起動しないPCのハードディスクからデータを救出する方法【HDDドック活用術】
起動しないPCでもデータは諦めない
先日、Windows 10を使用していたクライアントが深刻なウイルスに感染し、パソコンがまったく起動できなくなってしまうというケースがありました。残念ながら、ハードディスクにはどうしても必要なファイルが大量に保存されていたため、フォーマットして最初からやり直すわけにもいきません。
ハードディスク自体は正常に動作しているのに、システムファイルの破損やウイルスの影響でOSだけが起動しない――こうした状況に陥ったことはありませんか?実は、ドライブを初期化してしまう前に、データを取り出す別の方法があるのです。
解決策は「HDDドッキングステーション」
このような場合におすすめなのが、ハードディスクドッキングステーションの購入です。これは、SATA接続のハードディスクをUSB経由で別のパソコンに接続できるデバイスです。ノートパソコン用の2.5インチとデスクトップ用の3.5インチ、両方のドライブに対応した製品を選べば安心です。SSD用のドッキングステーションも市販されています。
ドライブをセットしてUSBで接続すれば、外付けハードディスクと同じようにエクスプローラーから中身を閲覧できます。OSを起動する必要は一切なく、必要なファイルやフォルダーに直接アクセスしてデータをコピーできるのです。
専門の修理業者に依頼すると高額になりがちですが、ドッキングステーションなら数千円程度で入手でき、ハードディスクの取り外し方さえわかれば誰でも簡単に使えます。コストパフォーマンスの面でも非常におすすめの方法です。
おすすめ1:Thermaltake BlacX
定番人気の高いのがサーマルテイクの「BlacX」シリーズです。検索するとさまざまな価格帯の製品が見つかりますが、主な違いはドライブ挿入スロットが1つか2つかという点です。ノート用とデスクトップ用の両方のドライブを読み書きできるよう、2ベイ(デュアルスロット)タイプを選ぶことをおすすめします。
また、多くの製品はUSB接続ですが、eSATAポートを備えた上位モデルも存在します。eSATAが必要な特別な理由がない限り、より安価なUSBモデルで十分です。筆者も長年USBモデルを使っていますが、特に問題なく動作しています。
おすすめ2:StarTech ドッキングステーション
もうひとつの有力候補がStarTech社の「USB to SATAドック」および「eSATA/USB to SATAドック」です。前者は約20ドル、後者はeSATAオプションの分だけ40〜60ドルと価格が上がります。特別な要件がなければ、USB接続のみのシンプルなモデルで十分でしょう。
故障が疑われるドライブにも有効
HDDドックは、OSの起動といった通常の方法ではアクセスできなくなったハードディスクからデータをコピーするための、最速かつ最安の手段です。さらに、ハードディスクの故障が疑われる場合にも役立ちます。実際、「カチカチ」という異音がし始めたドライブから、この方法でデータを救出できた経験もあります。
注意点:暗号化とアクセス権限
もちろん、いくつか注意すべき点もあります。
まず、ドライブ全体や特定のファイル・フォルダーを暗号化している場合、新しいパソコン側に適切な暗号化キー(復号用の証明書など)がなければ内容を表示できません。
次に、アクセス権限の問題です。この方法でファイルをコピーしようとすると、「アクセスが拒否されました(Access Denied)」というエラーが表示されることがあります。これは、そのドライブが以前は別のWindows環境で使われていたためです。対処法としては、該当するフォルダーやファイルの所有権を取得すれば、コピーできるようになります。
以上、起動しなくなったパソコンのハードディスクからデータを救出する方法を紹介しました。事前にドッキングステーションを1台用意しておけば、いざというときに慌てずに済みますよ。
-
Windows 10でハードドライブを完全に消去する方法【データ復元を防ぐ手順】
パソコンを譲ったり処分したりする予定があるなら、まずシステムからデータを削除してフォーマットするのが一般的ですが、実はそれだけでは不十分です。ハードドライブからすべてのデータを完全に消し去るには、痕跡が一切残らないよう対策を講じる必要があります。これが「Windows 10でのハードドライブのワイプ(完全消去)」です。 通常、保存されたデータを削除すると、ファイルは画面上の表示から消えるだけです。つまり、ユーザーの目から見えなくなっただけで、実際にはシステム内にデータは残ったままです。これは「すべてのデータが削除された」という錯覚を与えますが、決して真実ではありません。 一見削除されたように見
-
故障したハードディスクからデータを復元する方法|物理・論理障害の見分け方と対処法
ハードディスクから起動しようとしたのに、ブーンという音がするだけで反応がない——そんな経験はありませんか?残念ながら、HDDが故障してしまった可能性が高いです。しかし、落ち込んでいるだけでは何も解決しません。この記事では、故障したハードディスクからデータを復元するための具体的な方法を詳しく解説します。 まずは損傷の程度を確認しよう 最初に、ハードディスクが本当に「死んで」しまったのか、それとも単に破損(コラプト)しているだけなのかを見極めましょう。ここでは損傷のレベルを診断し、復旧の希望があるかどうかを確認します。 ハードディスクの障害には大きく分けて2種類あります。物理障害と論理障害です