LinuxでGmailを使うためのMuttのインストールと設定方法【完全ガイド】
Linuxターミナルからメールを送信できると、特にシェルスクリプトでメール送信を自動化したい場合に非常に便利です。ThunderbirdやEvolutionなどのGUIメールクライアントも定番ですが、動作が重く感じられることもあります。コマンドライン操作に慣れている方なら、Linuxネイティブの仕組みを活かしてメールの送受信を行う方が効率的かもしれません。
GmailなどのメールサービスをLinux上で設定すれば、ターミナルから直接メールボックスへのアクセス、メール送信、返信が可能になります。そのためには、まずMuttを設定する必要があります。一度設定してしまえば、長期的に見て作業が格段に楽になります。
Muttとは?
Muttは、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)を使用してホスト間でメールを送受信するための、オープンソースのテキストベースメールクライアントです。いくつかのコマンドを実行するだけでインストールでき、その後はGmailのメールボックスも簡単に設定できます。
Muttの注目すべき特徴
導入の前に、MuttがLinuxユーザーから支持される理由を知っておきましょう。以下の特徴は、Muttが優れたメール管理ツールであることを示しています。
- インストールと設定が簡単
- コマンドラインから単一/複数の添付ファイル付きメールを送信可能
- CC(カーボンコピー)やBCC(ブラインドカーボンコピー)宛ての送信に対応
- メッセージのスレッド表示を完全サポート
- 便利なメーリングリスト機能を搭載
- mbox、maildir、MMDF、MHなど、複数のメールボックス形式に対応
- 20以上の言語で利用可能
- DSN(配信状態通知)機能をサポート
LinuxへのMuttのインストール方法
Muttは標準のLinuxパッケージではないため、多くのシステムにはプリインストールされていません。パッケージマネージャーを使って手動でインストールしましょう。
Ubuntu / Debianの場合:
sudo apt-get install muttRHEL / CentOSではYUMを使ってインストールできます:
sudo yum install muttFedoraの場合:
sudo dnf install muttArch系ディストリビューションではPacmanを使用します:
sudo pacman -S muttLinuxでのMuttの設定方法
設定の最初のステップとして、インストール後にメール、ヘッダー、証明書を保存するためのディレクトリをいくつか作成します。
以下のコマンドを順番に実行してください。
mkdir -p ~/.mutt/cache/headers
mkdir ~/.mutt/cache/bodies
touch ~/.mutt/certificates次に、touchコマンドでMuttの設定ファイルを作成します。
touch ~/.mutt/muttrcお好みのテキストエディタでmuttrcファイルを開きます。
sudo nano ~/.mutt/muttrcエディタが開いたら、受信メールと送信メールの設定として、メールボックスのIMAPおよびSMTPの情報を入力していきます。
設定内容は以下の通りです。
set from = "username@gmail.com"
set realname = "First Last"
# IMAP settings
set imap_user = "username@gmail.com"
set imap_pass = "<mailbox password>"
# SMTP settings
set smtp_url = "smtps://username@smtp.gmail.com"
set smtp_pass = "<mailbox password>"
# Remote Gmail folders
set folder = "imaps://imap.gmail.com/"
set spoolfile = "+INBOX"
set postponed = "+[Gmail]/Drafts"
set record = "+[Gmail]/Sent Mail"
set trash = "+[Gmail]/Trash"これはMuttでGmailアカウントをセットアップする例です。上記コード内のusername、First、Lastを、それぞれ自分のメールアドレスのユーザー名、名前、姓に置き換えてください。
注意: 現在のGmailでは、通常のパスワードによるサードパーティアプリからのログインは制限されています。「アプリパスワード」をGoogleアカウントのセキュリティ設定から生成し、それをimap_passとsmtp_passに入力するのが安全です。
メール設定コマンドの解説
- From: 送信者のメールアドレス
- Realname: メールに表示されるあなたの氏名
- IMAP_user: あなたのメールアドレス
