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PCの速度を大きく左右する、意外と知られていない5つのスペック

コンピュータのアップグレードや新規購入を検討するとき、多くの人が最優先するのは「以前よりも速いマシンを手に入れること」でしょう。

パフォーマンス向上を示す分かりやすい要素としては、プロセッサのクロック速度の向上やRAM容量の増加などが挙げられます。これらは即効性のある改善をもたらしますし、最新のWi-FiやUSB規格への対応も、状況によっては大きなメリットになります。

ところが、カタログで目立つスペック以外にも、PCの速度に影響を与える要素が数多く存在します。

本記事では、その中でも特に重要な5つを取り上げ、アップグレード時に最大限のパフォーマンスを引き出すためのポイントをご紹介します。

プロセッサキャッシュ

プロセッサを選ぶ際、性能レベルを判断する材料としてよく知られているものがいくつかあります。

まずはプロセッサ自体のモデル名です。Intel製品であれば、「Core i7はi5より上位、i5はi3より上位」という序列があり、価格差にもそれが反映されています。

PCの速度を大きく左右する、意外と知られていない5つのスペック

次に、同じモデル内であれば、一般的にクロック速度が高くコア数が多いほど高性能です(もちろん絶対ではありません。新しい世代のプロセッサは古い世代よりも最適化が進んでいるためです)。

ところが、パフォーマンスに多大な影響を及ぼしながら見落とされがちな、もう一つのスペックがあります。それが「プロセッサキャッシュ」です。

プロセッサキャッシュとは、プロセッサ専用に割り当てられたメモリの一種で、RAMと似た仕組みで動作します。

RAMがアプリケーションのデータを一時的に保存し、ハードディスクへの書き込み・読み出しを省いて高速アクセスを実現するのと同じように、プロセッサキャッシュはCPUが頻繁にアクセスする必要のあるデータを一時的に保持します。これにより、日常的なCPU処理を格段に高速化できるのです。

PCの速度を大きく左右する、意外と知られていない5つのスペック

プロセッサキャッシュにはL1、L2、L3、さらには新型プロセッサではL4といった階層があります。L1はプロセッサ内部に組み込まれた少量かつ超高速なメモリで、下位の階層になるほど大容量かつ低速になります。プロセッサは各階層を順番に利用するため、最も重要なデータほどL1キャッシュに保存されます。

たとえば、IntelのHaswellベースのプロセッサでは、L1キャッシュが1コアあたり64KB、L2が256KB、L3が最大20MB、L4が最大128MBとなっています。

必要なキャッシュ量を正確に断言するのは難しいのですが、現在のノートPCやデスクトップPCでは3〜6MB程度が一般的です。ただし、性能面のメリットを考えれば、「クロック速度が低めでもキャッシュ容量が多い」ほうが、その逆の構成よりも高速である可能性が高いと言えます。

ハードディスクの回転速度

ストレージは容量で評価されることがほとんどですが、ハードディスクの速度もPC全体の速度に大きな影響を与えます。

ハードディスクの速度は「回転数(rpm:1分あたりの回転数)」で表され、プラッタがどれだけ速く回転しているか、すなわちアプリケーションがどれだけ速くデータを読み書きできるかを示します。

PCの速度を大きく左右する、意外と知られていない5つのスペック

一般的な回転数は5400rpmと7200rpmで、後者は比較的高価格帯のシステムに搭載されることが多い傾向にあります。ドライブ速度の違いが最も体感できるのはデータ処理が集中する作業時ですが、通常使用では差は小さくなります。たとえばゲームの場合、低速なドライブではロード時間が長くなりますが、プレイ中の体感差はごくわずかです。

さらにストレージ選びでは、HDDにするかSSD(ソリッドステートドライブ)にするかという、ますます重要度を増している問題もあります。

PCの速度を大きく左右する、意外と知られていない5つのスペック

大容量が必要なら、サイズの割に価格が手頃なHDDが依然として有利です。しかし、速度を最優先するならSSDの方がはるかに優れています。

たとえば、5400rpmのHDDを搭載したMacBookは、同型のSSD搭載モデルに比べて起動に少なくとも2倍以上の時間がかかるのが一般的です。この速度面のメリットは、動画編集やグラフィック作業からゲームまで、幅広い用途で体感できます。

ハイブリッドドライブ(SSHD)

実はドライブには第3の形態もあります。それが「ハイブリッドドライブ」です。SSHD(ソリッドステート・ハイブリッド・ドライブ)とも呼ばれ、SSDとHDDを組み合わせることで、前者の速度と後者の大容量を両立させます。

ハイブリッドドライブは、SSD部分をキャッシュとして利用することで機能します。よく使われるファイルやデータはSSD側に保存されてはるかに高速に読み出され、大型ファイルや使用頻度の低いデータだけがHDD側に置かれ、必要なときにのみ読み出されます。

ハイブリッドドライブでは、ソフトウェアがキャッシュ対象のファイルを管理します。この対象はシステムを常に最適な状態に保つため、時間とともに入れ替わっていきます。

ハイブリッドドライブを使えば、SSD並みのパフォーマンス向上を追加コストを抑えて実現できます。大容量ファイルの長期保存には使わないため、小容量のSSDで済むからです。

PCの速度を大きく左右する、意外と知られていない5つのスペック

SSHDは主要なHDDメーカーすべてから販売されており、デスクトップ向け3.5インチ、ノート向け2.5インチの標準サイズが揃っています。既存システムへの換装も簡単で、大幅な速度アップが期待できます。

同様に、多くのメーカーがミドル〜ハイエンド帯のWindowsノートPCやデスクトップにSSHD搭載モデルを用意しています。

Appleもデスクトップ向けに「Fusion Drive」を提供しています。Fusion DriveもSSDとHDDを組み合わせたものですが、一般的なハイブリッドドライブとは細部が異なります。

