JavaScriptのイベント委任(Event Delegation)とは?使い方と活用すべき理由を徹底解説
本記事では、JavaScriptにおけるイベント委任(イベントデリゲーション)の概要、その利点、そして具体的な実装方法について詳しく解説します。
JavaScriptのイベント委任とは?いつ使うべき?
簡単に言うと、イベント委任とは、親要素にたった1つのイベントリスナーを設定するだけで、子要素とやり取りできるJavaScriptの手法です。イベント委任を使えば、すべての子要素に個別にイベントハンドラーを追加する必要がなくなりながらも、子要素を検出して自由に操作できます。
この手法がなぜ強力なのかは、この後すぐにわかります。
例えば、リストの中に複数の項目があるとします。ユーザーがいずれかのリスト項目をクリックしたときに、何らかの処理を実行したいケースを考えてみましょう。
ここでは、それを実現する2つの異なる方法を比較しながら見ていきます。
方法①:各要素に個別にイベントリスナーを設定する
リスト内の個々の要素にアクセスする一般的な方法は、forループなどで要素を順番に処理し、それぞれの要素にイベントリスナーを設定することです。
let allExerciseItems = document.querySelectorAll(".exercise-item")
for (let exerciseItem of allExerciseItems) {
exerciseItem.addEventListener("click", function(event) {
// ターゲットの子要素に対して処理を行う
event.target.classList.toggle("exercise-complete")
});
}
動作例
方法②:イベント委任でアイテムにアクセスする
イベント委任は、先ほどのforループの例とはまったく異なるアプローチです。アクセスしたい各要素を一つずつ反復処理する代わりに、以下のように親要素だけをターゲットにします。
// 親要素を取得し、クリックイベントリスナーを追加
document.querySelector(".exercise-list").addEventListener("click", function(event) {
if(event.target.classList.contains('exercise-item')) {
// ターゲットの子要素に対して処理を行う
event.target.classList.toggle('exercise-complete')
}
})
補足: classList.contains の代わりに matches() メソッドを使うと、より柔軟なセレクター指定が可能になります。
ご覧のとおり、実行結果はまったく同じです。どちらの方法でも、エクササイズ項目をクリックすると exercise-complete クラスが切り替わります。異なるのは、その結果を達成するための手法です。
では、なぜ「イベントハンドリング+forループ」方式ではなく、イベント委任を使うべきなのでしょうか?次はその理由について掘り下げていきます。
イベント委任とパフォーマンスの関係
1日、1時間、あるいは1分ごとに数百〜数千もの動的要素が生成されるWebアプリケーションを想像してみてください。例えば、ホテル予約のための予約カレンダーや、最適なユーザー体験のために頻繁なリアルタイム更新が求められるTwitterのようなSNSプラットフォームなどが挙げられます。
Web UI上のすべての要素にイベントリスナーが設定されていると、こうしたシナリオでは瞬く間にハードウェアへの負荷が高まってしまいます。
大量のイベントリスナーはユーザーのCPUリソースを占有し、膨大な数の関数参照がメモリ上に蓄積される原因となります。その結果、メモリリークや全体的なパフォーマンス低下を引き起こしかねません。
筆者自身はGC(ガベージコレクション)の専門家ではありません。主にJavaScriptという高水準言語を扱ってきたためです。しかし、確かなことが1つあります。ブラウザのGCは、ChromeやFirefoxなど多数のベンダーブラウザの違い、さらにスマートフォンやノートPCなど多様なデバイスの存在により、挙動が予測しにくいということです。
ガベージコレクション(GC)とは
簡単に言うと、ガベージコレクションはコンピュータのメモリ管理機構の一種です。ガベージコレクターは、メモリを占有し続ける古いコードや未使用のコードを検出して解放します。プログラミング言語やシステムごとに、さまざまな種類のガベージコレクターが存在します。
先ほどのループの例のように、あらゆる要素にイベントリスナーを設定すると、Webアプリが必要とするガベージコレクションの量が増加します。これはほぼ間違いなくパフォーマンスの低下につながります。
結論として、すべての子要素に個別にイベントリスナーを設定するよりも、親要素に1つのイベントリスナーを設置して子要素へのすべてのクリックを監視する方が、一般的にパフォーマンス面で優れています。
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