Macで「アプリケーションが開かなくなった」エラーが出たときの原因と対処法まとめ
macOSは全体的に使いやすいオペレーティングシステムですが、さまざまなエラーが発生することもあります。中には少し奇妙に感じられるエラーメッセージもあり、その代表例が「アプリケーションが開かなくなりました(The application is not open anymore)」というエラーです。
このエラーは、Finderやプレビュー(Preview)、Steamなど、MacにプリインストールされているApple純正アプリで発生すること多く、サードパーティ製アプリの実行時に起こるケースもあります。エラーが表示されると、対象アプリのウィンドウは開いたままなのに操作できなくなり、Dockのアイコン下には「起動中」を示すドットが残ったままになるのが特徴です。つまりアプリは見かけ上起動しているのに、実際には応答しなくなっている状態です。放置するとハングしたまま固まるため、強制終了かシステム再起動が必要になります。
「アプリケーションが開かなくなった」エラーの主な原因
このエラーは不思議に見えますが、仕組みはそれほど複雑ではありません。アプリが不安定になりフリーズしたり応答しなくなったりすると、macOSはそのアプリを「もう開いていない」と判断します。ところがDockやFinder上のアイコンは起動中として表示され続けるため、ユーザーがDockのショートカットやFinderから再度アプリを開こうとしたタイミングで、このエラーがポップアップ表示されるのです。
主な原因としては次のようなものが挙げられます。
- アプリファイルの破損(ウイルスやマルウェアによるものを含む)
- ハードウェアやソフトウェアの一時的な不具合
- macOS本体のバグ
- 古いプラグインや拡張機能との競合
対処の基本は、対象アプリを一旦終了させて最初からやり直すことです。ただし自動保存が有効になっていない場合、作業途中のデータを失う可能性がある点には注意しましょう。ウイルスによるファイル破損を防ぐためにも、ウイルス対策ソフトやマルウェア対策ソフトは常に最新の状態に保っておくことをおすすめします。
クラッシュとフリーズ(応答なし)の違いを確認する方法
本格的な対処に入る前に、アプリが「クラッシュ」したのか「ハング(応答なし)」したのかを見分けることが重要です。アプリが自発的に予期せず停止するのがクラッシュ、起動はするものの固まってしまうのがハングです。この違いはコンソール(Console)ユーティリティのログで確認できます。
- コンソールを開き、ファイルメニュー > 新規システムログクエリを選択します。
- クエリに名前を付けます(例:app crash)。
- メッセージを含むポップアップメニューをクリックし、フィルタ条件を設定します。
- 条件をメッセージ(Message)と含む(Contains)に設定し、右端のフィールドにcrashと入力します。
これらのクエリを使えば、コンソールログからクラッシュや応答なしを示すメッセージを検索できます。クラッシュの記録が大量にある場合は、アプリをアンインストールして再インストールするのが最善策です。
問題のあるアプリをアンインストールして再インストールする方法
ハードウェアやリソース、拡張機能に起因しないクラッシュだと判明した場合は、当該アプリをアンインストールし、関連ファイルをすべて削除したうえでApp Storeなどから再インストールしましょう。
なお、単にアプリをゴミ箱へドラッグするだけの削除はおすすめできません。関連ファイルがMac内に残ってしまうため、開発元が公開しているアンインストール手順に従って、プログラムとその構成要素を完全に取り除くようにしてください。
「アプリケーションが開かなくなった」エラーの解決策8選
ここからは、頑固に固まったアプリでも終了させられる実践的なテクニックを紹介します。次にこのエラーに遭遇したとき、落ち着いて対応できるようになるでしょう。
対処法1:アプリを強制終了する
まず試したいのが強制終了です。アプリがフリーズしている通常の操作では閉じられないため、強制終了が唯一の手段となります。なお、macOSが「開いている」と認識しているアプリしか強制終了できない点には注意してください。メニューに問題のアプリが表示されないこともありますが、最も手軽な方法なので試す価値は十分あります。
キーボードショートカットを使う
- Command + Option + Escキーを同時に押します。
- アプリケーションの強制終了ウィンドウが表示されます。
