ノートPCのサーマルスロットリングを解消する方法|原因とテスト手順を徹底解説
ノートパソコンが熱を発生するのはごく普通のことです。しかし、高負荷時に必要以上に発熱すると、パフォーマンスに悪影響を及ぼし、PCの動作が遅くなってしまいます。最悪の場合、過熱によってGPU・CPU・メモリモジュールなどのハードウェアに恒久的なダメージが生じることもあります。そこでMicrosoftはWindows PCを過剰な熱から守るため、「サーマルスロットリング(thermal throttling)」という安全機構を実装しています。本記事では、ノートPCのサーマルスロットリングが心配な方に向けて、スロットリングのテスト方法と具体的な解決策を詳しく解説します。

ノートPCのサーマルスロットリングを直す方法
CPUには約80℃というクリティカル温度(限界温度)があります。Windows PCが高温に達すると、熱の蓄積を防ぎ冷却を促すために、パフォーマンスが自動的に引き下げられます。
- サーマルスロットリングは、マイクロプロセッサの動作速度を自動調整することで電力使用量を最適化し、内部の過熱や部品の損傷を防ぐ仕組みです。
- 主な原因は、CPUやGPUが高負荷・長時間稼働した際に発生する過熱による「サーマルトリップエラー」です。重いゲームのプレイ、通気不良、ノートPCの長時間使用、オーバークロックなどが該当します。
- サーマルスロットリングの問題を見過ごして放置すると、ノートPCが恒久的に故障する恐れがあります。
そのため、使用状況をこまめにチェックし、早期段階で対処することが非常に重要です。
注意: クリティカル温度はプロセッサのメーカーやモデルによって異なります。
事前準備:まず試したい基本対策
サーマルスロットリングを予防するための基本的な対策は以下の通りです。
- ノートPC内部にホコリが溜まっていないか確認しましょう。内部構造がコンパクトなノートPCでは、ホコリが通気を妨げて冷却スペースを塞ぎ、過熱の原因になります。
- ノートPCの連続使用時間を減らすことも有効です。高負荷のまま長時間使い続けると、サーマルスロットリングが発生しやすくなります。
- ゲームプレイ時はグラフィック品質の設定を下げるようにしましょう。
- 監視ソフトウェアを定期的にチェックし、ノートPCのサーマルスロットリングを早期に検出できるようにします。
- クロックレートを上げると、プロセッサが通常より速く動作し、温度が大幅に上昇します。クロック速度を下げることを検討してください。
- 冷却パッドやチルマットを使うと、ノートPC全体の温度を下げるのに役立ちます。ノートPCの下に敷いて使用しましょう。
方法1:「最高のパフォーマンス」モードを有効にする
場合によっては、バッテリーセーバーモードがサーマルスロットリングの原因になっていることがあります。省電力が優先されることで、連続使用中に温度が上がりやすくなるのです。パフォーマンスモードを変更するには、以下の手順を実行してください。
1. Windowsの検索バーに「コントロールパネル」と入力し、表示された「開く」を選択します。

2. 「表示方法」を「大きいアイコン」に変更し、「電源オプション」をクリックします。

3. 電源プランを「高パフォーマンス」モードに変更します。
補足: 選択肢にない場合は、左側のペインにある「電源プランの作成」をクリックし、「高パフォーマンス」を選択してください。

注意: このオプションが見つからない場合は、システムトレイ(タスクトレイ)のバッテリーアイコンをクリックし、スライダーを「最高のパフォーマンス」に移動します。

今後もサーマルスロットリングを防ぐため、ノートPCの電源プランは常に「高パフォーマンス」または「最高のパフォーマンス」に設定しておきましょう。この方法は問題の解決策であると同時に、予防策としても有効です。
方法2:電源プランの詳細設定を変更する
Windows 10で電源プランを編集してサーマルスロットリングを制御する方法もあります。ここでは、最小プロセッサ状態と最大プロセッサ状態を100%に設定します。100%未満だと、高負荷時にスロットリングが発生しやすくなります。以下の手順に従ってください。
1. Windowsの検索バーに「コントロールパネル」と入力し、「開く」を選択します。

2. 「表示方法」を「大きいアイコン」に変更し、「電源オプション」をクリックします。

3. 「プラン設定の変更」を選択します。

4. 「プラン設定の編集」ページで「詳細な電源設定の変更」をクリックします。

5. 「電源オプション」ウィンドウで「プロセッサの電源管理」を見つけて展開します。

6. 「最大のプロセッサの状態」を展開し、「バッテリ駆動」と「電源に接続」の両方を「100%」に変更します。

7. 次に「最小のプロセッサの状態」を選択し、こちらも「バッテリ駆動」「電源に接続」ともに「100%」に設定します。

8. 最後に「適用」を選択し、「OK」をクリックして変更を保存します。
9. 設定を確実に反映させるため、PCを再起動してください。
方法3:レジストリエディターを編集する
レジストリエディターでサーマルスロットリングを無効化する方法は安全とは言えず、PC内のデータを失う可能性もあります。必ずノートPC全体のバックアップを作成してから作業してください。以下の手順で無効化できます。
1. Windows + Rキーを同時に押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます。
2. ダイアログに「regedit」と入力し、Enterキーを押します。

