プリム法(最小全域木MSTアルゴリズム)の仕組みとC++実装をわかりやすく解説
プリム法(最小全域木)とは
連結グラフ G(V,E) のすべての辺に重み(コスト)が与えられているとき、プリム法(Prim's Algorithm)はそのグラフから最小全域木(Minimum Spanning Tree: MST)を見つけ出すアルゴリズムです。
プリム法は「木を成長させる(growing tree)」アプローチを採用しています。まず開始地点となる種(シード)の頂点を1つ決め、その頂点を起点として木全体を育てていきます。

この問題は2つの集合を使って解きます。一方の集合には「すでに選択されたノード」を保持し、もう一方には「まだ考慮していないノード」を保持します。種となる頂点から隣接する頂点を、最小コストの辺に基づいて取り込むことで、ノードを1つずつ追加しながら木を成長させていきます。
このアルゴリズムの計算量は O(V²) です。ここで V は頂点の数を表します。
なお、プリム法は貪欲法(グリーディ法)の一種であり、ダイクストラ法とよく似た考え方に基づいています。優先度付きキュー(ヒープ)を併用することで、計算量を O(E log V) まで改善できることでも知られています。
入力 − 隣接行列

出力
(0)---(1|1) (0)---(2|3) (0)---(3|4) (1)---(0|1) (1)---(4|2) (2)---(0|3) (3)---(0|4) (4)---(1|2) (4)---(5|2) (5)---(4|2) (5)---(6|3) (6)---(5|3)
アルゴリズム
prims(g: Graph, t: tree, start)
入力 − グラフ g、空の木 t、種となる頂点「start」
出力 − 辺を追加した後の木
Begin
usedVert と unusedVert の2つの集合を定義する
usedVert[0] := start、unusedVert[0] := φ
start 以外のすべての頂点 i について
usedVert[i] := φ
unusedVert[i] := i //未使用リストにすべての頂点を追加
done
while usedVert 内の頂点数 ≠ V do //V は全ノード数
min := ∞
usedVert 配列のすべての頂点について
グラフのすべての頂点について
if min > cost[i,j] AND i ≠ j then
min := cost[i,j]
ed := i と j を結ぶ辺(ed のコスト := min)
done
done
unusedVert[ed の終点] := φ
辺 ed を木 t に追加する
ed の始点を usedVert に追加する
done
End
C++による実装例
#include<iostream>
#define V 7
#define INF 999
using namespace std;
//グラフのコスト行列
int costMat[V][V] = {
{0, 1, 3, 4, INF, 5, INF},
{1, 0, INF, 7, 2, INF, INF},
{3, INF, 0, INF, 8, INF, INF},
{4, 7, INF, 0, INF, INF, INF},
{INF, 2, 8, INF, 0, 2, 4},
{5, INF, INF, INF, 2, 0, 3},
{INF, INF, INF, INF, 4, 3, 0}
};
typedef struct{
int u, v, cost;
}edge;
class Tree{
int n;
edge edges[V-1]; //木の辺の数は(頂点数 − 1)
public:
Tree(){
n = 0;
}
void addEdge(edge e){
edges[n] = e; //辺 e を木に追加
n++;
}
void printEdges(){ //辺・コスト・合計コストを表示
int tCost = 0;
for(int i = 0; i<n; i++){
cout << "Edge: " << char(edges[i].u+'A') << "--" << char(edges[i].v+'A');
cout << " And Cost: " << edges[i].cost << endl;
tCost += edges[i].cost;
}
cout << "Total Cost: " << tCost << endl;
}
friend void prims(Tree &tre, int start);
};
void prims(Tree &tr, int start){
int usedVert[V], unusedVert[V];
int i, j, min, p;
edge ed;
//初期化
usedVert[0] = start; p = 1;
unusedVert[0] = -1;//-1 はその場所が空であることを示す
for(i = 1; i<V; i++){
usedVert[i] = -1;//最初の要素以外はすべて空
unusedVert[i] = i;//頂点で埋める
}
tr.n = 0;
//辺を求めて木に追加
while(p != V){ //p は usedVert 配列内の頂点数
min = INF;
for(i = 0; i<p; i++){
for(j = 0; j<V; j++){
if(unusedVert[j] != -1){
if(min > costMat[i][j] && costMat[i][j] != 0){
//u が考慮済みで v がまだ未考慮の
//最小コストの辺を探す
min = costMat[i][j];
ed.u = i; ed.v = j; ed.cost = min;
}
}
}
}
unusedVert[ed.v] = -1;//v を未使用頂点から削除
tr.addEdge(ed);
usedVert[p] = ed.u; p++;//u を使用済み頂点に追加
}
}
int main(){
Tree tr;
prims(tr, 0); //開始ノードは 0
tr.printEdges();
}
出力結果
(0)---(1|1) (0)---(2|3) (0)---(3|4) (1)---(0|1) (1)---(4|2) (2)---(0|3) (3)---(0|4) (4)---(1|2) (4)---(5|2) (5)---(4|2) (5)---(6|3) (6)---(5|3)
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データ構造入門:最小全域木(Minimum Spanning Tree)とは
全域木(スパニングツリー)とは全域木(スパニングツリー)とは、無向グラフの部分集合であり、グラフ内のすべての頂点を最小限の数の辺で接続した木構造のことを指します。グラフ内のすべての頂点が互いに連結されている場合、必ず少なくとも1つの全域木が存在します。また、1つのグラフに対して、複数の全域木が存在することもあります。最小全域木(MST)とは最小全域木(Minimum Spanning Tree:MST)とは、連結された重み付き無向グラフにおいて、すべての頂点を接続しながら、辺の重みの合計が最小となるような辺の部分集合です。MSTを求めるアルゴリズムとしては、プリム法(Prims algorit
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Pythonでプリムのアルゴリズムを使って最小全域木(MST)を求める方法
最小全域木(MST)とは?グラフが与えられたとき、そこから「最小全域木」(MST:Minimum Spanning Tree)を求めることを考えます。グラフのMSTとは、重み付きグラフの部分集合であり、すべての頂点が含まれており互いに接続され、かつ部分集合内に閉路(サイクル)が存在しないものを指します。「最小」と呼ばれるのは、MSTの辺の重みの合計が、元のグラフから構成できるどの全域木よりも小さくなるためです。この記事では、プリム(Prim)のMSTアルゴリズムを実装し、与えられたグラフからMSTの辺の重みの合計を求める方法を解説します。問題の例たとえば、次のようなグラフが入力として与えられた