OutlookのPSTファイルから削除済みメールを復元する方法
Outlookの「削除済みアイテム」フォルダからメールを削除する際は、常に慎重な操作が求められます。とはいえ、うっかりミスで重要なメールを削除してしまうことは誰にでも起こり得ます。幸い、Microsoft Outlookには削除したアイテムを復元する方法が存在します。
まず最初に押さえておきたい重要なポイントは、アイテムを削除した直後に必ずOutlookを閉じることです。さらに、作業が完全に完了するまでプログラムを再起動しないことも大切です。Outlookを開いたままにしている時間が長くなるほど、結果は予測しにくくなります。
PSTファイルとは?
削除されたファイルは、PSTファイルとして保存されています。Outlookは、コンテンツの削除といった変更を検出すると、PSTファイルを上書きしようとします。私たちの狙いは、OutlookがPSTファイルに変更を加える前に、そのファイルを復元することです。
以下で紹介する方法では、PSTファイルを直接編集します。そのために使用するのがHexエディタ(バイナリエディタ)と呼ばれるツールです。メールの復元作業を始める前に、あらかじめダウンロードしてインストールしておきましょう。
Hexエディタには無料で利用できるものが多数公開されており、インストール不要で使えるポータブル版もあります。
OutlookにおけるTOC(テーブル・オブ・コンテンツ)とは?
この手法の核心は、Outlookに「ファイルが破損している」と思い込ませることにあります。より正確に言えば、ターゲットとなるのはTOC(Table of Contents)と呼ばれる領域です。これは、Outlookがメールを分類し、適切なフォルダへ振り分ける際に参照する目次のような役割を担っています。
通常、TOCは削除済みアイテムの情報を除去します。しかし、破損させてから修復する(詳細は後述)という一連の作業を素早く実行できれば、Outlookに「PSTファイルには何も変更がなかった」と認識させることが可能です。その結果、削除されたすべてのメールが復元され、Outlookは何事もなかったかのように動作します。
PSTファイルの場所を確認する
パソコンに保存されているPSTファイルを見つける手順は以下の通りです。
ファイル > データファイルの管理を開きます。PSTファイルの一覧が表示されるので、必要なファイルを選択してください。
ファイルの場所を開くをクリックすると、PSTファイルが保存されているフォルダへアクセスできます。
PSTファイルをコピーし、ハードディスク内の安全な場所に貼り付けてください。
注意:この後編集するのはコピーしたファイルであり、元のファイルではありません。
PSTファイルを意図的に破損させる
コピーしたPSTファイルをHexエディタで開きます。画面には数字と英字が羅列して表示されます。これらは「16進数(ヘキサデシマル)」と呼ばれる文字で、この値を書き換えることで目的の結果を得られます。
先頭から数えて16進数の位置7〜13を探します。
スペースキーを使って、位置7〜13の値を削除します。この操作により、元の値が「20」に置き換わる場合があります。
変更が完了したら、PSTファイルを上書き保存してHexエディタを終了します。
お使いのHexエディタが対応していれば、選択範囲の塗りつぶし(Fill Selection)機能を使ってPSTファイルを更新することもできます。
- 位置7〜13を見つけて選択(ハイライト)します。
- Edit(編集) > Fill Selection(選択範囲の塗りつぶし)をクリックします。
- Hex Values(16進数の値)欄に「00」を入力します。
- OKをクリックします。
- ファイルを保存してプログラムを終了します。
PSTファイルを復元する
PSTファイルの破損に成功したら、次はいよいよ復元作業です。ここで活躍するのが、Microsoft純正の修復ツール「scanpst.exe」です。
修復ツールが破損したPSTファイルとTOCをスキャンして修復する過程で、完全に削除されたはずのメッセージを検出しても、それらを「単に配置が乱れただけのデータ」と判断します。その結果、メッセージは本来のフォルダへと自動的に戻される仕組みです。
scanpst.exeを起動します(Office 365をご利用の場合は、C:\Program Files\Microsoft Office\root\office16\ フォルダ内にあります)。
Browse(参照)をクリックして、編集済みのPSTファイルを指定して開きます。
Start(開始)をクリックします。修復が完了したら、OutlookでPSTファイルを開いてください。
復元が計画どおりに進んでいれば、削除されたメールは「削除済みアイテム」フォルダ、あるいは元々メールが保管されていたフォルダに戻っているはずです。
この方法は実際に有効ですが、成功率は100%ではありません。期待値は適切に設定しておきましょう。もし上手くいかない場合は、サードパーティ製のデータ復元ツールを検討するのも有効な選択肢となります。
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