- 応答しないアプリを選択し、下部の強制終了ボタンをクリックします。
Dockから強制終了する
- Dock上でOptionキーを押しながら、応答しないアプリのアイコンを右クリックします。
- 表示されたメニューから強制終了を選択します。
アクティビティモニタを使う
- アクティビティモニタを開きます(/Applications/Utilities フォルダ内にあります)。Command + SpaceでSpotlightを呼び出して検索しても構いません。
- 応答しないアプリを見つけ、左上のXボタンをクリックします。
- ポップアップダイアログの強制終了をクリックします。
対処法2:Macを再起動する
再起動を行うと、重要なシステムファイルがリセットされ、アプリファイルが正常な状態に復元されるため、エラーが解消されることがあります。ファイルへの影響やデータ消失がない「通常の再起動(ソフトリブート)」が理想的です。
- Appleメニュー > システム終了を選択します。
- 再ログイン時にウィンドウを再度開くのチェックを外します。
- システム終了をクリックして確認し、Macが完全にシャットダウンするのを待ちます。
- 30秒待ってからMacを起動します。
対処法3:Macを強制再起動する
強制終了でも問題が解決しない場合は、強制再起動が必要です。強制再起動では未保存のデータが失われるため、問題のアプリ以外で実行中のアプリは事前に閉じておきましょう。手順は機種に関係なく共通ですが、電源ボタンの位置だけ異なります。
- 画面が真っ暗になるまで、Macの電源ボタンを押し続けます。
- システムの電源が切れたら、数秒待ちます。
- 再び電源ボタンを押してMacを起動します。
- アプリを開くかどうか尋ねられたら、キャンセルをクリックします。
対処法4:アプリケーションのコンテナフォルダを削除する
- Finderで移動 > フォルダへ移動を選択します。
- パス~/Library/Containersを入力して移動をクリックします。
- 対象アプリのフォルダをコピーし、Library/Containersフォルダの外にペーストします。
- 元のフォルダを削除します。
- アプリを再度起動し、問題が解決したか確認します。
対処法5:セーフモードを使う
セーフモードで起動してからアプリを実行し、通常どおり再起動することで問題が解決したという報告もあります。セーフモードでは必要最低限のソフトウェアだけが読み込まれるため、問題の切り分けに役立ちます。
Intel搭載Macの場合:
- Macの電源を切ります。
- 数秒待ってから電源ボタンを押し、すぐにShiftキーを押し続けます(起動音が鳴る機種では、その音を合図にShiftキーを押します)。
- 灰色のAppleロゴと進行状況バーが表示されたら、Shiftキーを離します。
Apple Silicon(Mシリーズ)搭載Macの場合は、電源ボタンを長押しして起動オプションを表示し、起動ディスクを選択してセーフモードで続けるをShiftキーを押しながらクリックしてください。
セーフモードで起動できたら、問題が起きていたアプリを立ち上げ、その後通常どおり再起動して症状が改善したか確認しましょう。
対処法6:プレビューの環境設定ファイルを削除する
同じエラーが繰り返される場合は、環境設定ファイル(plist)の削除が必要なことがあります。環境設定ファイルには、アプリやユーザーに関する起動情報や権限情報が保存されています。Apple純正アプリがクラッシュしたり正常に動作しなかったりする際、セーフモードでも解決しなければ、関連する環境設定ファイルを作り直すのが有効です。
作業前にTime Machineなどで必ずバックアップを取っておきましょう。これらのファイルは小さなplistファイルで、削除しても通常はデータ損失はありませんが、万が一に備えての保険です。
- Finderのメニューバーから移動 > フォルダへ移動を選択します。
- ~/Library/Preferencesと入力して移動をクリックします。
- ファイル名にアプリ名が含まれるファイルを探します。プレビューが応答しない場合は、com.apple.Preview.plistを探してください。
- 該当ファイルを念のためDesktopなどの別フォルダへ移動します。
- Macを再起動し、プレビューをテストします。
エラーが続く場合は、以下の各ファイルについても同じ手順を繰り返してください。
- ~/Library/Containers/com.apple.Preview
