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知っておくべき5Gのセキュリティリスク4選

5G対応スマートフォンやその他のデバイスはすでに店頭に並び始めており、まもなく超高速の5Gがモバイル通信技術の新たな標準となるでしょう。5G接続を利用すれば、高画質動画のストリーミングやモバイルデバイスでのオンラインゲームも、これまで以上に快適に楽しめるようになります。

しかし、あらゆる新しいテクノロジーと同様に、5Gにも一定のセキュリティ上の懸念が伴います。本記事では5Gの主なセキュリティリスクを解説します。5Gデバイスの購入や利用の際に、より賢い判断ができるようになるはずです。

1. 5Gではセキュリティ機能が「任意」になっている

5Gへの懸念は以前から指摘されてきました。米国のロン・ワイデン上院議員は2019年11月、連邦通信委員会(FCC)の委員長宛てに書簡を送り、こうした懸念について議論を求めています。

ワイデン議員が指摘した大きな問題は、既知の脆弱性に対するサイバーセキュリティ保護の一部が、5Gでは「オプション(任意)」扱いになっている点です。これには暗号化や認証などの基本的な機能が含まれます。

これらは必須ではないため、各無線通信キャリアが自らの判断で保護機能を有効にするかどうかを決めることになります。多くのキャリアが有効化を選択することが期待できますが、法的な義務は一切ありません。

「何十年もの間、無線通信キャリアは、外国政府がアメリカ人を標的にするために活用していた、そして今なお活用し続けている既知のサイバーセキュリティ脆弱性を無視してきました。消費者は電話会社のセキュリティ対策を比較する手段がないため、市場はサイバーセキュリティを促進するインセンティブを生み出せていません」――ワイデン議員

これは、セキュリティを軽視するキャリアを利用する5Gユーザーだけの問題ではありません。他のユーザーにも波及します。例えば、ユーザーAのキャリアのセキュリティが不十分で、ユーザーBとメッセージの送受信を行っている場合、両者のデータがともに危険にさらされるのです。

書簡の中でワイデン議員は、外国政府がこれらの脆弱性を悪用してアメリカ人を標的にしている実態を指摘しました。しかし忘れてはならないのは、ユーザーは自国政府による監視のリスクにもさらされているという点です。

2. 5Gハードウェアとインフラへのリスク

米国のサイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)が2019年に発表した報告書は、5Gに関するさらなる懸念を提起しています。この報告書はまず4G技術に存在するセキュリティリスクを調査し、それらが5Gにどのように影響しうるかを検討しました。

特に問題視されたのは、信頼できない企業が製造したハードウェアがセキュリティを損なう可能性です。これは明らかに、スパイ行為を疑われているファーウェイ(Huawei)など中国企業への言及です。

報告書は次のように警告しています。「たとえ米国のネットワークが安全であっても、信頼できない海外の通信ネットワークを経由する米国のデータは、傍受、改ざん、妨害、破壊の潜在的なリスクにさらされる」

また、5Gで使用される部品の数そのものも課題です。その数は従来の無線技術よりはるかに多くなります。5Gの整備には新たな物理的インフラが必要で、キャリアは通常の基地局に加えて、スモールセルやマイクロセルと呼ばれる小型基地局を大量に構築しなければなりません。問題は、システムを構成するコンポーネントが増えるほど、攻撃経路も比例して増えるという点です。

これは、自動運転車、遠隔医療、IoTデバイスなど、5Gを活用する予定のテクノロジーを考えれば特に深刻です。これらはすべてサイバー攻撃に対して脆弱であり、一度攻撃が成功すれば極めて重大な結果を招きかねません。

3. 5G認証プロトコル(AKA)の脆弱性

こうした一般的な脅威に加えて、研究者たちは5G固有のセキュリティ問題も特定しています。ノルウェーのSINTEF Digitalとベルリン工科大学の研究チームは、2019年の論文で、5Gが採用する認証および鍵合意(AKA)プロトコルの脆弱性を明らかにしました。

AKAプロトコルとは、デバイスが5Gネットワークと通信するために使われる仕組みで、3Gや4Gでも類似のプロトコルが採用されています。AKAはワンタイムパスワードを生成することで、デバイスと携帯電話網がデータをやり取りする際に、通信が第三者によって干渉されていないことを確認できるようにしています。

5G向けの新版AKAプロトコルは、より安全になるよう設計され、「偽基地局攻撃」と呼ばれる攻撃手法への耐性強化が図られました。

ところが、この新しいAKAプロトコルは、それ自身の弱点を抱え込む結果となりました。研究者らが発見したのは論理的な脆弱性、つまり基盤となるコードの欠陥ではなく、システムの動作設計そのものに潜む問題です。このプロトコルはランダム化された暗号化でデータを保護するはずでしたが、研究者らはこれを回避することに成功し、「アクティビティ監視攻撃(activity monitoring attack)」と名付けた新種の攻撃手法を作り出しました。

これは、ハッカーが5G上で伝送される情報を盗み取れる可能性があることを意味します。研究者らは修正案を提案していますが、現時点ではまだ広く採用されていません。

4. 5GでもIMSIキャッチャーからは安全ではない

さらに、政府が5Gを通じてユーザーを監視しうる方法も存在します。2018年、米国国土安全保障省は、首都ワシントンD.C.で「IMSIキャッチャー(International Mobile Subscriber Identity catcher)」と呼ばれる電子監視装置を発見したと発表し、大きな注目を集めました。

IMSIキャッチャーは携帯電話基地局になりすます装置で、スマートフォンなどのデバイスを誤って接続させます。接続に成功すると、装置の所有者は通話やメッセージを傍受できるのです。FBIは1990年代半ば以降、「Stingray(スティングレイ)」と呼ばれる類似技術を使って携帯電話の通信を追跡してきました。

過去数年間、Stingrayをめぐっては世間の強い反発がありましたが、FBIは今なおこの技術を使用し続けています。カナダや英国の法執行機関も同様の装置を運用していることが知られています。

5Gは本来、IMSIキャッチャーからユーザーを守るはずのものでした。しかし実際には、攻撃者が5Gの保護機構を回避する方法が複数存在します。

一つは前述のAKAプロトコルの脆弱性を利用する手法です。もう一つは「Torpedo(トルペード)」と呼ばれる攻撃で、着信やメッセージの到着前に端末へ通知するページングプロトコルの弱点を悪用します。ハッカーはTorpedoによって緊急速報を偽装したり、着信メッセージを完全にブロックしたりすることさえ可能です。

Torpedoを仕掛けた後、「Piercer(ピアサー)」と「IMSIクラッキング(IMSI-Cracking)」という一連のフォローアップ攻撃につなげることもできます。これらを組み合わせると、4Gと5Gの両方のネットワーク上のIMSIデータへアクセスできてしまうのです。

つまり、5Gは結局のところ、IMSIキャッチャーに対する完全な防御を備えていないということです。

まとめ:5G導入前に知っておきたいセキュリティ問題

5G技術は高速なインターネットを実現し、モバイルでのゲームストリーミングといった新体験を可能にします。一方で、この新技術にはいくつかのセキュリティリスクが伴います。5Gへ移行する前に、自分のデバイスのセキュリティ体制を見直し、5Gネットワークへの接続によってデバイスが侵害される可能性はないかを検討しておきましょう。

接続デバイスのセキュリティをさらに強化したい方は、スマートフォンやタブレット向けのセキュリティ・プライバシー保護アプリのおすすめリストもぜひ参考にしてください。

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