コンストラクタ
void addEd(int v, int w);
int print();
G getTranspose();
};
G::G(int m) {
this->m = m;
adj = new list<int>[m];
}
// 深さ優先探索(DFS)
void G::DFS(int n, bool visited[]) {
visited[n] = true; // 現在のノードを訪問済みとしてマーク
cout << n << " ";
list<int>::iterator i;
// 隣接するすべての頂点に対して再帰的に処理
for (i = adj[n].begin(); i != adj[n].end(); ++i)
if (!visited[*i])
DFS(*i, visited);
}
// すべての辺の向きを反転した転置グラフを生成
G G::getTranspose() {
G g(m);
for (int n = 0; n < m; n++) {
list<int>::iterator i;
for (i = adj[n].begin(); i != adj[n].end(); ++i) {
g.adj[*i].push_back(n);
}
}
return g;
}
// 辺の追加(w を v の隣接リストに登録)
void G::addEd(int v, int w) {
adj[v].push_back(w);
}
// 探索が完了した順にスタックへ頂点を積む
void G::fillOrder(int v, bool visited[], stack<int> &Stack) {
visited[v] = true; // 現在のノードを訪問済みとしてマーク
list<int>::iterator i;
// 隣接するすべての頂点に対して再帰的に処理
for (i = adj[v].begin(); i != adj[v].end(); ++i)
if (!visited[*i])
fillOrder(*i, visited, Stack);
// vから到達できる頂点をすべて処理し終えたらスタックに積む
Stack.push(v);
}
// 強連結成分を求めて表示し、成分の個数を返す
int G::print() {
stack<int> Stack;
bool *visited = new bool[m];
for (int i = 0; i < m; i++)
visited[i] = false;
// すべての頂点に対して fillOrder を実行
for (int i = 0; i < m; i++)
if (visited[i] == false)
fillOrder(i, visited, Stack);
G graph = getTranspose(); // 転置グラフを作成
for (int i = 0; i < m; i++) // 全頂点を未訪問に戻す
visited[i] = false;
int count = 0;
// スタックで定義された順序ですべての頂点を処理
while (Stack.empty() == false) {
int v = Stack.top();
Stack.pop(); // 頂点をスタックから取り出す
if (visited[v] == false) {
graph.DFS(v, visited); // 新しい強連結成分を1つ発見
cout << endl;
count++; // 成分の個数をカウント
}
}
return count;
}
int main() {
G g(5);
g.addEd(2, 1);
g.addEd(3, 2);
g.addEd(1, 0);
g.addEd(0, 3);
g.addEd(3, 1);
cout << "与えられたグラフの強連結成分は以下の通りです\n";
if (g.print() > 1) {
cout << "グラフは弱連結です。";
} else {
cout << "グラフは強連結です。";
}
return 0;
}
実行結果
与えられたグラフの強連結成分は以下の通りです 4 0 1 2 3 グラフは弱連結です。
プログラムのポイント
- 計算量: DFSを2回実行するだけのため、頂点数V・辺数Eのグラフに対して時間計算量はO(V+E)と非常に効率的です。
- 転置グラフの役割: getTranspose() は辺の向きをすべて反転したグラフを生成します。同じ強連結成分内の頂点同士は互いに到達可能であるため、転置しても成分の構成は変わりません。
- 連結性の判定: print() が返す強連結成分の数が1つであれば強連結、2つ以上あれば弱連結(または非連結)と判定できます。
この例では、頂点「4」が単独の成分、「0・1・2・3」がもう一つの成分として検出されています。グラフ全体が複数の連結成分に分かれているため、「弱連結」という結果が表示されます。
-
C++で無向グラフの連結成分ごとの最小要素の合計を求める方法
この記事では、無向グラフのすべての連結成分に含まれる最小要素の合計を求める問題を、C++を使って解く方法を解説します。 問題の設定は次のとおりです。N個の整数からなる配列 arr が与えられ、arr[i] は (i+1) 番目のノードの値を表します。また、M個の辺のペア (u, v) が与えられ、それぞれノード u とノード v が辺で結ばれていることを示します。このとき、無向グラフの各連結成分ごとに最小値を求め、それらをすべて合計した値を出力するプログラムを作成します。なお、他のどのノードともつながっていないノードは、それ単独で1つの連結成分として扱います。 問題例 具体的な入力例で問題を確
-
C++で無向グラフ内のすべてのサイクル(閉路)を検出して出力する方法
問題の概要 この記事では、無向グラフが与えられたときに、そのグラフ内に形成されるすべてのサイクル(閉路)を検出して出力する方法を解説します。 無向グラフとは、頂点同士が双方向で接続されているグラフのことです。すべての辺に方向がなく自由に行き来できるため、「無向ネットワーク」とも呼ばれます。 サイクル(閉路)とは、グラフデータ構造において、頂点の並びが一周して出発点に戻るような閉じた経路を形成しているものを指します。 まず、具体例を見て理解を深めましょう。 入力グラフ: 出力: Cycle 1: 2 3 4 5 Cycle 2: 6 7 8 この例では、頂点2〜5で構成されるサイクルと、頂点6