- ~/Library/Containers/com.apple.quicklook.ui.helper
- ~/Library/Preferences/com.apple.Preview.LSSharedFileList.plist
- ~/Library/Preferences/com.apple.Preview.SandboxedPersistentURLs.LSSharedFileList.plist
- ~/Library/Saved Application State/com.apple.Preview.savedState
問題が解決したら、退避しておいた環境設定ファイルは削除して構いません。
対処法7:macOSをアップデートまたは再インストールする
ここまでの手順でも解決しない場合、オペレーティングシステム自体にバグがある可能性があります。その場合はmacOSのアップデートまたは再インストールで対処しましょう。Appleは不具合を修正するパッチ更新を頻繁にリリースしていますが、Macを最新の状態に保っていなければその恩恵を受けられません。
macOSをアップデートする場合:
- Macをインターネットに接続します。
- システム環境設定 > ソフトウェア・アップデートを開き、新しいアップデートを確認します。
- 見つかったアップデートをダウンロードしてインストールします。
macOSを再インストールする場合:
- まだなら、Time Machineでバックアップを作成します。
- Macをシャットダウンし、30秒待って完全に電源を切ります。
- 電源ボタンを短く押してすぐに、Command + Rを押し続けます(Intel搭載Macの場合)。Apple Siliconの場合は、電源ボタンを長押しして起動オプションから復旧モードに入ります。
- 復旧モードの画面が表示されたら、macOSを再インストールをクリックします。
- 画面の指示に従って再インストールを完了させます。
再インストールはOSのコード全体を書き換える操作ですが、通常はデータに影響しません。それでも、事前のバックアップを強くおすすめします。
対処法8:サードパーティ製アプリの拡張機能を確認する
クラッシュやフリーズが起きているのがサードパーティ製アプリなら、拡張機能やプラグインを疑ってみましょう。ひとつずつ無効化していき、原因となる拡張機能を特定します。
過去にはSafariの拡張機能や、「Send Later」などのMail用サードパーティプラグインが原因でメールアプリがクラッシュする事例も報告されています。多くの場合、問題はプラグインが古いバージョンのままであることです。サードパーティ製アプリを最新版にアップデートすれば解決することがほとんどです。
拡張機能やプラグインが原因かどうかを切り分けるには、無料で利用できる診断ツール「EtreCheck」の活用がおすすめです。レポートを確認し、読み込みに失敗しているプロセスや異常を示す項目を探してみてください。
Macでアプリのフリーズやクラッシュを減らすためのメンテナンス術
アプリのフリーズやクラッシュを完全に防ぐ万能薬はありませんが、日頃のメンテナンスで発生リスクを大幅に減らせます。
- Mac App Storeでアプリのアップデートをこまめに確認し、常に最新版を使う(自動更新をオフにしている方は特に重要)
- ディスクユーティリティのFirst Aidを使い、ディスクの問題を定期的にチェックして修復する
- アプリのキャッシュを定期的に削除する(セーフモードでの起動がキャッシュクリアに役立つこともあります)
- ストレージの空き容量をこまめに確保し、ディスクの健康状態を維持する(SSD搭載モデルではデフラグは不要です)
- EtreCheckを定期的に実行し、パフォーマンス低下が続くようならメモリ増設や本体の買い替えも検討する(特にメモリ4GBの旧型機種で多数のアプリを同時起動している場合)
まとめ
「アプリケーションが開かなくなった」エラーは、強制終了や再起動といった基本的な対処で解決できることがほとんどです。頻発する場合は、ユーザーアカウントや権限の破損、macOSのアップグレード後に更新されていないサードパーティ製アプリが主な原因であることが多いでしょう。本記事で紹介した定期的なメンテナンス習慣を取り入れれば、Macでのトラブル発生を最小限に抑えられます。
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