- IMAP_pass: メールのパスワード(他の人にアクセスされる心配がない場合のみ)
- SMTP_url: メール送信時に接続するサーバーのURL
- SMTP_pass: メールボックスのパスワード
- Folder: メールボックスの場所
- Spoolfile: 受信メールが届くメールボックス内のフォルダ
- Postponed: 下書きメッセージを保存するフォルダ
- Record: 送信済みメッセージを保存するGmailのフォルダ
- Trash: 削除されたメールを保存するフォルダ
GmailのIMAP・SMTP設定値
一般的に、メールボックスのIMAPとSMTPのポート番号は固定です。ただし、確実に設定するために、エディタに入力する前にご自身のメールボックス設定を確認しておくことをおすすめします。
Gmailの場合、標準的な設定は以下の通りです。

これですべての設定が完了しました。早速Muttを起動して、ターミナル上でメールボックスを操作してみましょう。
LinuxでのMuttの使い方
Muttでメールを送受信するには、まずアプリケーションを起動します。ターミナルを開いてmuttと入力してください。
mutt新しいメールを作成するには、ターミナルでmキーを押します。Muttが受信者のメールアドレス、件名、本文を順番に尋ねてきます。必要に応じてファイルを添付することも可能です。すべて入力し終えたら、yキーを押してメールを送信します。
1. 件名を付けてメールを送信する
件名を指定するには、-sフラグを使用します。
mutt -s "Testing Email from mutt" winibhalla234@gmail.com2. echoコマンドとパイプで本文を渡す
echoコマンドをMuttと組み合わせれば、メール本文をコマンドラインから直接渡せます。
echo "Body Message" | mutt -s "Testing Email from mutt" winibhalla1234@gmail.com3. 添付ファイル付きのメールを送信する
ファイルを添付するには、コマンドの末尾にファイルのパスを指定します。
echo "Body Message" | mutt -s "Testing Email from mutt" winibhalla645@gmail.com test.txt複数のファイルを添付したい場合は、-aフラグを使ってファイル名をスペース区切りで指定します。
echo "Body Message" | mutt -s "Testing Email from mutt" winibhalla543@gmail.com -a test.tar.gz -a test2.tar.gz4. 複数の受信者にメールを送信する
同様に、複数のメールアドレスをカンマで区切って指定すれば、まとめて送信できます。
mutt -s "Testing Email from mutt" demo1@muo.com, demo2@muo.com, demo3@muo.com5. CCとBCCで受信者を追加する
-cフラグでCC(カーボンコピー)、-bフラグでBCC(ブラインドカーボンコピー)の宛先を指定できます。
mutt -s "件名" -c CCのアドレス -b BCCのアドレス 宛先のアドレス以下の例では、winibhalla533@gmail.comがTo(宛先)となり、winibhalla123@gmail.comがCC、winibhalla234@gmail.comがBCCとしてメールが送信されます。
mutt -s "Test Email" -c winibhalla123@gmail.com -b winibhalla234@gmail.com winibhalla533@gmail.com6. コマンドラインヘルプを表示する
使い方に迷ったときは、-hフラグでヘルプを確認できます。
mutt -hMuttのメールインターフェースを見てみよう
画面上部のメニューバーで各タブ間を移動でき、その下にはキーボードショートカットの一覧が表示されます。中央のペインがメッセージの閲覧領域です。

残念ながらMuttには内蔵のメール作成エディタがないため、本文の作成にはNano、Vim、Emacsなどのテキストエディタを使用します。
Muttで使える主なキーコマンドは以下の通りです。
- m: 新規メールを作成
- q: 終了
- d: 削除
- r: 返信
- y: 送信
- i: 終了(Exit)
Muttのここがすごい
Muttは目的をしっかり果たすオープンソースのパッケージで、軽量でありながら必要な機能を備えています。高速な処理性能と丁寧なエラーハンドリングが魅力ですが、メール内の画像表示に関してはやや苦手という面があります。
テキストベースで高速な動作を重視して設計されているため、画像を多用したメールの扱いには不向きだと感じる人もいるでしょう。それでも、Linuxでコマンドラインからメールを管理したいなら、Muttは間違いなく第一の選択肢となるはずです。
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