Oracle R12のサブレッジャー会計(SLA)を5つの簡単なステップでカスタマイズする方法
サブレッジャー会計(Subledger Accounting:SLA)は、Oracle® R12に搭載された柔軟性の高い機能であり、企業の多様な会計ニーズに対応するために活用できます。
概要
SLAを利用すれば、わずか数ステップの手順で会計要件を簡単に変更できます。この記事では、SLAをカスタマイズするための5つの簡単なステップをご紹介します。これらのステップを実践することで、自社のビジネスニーズに合わせて会計プロセスを自由に調整できるようになります。
ビジネス要件
具体例を挙げて説明しましょう。ABC株式会社という会社を想定します。同社の勘定体系は「会社」「勘定」「コストセンター」の3つのセグメントで構成されており、会計方法としては元帳レベルで標準発生主義(Standard Accrual)を使用しています。
買掛金管理モジュールで標準請求書を入力すると、SLAは次のような標準的な会計仕訳を自動生成します。
Expense: 001.10100.0001.00000 DR(手動入力された組み合わせ)
Liability: 001.20000.0000.00000 CR(サプライヤ/サプライヤ・サイトまたは財務オプションから導出)
ここで、財務部門はコストセンターセグメントについて、請求書配分レベルで入力した費用勘定から値を取得するように処理を変更したいと考えています。つまり、負債勘定の組み合わせにおける3番目のセグメントの値を0000から0001へ変更する必要があります。
ソリューション
このビジネス要件を実現するには、以下のステップに従ってSLAをカスタマイズし、望みどおりの会計プロセスを実装します。
ステップ1:新しい勘定派生ルール(ADR)を作成する
買掛金管理 > 設定 > 会計設定 > サブレッジャー会計の設定 > 会計方法ビルダー > ジャーナル入力の設定 > 勘定派生ルールを選択します。
このルールにより、SLAが標準のOracleソースである「請求書配分勘定(Invoice Distribution Account)」からCOST CENTERセグメントの値を取得することが定義されます。
ステップ2:ジャーナル行定義(JLD)を作成する
JLD(Journal Line Definition)とは、特定のサブレッジャーモジュールに対して定義されたすべてのジャーナル行タイプ(JLT)の集合です。
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買掛金管理 > 設定 > 会計設定 > サブレッジャー会計の設定 > 会計方法ビルダー > 方法および定義 > ジャーナル行定義を選択します。
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標準のOracle JLDをコピーして、新しいJLDを作成します。以下の例を参考にしてください。
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定義をコピーしたら、ステップ1で作成したCOST CENTERセグメント用のADRルールを追加して保存します。
今回の例は負債勘定に関するものなので、JLTにはLiability, Basicを使用します。
ステップ3:アプリケーション会計定義(AAD)を作成する
AAD(Application Accounting Definition)とは、イベントクラスまたはイベントタイプとJLDの集合です。
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買掛金管理 > 設定 > 会計設定 > サブレッジャー会計の設定 > 会計方法ビルダー > 方法および定義 > アプリケーション会計定義を選択します。
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標準のOracle AADをコピーして、新しいAADを作成します。以下の例を参考にしてください。
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定義をコピーしたら、ステップ2で作成したJLDを追加して保存します。JLDは各イベントクラスに個別に割り当てることができます。今回はイベントクラスとして
Invoicesを使用します。
ステップ4:サブレッジャー会計方法(SLAM)を作成する
SLAM(Subledger Accounting Method)とは、サブレッジャーモジュールに対して定義されたAADのグループです。
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買掛金管理 > 設定 > 会計設定 > サブレッジャー会計の設定 > 会計方法ビルダー > 方法および定義 > サブレッジャー会計方法を選択します。
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標準のOracle SLAM(標準発生主義)をコピーして、新しいSLAMを作成します。以下の画像を参考にしてください。
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定義をコピーしたら、買掛金管理アプリケーションに対してステップ3で作成したAADを追加して保存します。
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買掛金管理向けに「会計定義の検証(Validate Accounting Definitions)」プログラムを実行するには、買掛金管理 > 表示 > 要求 > 新規要求の発行を選択します。
ステップ5:SLAMを元帳に関連付ける
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買掛金管理 > 設定 > 会計設定 > 元帳の設定 > 定義 > 会計設定を選択します。
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ステップ4で作成したSLAMを関連付け、元帳の設定を完了させます。
検証
SLAの設定を検証するには、新しい請求書を作成して検証(Validate)を実行し、その後「会計処理の作成(Create Accounting)」プログラムを実行します。
すると、変更内容を確認できます。負債勘定のコードコンビネーションにおいて、コストセンターの値が0000から0001に変わっています。
Expense: 001.10100.0001.00000 DR(手動入力された組み合わせ)
Liability: 001.20000.0001.00000 CR(SLAから導出)
まとめ
Oracle R12において、SLAはさまざまなビジネスが抱える会計ニーズに応えられる、非常に体系的で整理されたアプローチのひとつです。このプロセスで成功する鍵となるのは、要件を正確に理解することです。しっかりと計画を立てたうえで、本記事でご紹介したステップに従えば、自社のビジネス要件に合わせてSLAをスムーズにカスタマイズできます。
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