3. ユーザーアカウント制御の画面で「はい」をクリックします。
4. レジストリエディターで次のパスへ移動します:
Computer\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control
5. 左側のペインにある「Power」フォルダーを見つけ、右クリックします。

6. 「新規」を選択し、サブメニューから「キー」をクリックします。

7. 新しいキーフォルダーに「PowerThrottling」という名前を付けます。

8. 右側ペインの空き領域を右クリックし、「新規」→「DWORD (32ビット) 値」を選択します。

9. 作成した値に「PowerThrottlingOff」という名前を付けてEnterを押します。
10. 「PowerThrottlingOff」をダブルクリックします。
11. 「値のデータ」を「0」から「1」に変更し、「OK」をクリックして変更を確定します。

注意: 後で再有効化したい場合は、この方法の手順1〜4を行い、「Power」フォルダー内の「PowerThrottling」キーを右クリックして「削除」を選択すれば、電力スロットリングが再度有効になります。

方法4:グリス(サーマルペースト)を塗り直す
グリス(熱伝導ペースト)の塗り直しが、サーマルスロットリング対策になることがあります。すべてのPCにはCPUに接続された小型の冷却システムが搭載されています。構造がコンパクトなため隙間はないように見えますが、実際には空気が入り込むことがあります。
- 空気は熱を伝えにくい物質です。そのためCPUが発熱しても、隙間の空気のせいで熱伝導率が下がり、余分な熱を外部に逃がせなくなります。
- これはCPUの冷却を妨げ、結果的にサーマルスロットリングにつながります。
- 隙間にグリスを塗ると空気が遮断され、熱伝導性が向上して冷却システムが適切に機能するようになります。

サーマルスロットリングのテスト方法
PCがスロットリングされている疑いがある場合は、定期的にテストを実施しましょう。このテストによりノートPCのプロセッサを監視でき、ハードウェアの損傷を未然に防げます。
方法1:リソースモニターを使用する
1. Windows + Rキーを同時に押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます。
2. 「perfmon.exe /res」と入力してEnterキーを押します。

3. 画面に「リソースモニター」が表示されます。

4. 通常どおりノートPCを使用します。「最大周波数」の値はCPUの現在の消費電力を示しています。この値が一定の水準を超えない場合は、ノートPCがスロットリングされていることを意味します。
方法2:タスクマネージャーを使用する
タスクマネージャーでもサーマルスロットリングのテストが可能です。以下の手順に従ってください。
1. Ctrl + Shift + Escキーを同時に押して「タスクマネージャー」を開きます。
2. 「詳細」タブに移動します。
3. 任意の列見出しを右クリックします。

4. 「列の選択」を選択します。

5. 下にスクロールして「電源の調整(Power Throttling)」にチェックを入れ、「OK」をクリックします。

すべてのプロセスが「無効」と表示されていれば、システムは最高のパフォーマンスで動作しています。

方法3:サードパーティ製ツール「HWiNFO」を使用する
サードパーティ製ツールでテストするには、ノートPCに「HWiNFO」アプリケーションをインストールします。以下の手順を実行してください。
1. HWiNFOアプリケーションをダウンロードします。
2. 「Download」をクリックして[v7.16] HWiNFOベータ版をインストールします。

3. ダウンロードしたインストーラーファイルをクリックします。

4. セットアップファイルをダブルクリックし、ポップアップで「すべて展開」をクリックします。

5. 展開先の場所を選択して「展開」をクリックします。

6. アプリケーションをダブルクリックして起動します。

7. ユーザーアカウント制御の画面で「はい」をクリックします。
8. 「Sensors only」オプションを選択し、「Start」ボタンをクリックして起動します。

9. 下にスクロールし、プロセッサの「DTSセクション」の温度値を確認します。

ここで温度値を記録しておきましょう。通常より大幅に高い値が出ており、プロセッサが過熱状態で動作している場合は、スロットリングが発生している可能性があります。
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本ガイドがお役に立ち、ノートPCのサーマルスロットリングの解決方法をご理解いただけたなら幸いです。ご質問やご提案があれば、ぜひコメント欄でお聞かせください。次に知りたい内容についてもお気軽にお知らせください。
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