有向グラフの強連結成分を求めるC++プログラム(コサラジュのアルゴリズム)
強連結成分(SCC)とは
有向グラフにおいて、任意の2つの頂点 u と v の間で「u から v への経路」と「v から u への経路」がどちらも存在するとき、そのグラフは強連結(strongly connected)であるといいます。グラフ全体が強連結でない場合でも、互いに到達し合える頂点同士でグループ化すると、グラフを複数の強連結成分(SCC: Strongly Connected Components)に分解できます。
強連結成分の検出には、DFS(深さ優先探索)を2回実行するコサラジュ(Kosaraju)のアルゴリズムが広く知られています。検出された強連結成分が1つだけであればグラフは強連結、2つ以上であれば弱連結であると判定できます。
アルゴリズムの流れ
コサラジュのアルゴリズムは、次の3ステップで構成されます。
- fillOrder: グラフに対してDFSを実行し、探索が完了した頂点から順にスタックへ積みます。
- getTranspose: すべての辺の向きを反転させた転置グラフ(逆グラフ)を作成します。
- print: スタックから頂点を1つずつ取り出し、未訪問であれば転置グラフ上でDFSを実行します。このとき到達できる頂点の集合が、1つの強連結成分となります。
使用する関数の擬似コード
開始
関数 fillOrder():すべての頂点でスタックを埋める
a) 現在のノードを訪問済みとしてマークする
b) この頂点に隣接するすべての頂点に対して再帰的に呼び出す
c) v から到達可能なすべての頂点の処理が完了したら、v をスタックにプッシュする
終了
開始
関数 DFS():
a) 現在のノードを訪問済みとしてマークし、出力する
b) この頂点に隣接するすべての頂点に対して再帰的に呼び出す
終了
C++プログラムの例
#include <iostream>
#include <list>
#include <stack>
using namespace std;
class G {
int m;
list<int> *adj;
// 関数の宣言
void fillOrder(int n, bool visited[], stack<int> &Stack);
void DFS(int n, bool visited[]);
public:
G(int N); // コンストラクタ
void addEd(int v, int w);
int print();
G getTranspose();
};
G::G(int m) {
this->m = m;
adj = new list<int>[m];
}
void G::DFS(int n, bool visited[]) {
visited[n] = true; // 現在のノードを訪問済みとしてマークし、出力する
cout << n << " ";
list<int>::iterator i;
// この頂点に隣接するすべての頂点に対して再帰的に呼び出す
for (i = adj[n].begin(); i != adj[n].end(); ++i)
if (!visited[*i])
DFS(*i, visited);
}
G G::getTranspose() {
G g(m);
for (int n = 0; n < m; n++) {
list<int>::iterator i;
for (i = adj[n].begin(); i != adj[n].end(); ++i) {
g.adj[*i].push_back(n);
}
}
return g;
}
void G::addEd(int v, int w) {
adj[v].push_back(w); // v の隣接リストに w を追加
}
void G::fillOrder(int v, bool visited[], stack<int> &Stack) {
visited[v] = true; // 現在のノードを訪問済みとしてマークする
list<int>::iterator i;
// この頂点に隣接するすべての頂点に対して再帰的に呼び出す
for (i = adj[v].begin(); i != adj[v].end(); ++i)
if (!visited[*i])
fillOrder(*i, visited, Stack);
Stack.push(v);
}
int G::print() { // 解を出力する
stack<int> Stack;
bool *visited = new bool[m];
for (int i = 0; i < m; i++)
visited[i] = false;
for (int i = 0; i < m; i++)
if (visited[i] == false)
fillOrder(i, visited, Stack);
G graph = getTranspose(); // 辺の向きを反転した転置グラフを作成
for (int i = 0; i < m; i++) // すべての頂点を未訪問としてマーク
visited[i] = false;
int count = 0;
// スタックに積まれた順序ですべての頂点を処理する
while (Stack.empty() == false) {
int v = Stack.top();
Stack.pop(); // スタックから頂点を取り出す
if (visited[v] == false) {
graph.DFS(v, visited);
cout << endl;
}
count++;
}
return count;
}
int main() {
G g(5);
g.addEd(2, 1);
g.addEd(3, 2);
g.addEd(1, 0);
g.addEd(0, 3);
g.addEd(3, 1);
cout << "与えられたグラフの強連結成分は以下の通りです\n";
if (g.print() > 1) {
cout << "このグラフは弱連結です。";
} else {
cout << "このグラフは強連結です。";
}
return 0;
}
実行結果
与えられたグラフの強連結成分は以下の通りです 4 0 1 2 3 このグラフは弱連結です。
結果の解説
この例では、5つの頂点(0〜4)を持つグラフを扱っています。頂点0、1、2、3は互いに到達し合えるため1つの強連結成分を構成し、一方、頂点4はどの辺にも接続されていないため単独で1つの強連結成分になります。その結果、強連結成分の数は2となり、プログラムは「このグラフは弱連結です」と出力します。
計算量は、DFSを2回実行するだけなので、頂点数を V、辺数を E とすると O(V + E) となり、大規模なグラフに対しても効率的に動作します。
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有向グラフが「強連結」か「弱連結」かを判定するC++プログラム(DFSを活用)
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C++でグラフ行列の逆行列を求めるプログラムの実装方法
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