Fusion Driveでは2つのドライブが1つの論理ボリュームとして統合されます(たとえば1TB HDD+128GB SSD構成なら、1.12TBの単一ドライブとして認識されます)。SSD部分はキャッシュには使われず、代わりによく使うファイルが実際に高速なSSD側へ移動され、素早くアクセスできるようになります。

また、MacにSSDをセカンドドライブとして追加した場合、設定によって両者を連携させ、Fusion Driveとして動作させることも可能です。

RAMの周波数とレイテンシ

PCへのRAM増設は、最も手軽なパフォーマンス改善策の一つです。SSDではなくHDDを使っている場合はなおさらで、アプリに十分なRAMがあれば、ボトルネックになりがちなHDDへの一時的なデータ書き出しが減るためです。

とはいえ、すべてのRAMが同じというわけではありません。RAMの速度は「周波数」と「レイテンシ」の両方の影響を受けます。

PCの速度を大きく左右する、意外と知られていない5つのスペック

周波数

RAMの周波数はMHz(メガヘルツ)で表され、一度にメモリへ転送できるデータ量の目安となります。

高周波数のRAMは、内蔵グラフィックスを搭載したPCで顕著な効果を発揮しますが、一般的な用途では1600MHzを超えたあたりから体感差は小さくなります。

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レイテンシ

一方、レイテンシの影響はより大きいと言えます。レイテンシは、RAMが特定のタスクを実行するまでの遅延を測定したもので、「6-8-7-12」のような4つのタイミング値の組み合わせで表示されます。いずれも数字が小さいほど高性能です。

これらのタイミングが意味するのは、おおむね以下の通りです。

  • CASレイテンシ:最も重要な数値。メモリがデータを返すまでにかかるクロックサイクル数
  • RAS-to-CAS遅延:メモリバンクがアクティブになってから読み書きコマンド(CAS)が送信されるまでのクロックサイクル数
  • 行プリチャージ:あるメモリ行へのアクセスを終了し、次の行へのアクセスを開始するまでのクロックサイクル数
  • 行アクティブ時間:RAM上の1行のデータにアクセスするのに必要なサイクル数。通常、4つの数値の中で最も大きい

レイテンシは非常に技術的な概念ですが、一般論としては「高周波数よりも低レイテンシのほうが高い性能につながる」とされています。ただし、これは議論の多いテーマでもあります。

また、周波数が高いほどレイテンシも高くなりやすく(逆もまた然り)、両者が互いに相殺し合うケースも珍しくありません。

マザーボードのバス速度

マザーボードのバス速度を意識するのは、基本的に自作PCを組むときくらいでしょう。

しかし、マザーボードはPC全体の速度に不可欠な役割を果たします。マザーボードはシステムの中央ハブであり、プロセッサ、RAM、ハードディスクなど、他のすべてのパーツはここを経由して通信します。

PCの速度を大きく左右する、意外と知られていない5つのスペック

さらに、どんなパーツを使えるかもマザーボードが決めます。古くなったシステムでは、新しいパーツへのアップグレードを妨げることで、マザーボード自体がパフォーマンスのボトルネックになり得ます。

たとえば、1333MHzまでのRAMにしか対応していないマザーボードは、1600MHzのRAMで動作できる場合があります。しかしその場合、高速なRAMは低速な1333MHzにダウンクロックされてしまうのです。

PCの速度を大きく左右する、意外と知られていない5つのスペック

ディスプレイの解像度

PCやノートでゲームをプレイする人なら、画面解像度がパフォーマンスに与える影響についてはすでにご存じかもしれません。

ゲームをより高い解像度でプレイするほど映像は美しくなりますが、その分CPUとGPUへの負荷も増します。最先端のハードウェアを持っていない限り、最高解像度と快適な動作を両立できないことは珍しくありません。

この問題はゲームに限った話ではありません。フルHD(1920×1080)モニターは約207万3600ピクセルを持ちます。一方、ノートPCで今なお広く使われる1366×768のディスプレイは約104万9088ピクセルで、およそ半分です。そして4Kは800万ピクセルを超えます。

ハードウェアの性能不足で高解像度を扱えないこともあれば、リフレッシュレートを大幅に下げざるを得ない場合もあります。

たとえば、ある時期のMac miniは4Kモニターに対応していましたが、リフレッシュレートは30Hzまででした。これはWebページをスクロールするだけでも目立ち、60Hzの滑らかなスクロールとの差は歴然です。

PC本体の処理速度に直接影響するわけではありませんが、体感速度ははるかに悪く感じられるでしょう。

ある程度新しいマシンであれば、フルHDモニターへの切り替えで問題が起きることはまずありません。しかし4Kディスプレイの購入を検討しているなら、残りのハードウェアがそれを十分に駆動できるかを必ず確認してください。

まとめ

PCのパフォーマンスに影響を与える要素は数多くあります。メーカーは競合モデルとの優位性をアピールするために、都合の良い数字を前面に出しがちです。しかし、スペックシートの目立たない部分まで丁寧に確認すれば、そのPCが実際にどんな性能を発揮するのかを的確に見極められるようになります。

PCやパーツの詳細スペックをどこまでチェックしていますか? アップグレードしても期待した性能が出なかった経験はありますか? ぜひコメント欄でお聞かせください。

画像クレジット:Appleコンピュータ by Aurimas/Intel i7プロセッサ by Shakib Saifi/ハードディスク by William Warby/SSD・HDD by Simon Wüllhorst/SSHD by Sinchen.Lin/RAM by Mike Deal/RAMスペック画像 via dabs.com/マザーボード by Ripton Scott/Dell 5Kモニター via dell.com

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