Office
 Computer >> コンピューター >  >> ソフトウェア >> Office

ExcelのATAN関数でタンジェント角度を求める方法|ACOS・ASINとの使い分けも解説

直角を含む三角形であれば、2辺の長さがわかるだけで、タンジェント角度(接線角)を簡単に求めることができます。

しかも、Microsoft Excelにはこうした計算に使える組み込み関数が用意されているため、手計算よりもさらに手軽に角度を算出できます。

※この記事の内容は、Microsoft 365版Excel、Excel 2019/2016/2013/2010、およびMac版Excelに対応しています。

タンジェント角度とは?

タンジェント角度とは、ある角度に対して「対辺(向かい合う辺)」と「隣辺(隣接する辺)」の長さがわかっているときに求められる三角形の角度のことです。

たとえば、上司から「はしごを地面に対して正確に70度の角度で設置してほしい」と指示されたとしましょう。専用の測定器がなければ、はしごと地面の間の角度が本当に70度になっているかを直接測るのは困難です。

ExcelのATAN関数でタンジェント角度を求める方法|ACOS・ASINとの使い分けも解説

しかし、巻き尺があれば話は別です。まず、はしごの脚元から壁までの距離を測ります。壁にもたれたはしごは三角形を形作るため、この距離が求めたい角度に隣接する辺(隣辺)に相当します。

次に、壁の付け根から、はしごの先端が壁に触れている位置までの高さを測ります。こちらが角度の反対側にある辺(対辺)の長さです。

対辺と隣辺の値がそろえば、アークタンジェント(逆正接)関数を使って、はしごの脚元の角度を計算できます。

たとえば、壁側(対辺)が10フィート、地面側(隣辺)が5フィートの場合、タンジェントの値は「対辺 ÷ 隣辺」で求まり、10 ÷ 5 = 0.5 となります。

角度そのものを知りたい場合は、この0.5のアークタンジェントを計算します。

Excelでタンジェント角度を求める手順

アークタンジェントを計算できる関数電卓もありますが、Excelには「ATAN」という組み込み関数が標準で搭載されているので、そちらを使うのが便利です。

ExcelのATAN関数でタンジェント角度を求める方法|ACOS・ASINとの使い分けも解説

ただし注意点があります。ATAN関数が返す値は「ラジアン」単位のため、このままでは日常的な「度」の感覚と一致しません。

そこで、結果に「180/π」を掛けてラジアンを度に変換します。Excelには円周率を返す「PI関数」もあるので、これを組み合わせるとスムーズです。

ExcelのATAN関数でタンジェント角度を求める方法|ACOS・ASINとの使い分けも解説

この例での答えは63.43度です。目標の70度に届いていないため、対辺か隣辺のどちらかの長さを調整する必要があることがわかります。

Excelなら、セル内の対辺の値を少しずつ変更しながら、計算結果がちょうど70になるまで試せるので、こうした微調整も非常に簡単です。

ACOS・ASIN関数を使った角度の求め方

同じシナリオで、壁の高さを測れるほど長い巻き尺がない場合を考えてみましょう。わかっている情報は「はしごの長さが15フィート」「壁から5フィート離して設置している」ことだけです。

実は、Excelにはこのような状況で使える関数が他に2つあります。

はしごの長さは三角形の斜辺、地面の距離は角度に隣接する辺(隣辺)です。三角形に1つの直角(90度)が含まれていれば、手持ちの情報の組み合わせによって使うべき公式が決まります。

  • コサイン(余弦):斜辺と隣辺の長さがわかっている場合に使用
  • サイン(正弦):斜辺と対辺の長さがわかっている場合に使用

今回のケースでは、角度は「隣辺 ÷ 斜辺」のアークコサイン(逆余弦)で求められます。

隣辺(地面からの距離)が5フィート、斜辺(はしごの長さ)が15フィートなので、コサインの値は 5 ÷ 15 = 0.333 です。

角度を算出するには、Excelのアークコサイン関数「ACOS」を使います。

ExcelのATAN関数でタンジェント角度を求める方法|ACOS・ASINとの使い分けも解説

ACOS関数の結果もラジアン単位で返されるため、度に変換するには「180/PI」を掛けます。

その結果、15フィートのはしごを壁から5フィートの位置に設置した場合の角度は70.53度となり、ほぼ目標の70度を満たしていることが確認できます。

もし壁までの距離(隣辺)ではなく、壁の高さ(対辺)が10フィートだとわかっている場合は、代わりにアークサイン関数「ASIN」を使用します。

この場合、角度のサインは「対辺 ÷ 斜辺」で計算します。

ExcelのATAN関数でタンジェント角度を求める方法|ACOS・ASINとの使い分けも解説

度に変換した結果、このケースでの角度は約48.12度となります。

ATAN・ACOS・ASIN関数はどんな場面で役立つ?

Excelでこれらの三角関数が必要になる場面は、意外と身近にたくさんあります。

  • 大工仕事・建築:家や建物を建てるすべての工程で、角度と長さの計算が欠かせません。
  • 写真撮影:ライティングや構図を精密に調整するために角度が活用されます。
  • スポーツ:角度の理解は、技術の向上や戦略の立案につながります。
  • 航空・航海:船舶や航空機は、レーダーで角度と距離をもとに位置を特定されています。
  • インテリア:家具が部屋にぴったり収まるか確認する際にも、長さと角度の計算が役立ちます。

これらの計算は関数電卓でも行えますが、手元に関数電卓がなくても、Excelがあれば同じ計算をすぐに実行できるのが大きなメリットです。

  1. ExcelのRANDBETWEEN関数の使い方|指定した範囲内の乱数を簡単に生成する3つの方法

    Microsoft ExcelのRANDBETWEEN(ランドビトウィーン)関数は、数学/三角関数に分類される関数の一つで、指定した2つの数値の間からランダムな整数を返します。サイコロの目のような1〜6の乱数を作りたいときや、くじ引きの番号、テストデータなどを自動生成したい場合にとても便利です。 この記事では、RANDBETWEEN関数の書式と、セルへの直接入力、「関数の挿入」ダイアログボックス、「数式」タブを使った3つの方法を、初心者の方にもわかりやすく解説します。 RANDBETWEEN関数の書式 RANDBETWEEN関数の書式は以下の通りです。 =RANDBETWEEN(最小値, 最大

  2. Microsoft ExcelでFIND関数・FINDB関数を使う方法をわかりやすく解説

    Microsoft ExcelのFIND(検索)関数は、既定の言語設定に関係なく、半角・全角を問わずすべての文字を1文字としてカウントします。一方、FINB関数(FINDB関数)は、DBCS(2バイト文字セット)をサポートする言語の編集が有効で、かつそれが既定の言語として設定されている場合にのみ、全角(2バイト)文字を2文字分としてカウントする点が特徴です。この記事では、FIND関数とFINDB関数の基本的な書式から具体的な使い方まで、初心者にもわかりやすく解説します。 FIND関数の書式 FIND(検索文字列, 対象, [開始位置]) FINDB関数の書式 FINDB(検索文字列, 対象,