Windows 10にSNMPをインストールして構成する方法【設定アプリ・PowerShell・GPO対応】
SNMP(Simple Network Management Protocol)は、ネットワーク上の機器同士がハードウェアやソフトウェアの違いに関係なく情報を共有できるようにするアプリケーション層のプロトコルです。SNMPがない環境では、ネットワーク管理ツールによるデバイスの識別、構成変更の記録、パフォーマンスの監視、機器状態のリアルタイム把握などが行えません。
以前のWindowsでは、コントロールパネルの「Windowsの機能の有効化または無効化」からSNMPをオン/オフできました。しかしWindows 10 バージョン1803以降、Microsoftはセキュリティリスクへの懸念からこの機能を非推奨とし、代わりにCIM(Common Information Model)の利用を推奨しています。それでもPCにSNMPをインストールして有効化したい場合は、以下の手順に従ってください。
設定アプリからSNMPを有効化する
SNMPはWindows 10の「オプション機能」として提供されています。「設定」>「アプリ」>「アプリと機能」>「オプション機能」の順に開き、「機能の追加」をクリックします。検索ボックスに「snmp」と入力し、「Simple Network Management Protocol (SNMP)」と「WMI SNMP プロバイダー」を選択して「インストール」をクリックしましょう。

インストールが完了したら、サービス画面(services.msc)でSNMPサービスが表示されるかどうか確認してください。
PowerShellでSNMPを有効化する
PowerShell経由でSNMPを有効化するには、まずPCがインターネットに接続していることを確認します。そのうえで「Win + X」キーを押して「Windows PowerShell(管理者)」を選択し、管理者権限のPowerShellを起動します。次のコマンドを実行すると、MicrosoftのサーバーからSNMP機能をインストールできます。
Add-WindowsCapability -Online -Name "SNMP.Client~~~~0.0.1.0"
また、DISMツールを使って次のコマンドでインストールすることも可能です。
DISM /online /add-capability /capabilityname:SNMP.Client~~~~0.0.1.0いずれかのコマンド(Add-WindowsCapabilityまたはDISM)の実行が成功したら、次のコマンドでSNMPサービスが正しくインストールされたか確認しましょう。
Get-WindowsCapability -Online -Name "SNMP*"エラーコード0x800f0954の解決方法
コマンド実行時に「Add-WindowsCapability failed. Error code = 0x800f0954」というエラーが表示される場合、PCがMicrosoft Updateサーバーではなく社内のWSUSサーバーからWindows Updateのファイルを取得するよう設定されていることが原因です。
このエラーは、WSUSを一時的にバイパスし、SNMPのインストールファイルをMicrosoft Updateサーバーから直接取得することで解決できます。手順は以下の通りです。
- 次のコマンドを実行してWSUSをバイパスします。
このコマンドは、レジストリの「HKEY_LOCAL_MACHINE\...\WindowsUpdate\AU」にDWORD値UseWUServerを追加し、値を0に設定します。reg add "HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Policies\Microsoft\Windows\WindowsUpdate\AU" /v UseWUServer /t REG_DWORD /d 0 /f - 次の3つのコマンドを順に実行して、Windows Updateサービスを再起動します。
netsh winhttp reset proxy
net stop wuauserv
net start wuauserv - Add-WindowsCapabilityコマンドでSNMPのインストールを再試行します。成功したら、手順1で行ったレジストリの変更を元に戻すため、次のコマンドを実行します。
reg add "HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Policies\Microsoft\Windows\WindowsUpdate\AU" /v UseWUServer /t REG_DWORD /d 1 /f - 手順2と同じコマンドで、Windows Updateサービスを再度再起動します。
サービス画面からSNMPを構成する
SNMPサービスのインストールが完了したら、続いて構成を行いましょう。
まず、SNMP関連サービス(SNMP ServiceとSNMP Trap)が存在し、動作しているか確認します。「Win + R」キーを押し、「services.msc」と入力してEnterキーを押すと、サービス画面が開きます。一覧に両方のSNMPサービスが表示されているかチェックしてください。

あわせて「SNMP Service」が実行中かどうかも確認します。停止している場合はダブルクリックして「開始」を押します。さらに「スタートアップの種類」を「自動」に変更しておけば、次回起動時から自動的にサービスが実行されます。
次に「エージェント」タブを開き、「連絡先(Contact)」と「場所(Location)」に自分の名前と設置場所を入力します。「サービス」セクションでは、監視デバイスへ転送したいデータを収集する対象のサービスにチェックを入れます。

続いて「セキュリティ」タブへ移動します。

認証を許可するコミュニティ名を「許可するコミュニティ名」の一覧に追加します。権限としては「なし」「通知」「読み取りのみ(READ ONLY)」「読み取り書き込み(READ WRITE)」「読み取り作成(READ CREATE)」から選択できます。
次に、SNMPパケットの受信を許可するサーバーを下のボックスに追加し、「これらのホストからSNMPパケットを受け入れる」ラジオボタンが選択されていることを確認します。「任意のホストからSNMPパケットを受け入れる」を選ぶとIP制限がすべて解除され、あらゆるホストからのパケット送信が許可されます。特に公開環境のPCでは安全ではないため注意が必要です。
設定が完了したら「適用」を押し、「全般」タブに戻ってサービスを再起動(「停止」→「開始」)し、「OK」で閉じます。最後に、ファイアウォールでSNMP用ポートUDP 161(SNMP)とUDP 162(SNMPTRAP)を開放します。次のコマンドを実行してください。
netsh advfirewall firewall add rule name="SNMP UDP Port 161 In" dir=in action=allow protocol=UDP localport=161
netsh advfirewall firewall add rule name="SNMPTRAP UDP Port 162 In" dir=in action=allow protocol=UDP localport=162
netsh advfirewall firewall add rule name="SNMP UDP Port 161 Out" dir=out action=allow protocol=UDP localport=161
netsh advfirewall firewall add rule name="SNMPTRAP UDP Port 162 Out" dir=out action=allow protocol=UDP localport=162グループポリシーエディターからSNMPを構成する
グループポリシーオブジェクト(GPO)のパラメーターを変更すれば、SNMPの設定を一元的に管理できます。ローカルグループポリシーエディターを起動し、「コンピューターの構成」>「管理用テンプレート」>「ネットワーク」>「SNMP」へ移動して各パラメーターを構成します。
右側のペインには以下の項目が表示されます。
- コミュニティの指定:SNMP要求を送信できるコミュニティの追加と認証を許可します。
- 許可するマネージャーの指定:自分のコンピューターへSNMPパケットを送信できるホストを追加できます。
- publicコミュニティのトラップの指定:SNMPサービスが送信するトラップメッセージを受信するホスト名を構成できます。
SNMPサービスの導入完了
手順どおりに進めれば、お使いのPCへのSNMPのインストールと構成はスムーズに完了するはずです。多少手間はかかりますが、上記のいずれかの方法で問題なく運用できるでしょう。
職場でも自宅でも、ネットワークの監視は重要です。家族がデータ容量を大量消費している、あるいはマルウェアに感染している疑いがある場合は、ネットワーク上を流れるデータを追跡できるツールを活用すれば、原因を特定しやすくなります。
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