Recovery Toolbox for Outlookで破損したPST・OSTファイルを修復・復元する方法
Microsoft Outlookは、メール、連絡先、スケジュール、タスクの整理と管理をサポートするアプリケーションです。これらの項目はOutlook内ではそれぞれ別のセクションに表示されますが、実際には1つのデータファイルにまとめて保存されています。アカウントの種類(POP3またはIMAP)に応じて、OutlookはデータをPSTまたはOST形式で保存します。
これらのファイルは破損しやすく、一度破損すると重要なデータを失う恐れがあります。そのため、日頃から対策を講じ、ファイルを危険にさらす操作を避けることが大切です。万が一ファイルが破損した場合は、「Recovery Toolbox for Outlook」を活用することで、破損したPSTまたはOSTファイルからメッセージ、連絡先、添付ファイルなどを復元できます。
PSTとOSTの基本
メールアカウントを追加すると、Outlookはアカウント情報、データの保存場所、各種設定、データファイルの情報を含むプロファイルを作成します。POP3アカウントを設定した場合、Outlookは個人用ストレージデータファイル(PST)を生成します。
このファイルはOutlookにインポート可能です。古いパソコンから新しいパソコンへ移行する際も、PSTファイルをバックアップしてインポートするだけで、すぐに環境を再現できます。なお、Outlook 2013までのバージョンでは、IMAPアカウントにもPSTファイルが使用されていました。
一方、Microsoft Exchange、Microsoft 365、Outlook.comでIMAPアカウントを設定すると、オフラインストレージデータファイル(OST)が作成されます。メールやその他のアイテムはサーバー上に既に存在するため、OSTファイルはあくまでローカルに保存されるデータのコピーです。
メールサーバーへの接続が中断しても、以前にダウンロード済みの情報には引き続きアクセスできるのがメリットです。
データファイルが破損する原因
データファイルが破損する原因は多岐にわたります。ここでは「ソフトウェア」と「ハードウェア」の2つのカテゴリに分けて解説します。
ソフトウェア関連の要因
- マルウェアやウイルス攻撃
- Outlookの強制終了など不適切な終了操作
- Outlookデータファイルの肥大化
- 互換性のないプラグインによるフリーズやクラッシュ
ハードウェア関連の要因
- ストレージデバイスのエラーや故障
- 不安定なネットワーク接続
- 停電などによるパソコンの突然のシャットダウン
Recovery Toolboxを使うべき場面
Outlook PST/OST修復ツールを使えば、上記のような原因でメールボックスが破損した際にデータを救出できます。Outlookには標準で「受信トレイ修復ツール(Inbox Repair Tool)」が搭載されていますが、必ずしも信頼できるとは限りません。以下のようなケースでは失敗したりフリーズしたりすることがあります。
- 「Outlook.pstは個人用フォルダファイルではありません」と表示され、ファイルが認識されない
- ディスクの読み書き権限に関するエラーで修復プロセスが停止する
- 暗号化されたPSTファイルに対応していない
- PSTファイルが大きすぎる場合(10GB超)は失敗率が高い
- 修復後のPSTファイルが空、または目的のアイテムが含まれていない
さらに、Recovery ToolboxはPST/OSTファイルをMSG、EMLなど任意の形式に変換する機能も備えています。添付ファイルや埋め込み画像のほか、テキスト形式・リッチテキスト形式・HTML形式のメールメッセージも復元可能です。
システム要件: Windows 98/Me/2000/XP/Vista/7/8、Windows 10、Windows Server 2003/2008/2012/2016以降に対応しています。また、復元・変換の実行時にはOutlook 98以降がインストールされている必要があります。
Recovery Toolboxでのデータ復元手順
このツールはシンプルで直感的に操作できます。事前に準備が必要なのは、復元したいデータと出力形式を決めておくことだけです。以下、PST/OSTファイルの復元と変換の手順を順番に説明します。
ステップ1:ファイルを選択
Recovery Toolbox for Outlookをインストールして起動したら、[Open]ボタンをクリックし、エクスプローラーから対象のPST/OSTファイルを選択します。Outlook 2013または2016で作成されたPSTファイルは、通常「ドキュメント\Outlook ファイル」フォルダに保存されています。
OSTファイルは「C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Microsoft\Outlook」に格納されています。
なお、Outlook 2007以前で作成されたデータファイルが残っているパソコンでOutlookをアップグレードした場合も、PSTファイルが見つかることがあります。
データファイルの保存場所がわからない場合は、[Search for PST or OST files]をクリックして場所と拡張子を指定し、検索を実行しましょう。その後、[Next]をクリックします。
ステップ2:モードを選択
次に、破損したPST/OSTファイルからデータを復元するのか、それとも別の形式に変換するのか(例:PST→OST、OST→PST)を選択します。希望のオプションを選んで[Next]をクリックしてください。
ステップ3:復元の実行
「Do you wish to start recovery?(復元を開始しますか?)」というダイアログが表示されます。パソコンの性能やPSTファイルのサイズによって、処理にはある程度時間がかかります。
処理が完了すると、破損したPSTファイルから復元されたアイテムが一覧表示されます。左ペインには復元された全フォルダ、右ペインには日付・宛先・差出人・件名などの詳細情報付きのメールメッセージが表示されます。内容を確認したら[Next]をクリックします。
注意: メールの詳細情報が一部表示されないことがあります。その場合は、PSTファイルから別の形式でデータを復元するのがおすすめです。
ステップ4:保存先を指定
復元データの保存先パスを指定します。[Open]ボタンをクリックして、保存先フォルダを選択してください。
ステップ5:保存形式を選択
Recovery Toolbox for Outlookでは、破損したPSTファイルからのデータ保存方法が2つ用意されています。新しいPSTファイルとして保存するか、MSG、EML、VCF、TXTなどの個別ファイル形式で保存するかを選べます。Outlookデータを今後どう活用したいかを考えて選びましょう。
- Outlookにインポートして使用したい
- メールやその他のアイテムをバックアップとして保管したい
- 対応形式をサポートする他のメールクライアントに取り込みたい
ステップ6:保存と結果確認
[Save]ボタンをクリックすると、アプリが詳細な統計レポートを表示します。レポートには、ソースPSTファイルのパス、復元されたフォルダ数・ファイル数、復元ファイルの保存先パスなどが含まれます。復元されたEMLファイルやVCFファイルを確認し、任意のアプリにインポートしましょう。
データファイルを別形式に変換する手順
変換を行いたい場合は、ステップ2で[Converter mode](変換モード)を選択し、以降は同じ手順を繰り返すだけです。OSTファイルをPSTファイルに変換することも、データを複数のファイル形式に分けて保存することも可能です。不明な点があれば、Recovery Toolbox for Outlookの公式FAQを参照してください。
Outlookのデータを確実に復元しよう
Recovery Toolbox for Outlookは、破損したOutlookのPST/OSTファイルからデータを復元するためのシンプルで直感的なツールです。既存のPSTファイルを直接修正・変更するのではなく、フォルダ構成やファイル構造を保ったまま新しいファイルとして保存できる点が特徴です。
別形式でのデータ復元も素早く行えます。ファイルが深刻に破損している場合でも、画像や添付ファイルといった貴重なデータを部分的にでも救出できる可能性があります。まずは実際に試してみて、自分のニーズに合うかどうか確認してみてください。
価格は個人利用(非商用)で49.90ドル、ビジネス用途で74.90ドルと手頃です。また、オンライン版のRecovery Toolboxを利用すれば、10ドル/GBという従量課金でデータを復元することもできます。
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