Pythonでプリムのアルゴリズムを使って最小全域木(MST)を求める方法
最小全域木(MST)とは?
グラフが与えられたとき、そこから「最小全域木」(MST:Minimum Spanning Tree)を求めることを考えます。グラフのMSTとは、重み付きグラフの部分集合であり、すべての頂点が含まれており互いに接続され、かつ部分集合内に閉路(サイクル)が存在しないものを指します。「最小」と呼ばれるのは、MSTの辺の重みの合計が、元のグラフから構成できるどの全域木よりも小さくなるためです。
この記事では、プリム(Prim)のMSTアルゴリズムを実装し、与えられたグラフからMSTの辺の重みの合計を求める方法を解説します。
問題の例
たとえば、次のようなグラフが入力として与えられたとします。

このとき、頂点数 n = 4、開始頂点 s = 3 である場合、出力は 14 になります。
このグラフから得られるMSTは次のようになります。

このMSTの辺の重みの合計は 14 です。
解き方の手順
この問題を解くために、以下の手順に従います。
- mst_find() 関数を定義する。引数は G(グラフ)と s(開始頂点)。
- distance := グラフGと同じサイズのリストを無限大(inf)で初期化
- distance[s] := 0
- itr := グラフGと同じサイズのリストをFalseで初期化(訪問済みフラグ)
- c := 0(MSTの重み合計)
- Trueの間、以下を繰り返す:
- min_weight := 無限大
- m_idx := -1
- i を 0 から Gのサイズまで繰り返す:
- itr[i] が False の場合:
- distance[i] < min_weight であれば:
- min_weight := distance[i]
- m_idx := i
- distance[i] < min_weight であれば:
- itr[i] が False の場合:
- m_idx が -1 の場合:
- ループを抜ける
- c := c + min_weight
- itr[m_idx] := True
- G[m_idx] 内の各ペア (i, j) について:
- distance[i] := distance[i] と j の最小値
- c を返す
- G := 頂点数n個の空の辞書(隣接リスト)を持つ辞書を作成
- edges の各要素 item について:
- u := item[0]
- v := item[1]
- w := item[2]
- u := u - 1(0始まりのインデックスに変換)
- v := v - 1
- 既存の辺がある場合は重みの小さい方を採用し、G[u][v] と G[v][u] に設定(無向グラフとして両方向に登録)
- mst_find(G, s) を返す
Pythonでの実装例
理解を深めるために、以下の実装を見てみましょう。
def mst_find(G, s):
distance = [float("inf")] * len(G)
distance[s] = 0
itr = [False] * len(G)
c = 0
while True:
min_weight = float("inf")
m_idx = -1
for i in range(len(G)):
if itr[i] == False:
if distance[i] < min_weight:
min_weight = distance[i]
m_idx = i
if m_idx == -1:
break
c += min_weight
itr[m_idx] = True
for i, j in G[m_idx].items():
distance[i] = min(distance[i], j)
return c
def solve(n, edges, s):
G = {i: {} for i in range(n)}
for item in edges:
u = item[0]
v = item[1]
w = item[2]
u -= 1
v -= 1
try:
min_weight = min(G[u][v], w)
G[u][v] = min_weight
G[v][u] = min_weight
except KeyError:
G[u][v] = w
G[v][u] = w
return mst_find(G, s)
print(solve(4, [(1, 2, 5), (1, 3, 5), (2, 3, 7), (1, 4, 4)], 3))コードのポイント
- distance配列:各頂点をMSTに追加する際のコスト(未訪問の頂点への最小辺の重み)を保持します。
- 貪欲法(Greedy):毎回、未訪問の頂点の中から最もコストの小さい頂点を選んでMSTに追加していきます。
- 計算量:この実装では頂点数をVとしたとき O(V²) の計算量になります。優先度付きキュー(heapq)を使うことで O(E log V) まで高速化できます。
入力
4, [(1, 2, 5), (1, 3, 5), (2, 3, 7), (1, 4, 4)], 3
出力
14
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